実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

大会 実戦教師塾通信八百六十六号

2023-06-23 11:35:37 | 武道

大会

 ~六年ぶりの代々木体育館~

 

 ☆初めに☆

剛柔流の全国大会は、思えば東京オリンピック開催に伴う整備のため、代々木体育館は使用出来ませんでした。その後はコロナの騒ぎのおかげで、全国大会が代々木体育館で開催されるのは六年ぶりのことです。

真夏日の代々木界隈は多くの人でにぎわい、神宮前では休日恒例、若者の躍る姿がありました。青々とした木々の間を縫って、ポルシェやベンツSLの上級グレードが山の手エリアを演出します。

 ☆宮城長順☆

今年は剛柔流の流祖・宮城長順が没してから70年の大会。長順の教えを書きます。

「人に打たれず 人打たず 事なきを もととするなり」

この日、宗家・山口剛史先生の大会を宣言する時にされたお話によれば、この教えは、

「人から非難されるようではいけない、人を誹謗中傷してはならない、事が起きたら平常心で対処しなさい」

となります。船越義珍の教え「空手に先手なし」は、実戦に際してのものと言えますが、こちらは普段の心構えです。

 ☆三戦(サンチン)☆

いつもの受付の場所ではなかった。通り過ぎた私を呼び止めてくれたのは、震災前に大学で、共に呼吸法を学んだベテランの門下生でした。元気そうですね、の挨拶が嬉しい。アリーナを歩く私を呼び止めたのは、雑誌『新・空手道』の藍原編集長でした。この人に聞けば、周辺の空手界の様子は大体わかる。流派同士の交流が始まってるようでした。

午後の競技が開始される前の集団演武。上段受け。その後は、山口先生が上級者を主導する「三戦」。

山口先生とツーショット。カナダ?の指導者に撮っていただきました。日本語は全くって感じの方だったので、下手くそな英語でも安心でした。少し分かりづらいですが、先生、道着ではありません。白の羽織と袴(はかま)です。

帰り際、今度は和服の方がにこやかに手を振ってる。先生の奥様でした。干物、ありがとう美味しかったわよ、と言われました。先日、いわき・四倉から「ニイダヤ水産」の干物を送ったのです。嬉しい。

 ☆☆

この前日、実は千葉県・柏に、将棋タイトル七冠の藤井聡太が、将棋AIポナンザ開発者とのイベントで来ていたそうです。少し前、ここで「将棋と武術は似ている」と書きました。さわりを書いておきます。

 武術における真剣勝負を、截相(きりあい)と言います。柳生新陰流では「刀中に身を蔵する」、つまり刀に我が身の入ることがスキのない状態となります。そして、相手の見えない仕掛けに応じる。これは受けのように見えて、相手の先を制することとなります。つまり実力の高い、実力の伯仲する者同士の戦いは、相手を制圧するというより、互いにより高い完成形を目指すものとなります。将棋と武術の似ている点、今日はこの辺で止めときます。

 

 ☆後記☆

その藤井聡太を囲む会でファンとの質疑応答、面白かったみたいです。子どもからのきわどい質問も出たようです。苦手な戦法は何ですかという質問には、ここでは答えづらいと、困ってる感じが笑えます。反抗期はなかったのですかの答が、プロ棋士の登竜門・奨励会の頃は、家でずい分怒りっぽかったという。意外と思えたし、納得もしますね。

賑わう神宮前。これでも人波が途切れた時に撮ったもの。そして、新しくなった原宿駅。以前の可愛らしい駅舎とは、すっかり変わってしまった、という印象です。駅前も表参道風になってました。

 ☆☆

最後に、先週のこども食堂「うさぎとカメ」の報告です。近隣の多くの学校は授業参観だったのですが、予想に反して多くの方がいらしてくれました。から揚げ屋のサンプルみたいに一杯作ったのが……もっと作ればよかった。

そして、野菜をたくさん寄付いただいて、皆さんに喜んでもらえました。

 ありがとうございました