瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

女の顔 その2

2010年08月14日 22時48分25秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)






「この先左脇に小さな公園が有るでしょ?
 1週間位前から、そこに幽霊が出るって噂が立ってるの。
 髪が長くて、長いスカートはいてたって…実際に見たコがクラスに居て、話してくれたのよ」


ナミと一緒に線路沿いの細い道を歩いてく。
時折、踏み切りの音が甲高く響き、少し遅れて電車が横を、ガタンゴトンと過ぎてった。
道が次第に上り坂に変わる、線路よりも高くなった足場から右に顔を向けると、背の高い金網越しに屋根が低く連なって見えた。

家並みの上に棚引く雲が、夕陽に染まって赤い。
陽射しは未だギラギラと強く、道の左側に続く白い石壁には、俺とナミの影が真っ黒く焦げ付いていた。

石壁が途切れて、左に紫陽花に囲まれた公園が現れる。
住宅地の隙間に押し込まれた様な、砂場だけの四角く狭い公園だ。
「猫の額」ってのは、こういう場所を指して言うんだろう。
道より更に小高い公園内に入ったところで、ナミは漸く連れて来た理由を説明した。


「幽霊が出る…だァ?てめェは、んなくだんねェ理由で、人を此処まで連れて来やがったのか…!」
「だって1週間位の内に、もう何人も見てんのよ!見たコは時間までしっかり覚えてて、嘘とはとても思えなかった!」

呆れを通り越して怒りが湧いた。
しかし睨まれた当人には俺が何を怒ってるのか解らないらしく、言い訳するにもポイントが完璧にズレている。

「嘘っぽい怪談って解るじゃない?『友人に聞いた話なんだけどォ~』なんて出だしで、体験者をぼかしてさ。この場合見た本人がはっきり『見た!』って主張してんのよ。すっごく信憑性高いと思う!」
「噂が嘘だと疑ってるわけじゃねェ…幽霊が出ようが出まいが、どうだっていいんだよ!」

興奮して喋るのを遮り、叫んだ。
俺を見上げるナミの目が真ん丸に開く。

「ゾロって、肝試しは嫌い?」

その一言でブチリと切れた。

「帰るぞ!」

踵を返してさっさと階段を下りる。
道に出る直前で首だけ振り返ると、ナミは背中を向けて、門の側のベンチに座って居た。
断固帰らない態度かよ…何故そんなにもムキになるんだか。
大仰に溜息を吐いて、頭をガリガリと掻く。
不承不承ベンチの側まで戻り、膨れっ面してる女の肩を、軽く叩いた。

「おら、帰るぞって!」
「帰りたければ、どうぞ勝手にお帰り下さい!私は帰んないから…!」

手をはね除けプイと逸らした顔は、とても高2には見えない。
今度は少し力を強めて、肩を揺さ振った。
再びその手をはね除けられる、自然と俺の口からは大きな溜息が漏れた。

「お前は反抗期のガキか?そうまでムキになるほど肝試しがしてェのか?」
「ゾロこそ急に大人ぶっちゃって、まだ高校生のクセに、可愛げ無い!肝試しくらい気さくに付き合ってくれたっていいでしょ!?」

…高校生男子に可愛げ求めてんじゃねェよ。
売り言葉に買い言葉で返して、いっその事置いてっちまおうかと思ったが、中身はガキでも器は充分女だ。
寄って来るのは幽霊に限らず、公園に独り残してくわけにいかねェ。
仕方なく隣に腰掛けた。

「…帰るんじゃなかったの?」

すっかり不貞腐れた顔を向けるも、ナミは俺がゆったり座れるように、体を右にずらしてくれた。

「夕日が落ちるまでだ。落ちたら一緒に帰る、いいな!」

後ろ向きのまま、太陽を指差して言う。
日が沈む間際の黄昏時、公園はオレンジ色の光に満ちていた。

「けど、見たコが言うには、夜10時頃だったって話よ。塾帰りに横を通ったら、丈の長いスカートをはいた長い髪の女が、空ろな顔してうろうろと――」
「んな時間まで待ってられっか!ただのキ××イだったかもしれねェだろ!」
「でも1週間位、毎日出てるって噂で――」
「だからキ××イなんだろって!!…違っても、そんだけの証言で幽霊だと決め付けられっか!」
「それに紫陽花が――」
「紫陽花??」

公園を囲む紫陽花を見回してナミが話す。

「紫陽花って土の質によって色を変えるって言うじゃない?去年と色が違って妙に鮮やかだって言う人が居るのよ」
「紫陽花の根元に死体でも埋められてるってか?んな事言うなら掘ってみるか?」
「や!ちょっ!止めてよ!!本当に出て来たら恐いじゃない!!」
「恐いんなら、そもそも肝試しなんてしようとすんなよ、矛盾してるヤツだな」

昔からこいつは恐がりのクセに、ホラー映画を観ようとしてたっけ。
観る時は必ず俺とルフィを呼び、てめェの後ろに俺達を座らせた。
トイレに行く時は必ず俺かルフィのどっちかを付き添わせ、出て来るまでドアの前で立たせた。

普段勝気で威張ってる女が怯える様は可笑しくて、ルフィと2人でわざと前に座ったり、居なくなったりしたもんだ。
今こうして腕に縋り付いてると、懐かしく思い出しちまう。
意地悪い笑みになってたのか、ナミに頬を思い切り抓られた。


時折響く踏切と電車の音と、俺達の喋る声以外は、何も聞えない。
住宅地の狭間だってのに、薄気味悪かった。
公園を囲む紫陽花が、西日を受けて虹みてェに輝いてる。
赤に青に白にピンクに紫に…その色が刻々とぼんやりして来た。
後ろを振り向けば、夕日が屋根の向うに、半分位落ちている。
夏至間近の空は中々暗くならないが、日が落ちれば早い。

「…後5分ってとこか」

俺が呟いたのを聞き、ナミが唇をギュッと噛んだ。
膝の上に置いてる鞄から、携帯を取り出す。

「ルフィを呼ぶから、来るまで待って!」
「は?…寝込んでる奴呼び出そうとすんなよ。つか呼んでどうする積りだ?」
「だって3人だったら、ゾロも居てくれるでしょ?ルフィならもう復活してるだろうし、肝試ししてるって聞いたら、あいつ嬉々として駆け付けるわ!」

止める間も無くナミが携帯を耳に当てる。
機械的な女の音声が漏れ聞えた。

「電波の届かない場所ォ!?嘘ォ!?公園でかけてるのにィ!?」
「だから止めろって…薬呑んで寝てるだろうしって――おいっ!聞けよっっ!!」
「この辺妨害電波でも乱れ飛んでんのかしら?線路の近くだし――ちょっと離れた所でかけて来る…!!」

ベンチを立ち、公園内をうろちょろ移動してかけるも繋がらなかったらしく、ナミは終いにゃ公園の外に出て行った。
まったく……何を意地になってんだか。
独りベンチに残された俺は、既に何度目かの大きな溜息を吐いた。






――お前ら、付き合う気有んの?


同級の悪友からぶつけられた質問が頭に蘇った。

学校で或る時もよおしてトイレに寄った時だ。
個室から丁度出て来た奴と会った。

「…おう」
「よォ」

短く挨拶を交わして出て行こうとした矢先、背中に脈絡の無い質問をぶつけられた。

「お前ら、付き合う気有んの?」

「んあ?」と訊き直したものの、奴の言いたい事は理解出来た。
俺とルフィが、ナミと付き合う気が有るのかを、訊きたかったんだと。

「彼女、あんなに可愛くてスタイルも抜群なのに、何時までも恋人出来なくて可哀想じゃねェか!」
「知るか!俺達のせいじゃねェ!あいつの意思で付き合わねェだけだろ!」
「いいや!クソ野郎2人が集ってるせいで、傍に男が近寄れねェんだ!…ナミさん、可哀想に…!」
「クソ野郎はてめェだろうが!鼻擦るんだったら手ぐらい洗え!」
「クソなんてするか!コレ吸ってたに決まってるだろ!」

人差し指と中指を口に当てて、スパーと息を吐き出して見せる。
小学5年にして煙草の味を覚えたと自慢する奴は、男子連中の間では有名なヘビースモーカーだった。

「で、付き合う気は有んのか?」

にやけた表情が一瞬で真剣なものに変る。

「無ェよ!俺もルフィも、あいつの事は家族みてェに認識してる。ナミにしたって俺達を家族だと認識してっだろうさ」
「付き合う気が無ェんなら解放してやれよ。恋人になる気も無ェのに何時までも傍に居ちゃ、彼女をオールドミスにしちまう。彼女が許してるからって、無責任な関係に甘んじてるな。男なら白黒はっきりさせて、付き合う気が無ェんなら身を引け!後は俺が引き受けっから!」
「とどのつまり狙いはそれか?」
「あったりめェだろ、クソマリモン!」

ニヤニヤと軽薄な笑みを浮かべる、いけ好かない野郎だ。
まるで俺とルフィがナミを束縛して、恋人を作る邪魔してるみたいに言いやがって。
そんな真似1度もしたこた無ェ、俺達はあいつの保護者じゃない。
大体まだ高校生の内から、将来あいつがオールドミスになるかならないかなんて心配してんな!
先にてめェの進路の心配しやがれ!


なまじ幼馴染なのが不味い。
身も心も近くに在り過ぎて付き合う必要を感じねェ。
もしも離れてたなら、傍に居る為に付き合おうって気にもなるだろう。

女に育った姿を透かして、ガキの姿のナミが見える。
ナミにしたって俺達の後ろに、ガキのままの俺達が見えてるんだろう。

けれど俺達はナミよりも早く、心が大人に育っちまった。
ナミは体こそ俺達よりも早く育ったけど、心はガキのまま俺達を求めてる。
だから俺達は逃げる、ナミの心を裏切らない為に――






――カンカンカンという甲高い踏み切りの音で目が覚まされる。

ぼんやり考え込んでる内に日は落ちて、薄闇の下りた園内には外灯が点っていた。
ナミはまだ戻って来ない。

「…何処までかけに行ったんだ、あいつは!」

舌打ちをする、捜しに行こうとベンチを立った。
こういう時は携帯無いと不便だなと感じる。

その時ふと、砂場を挟んで奥のベンチに、気配を感じた。
公園内に外灯は2ヵ所、住宅に隣接する奥は、外灯に照らされていない。
俺はその場に立ったまま、目を凝らした。



――女が居る。



向うのベンチの後ろにも同じく紫陽花が咲いていて、最初俺は花が動いてるのかと錯覚した。
そうじゃなくて、それは女が着ている丈の長いスカートの柄だった。

紫陽花柄のスカートをはいた女が1人、四つん這いになってベンチの周りをぐるぐる回っている。

暫くすると今度は立ち上がり、またベンチの周りをぐるぐる回った。

一心不乱といった体で、見ている俺に気付きもしない。
日は落ちても蒸し暑さは消えず、俺の背中は汗でじっとり濡れた。



――丈の長いスカートをはいた長い髪の女が、空ろな顔してうろうろと。



腕時計で確認する。
まだ7時前だ。
女が独りで居たって不思議じゃない。


キ××イだろう、声をかけるな。
放っといてナミを捜しに行くんだ。


なのに俺は近付いて、声をかけていた。


「何してんだ?」

女が振り向いて俺を見る。
間近で見た顔は蒼白くなく、生気に満ちていて、ほっとした。
黒の半袖ブラウスに紫陽花柄のロングスカート、腰まで伸びてる長い黒髪。
格好から察するに二十歳前後、俺より年上だろう。

「…びっくりしたァ~!いきなり声かけて来るから…危ない人かと思っちゃった…!」

それはこっちの台詞だ。
しかし女の立場からすると、生死に関らず、誰も居ない公園で男から声をかけられるのは恐怖だろう。
俺は心持ち距離を保ち、改めて声をかけた。

「いや…何か探してるみてェだったから…手伝ってやろうか?」

ナミの事も気になるが、知人を優先して目の前で困ってる他人を放っぽるのは、人でなしな気がする。
ルフィを相手に長電話してるんだろうし、ルフィと話してるなら、何か有れば奴が駆けつける筈だ。
そう判断した俺は、目の前に居る女を優先する事に決めた。

「手伝ってくれるの?嬉しい!」

パッと女の顔が綻ぶ。
その顔を見て、俺は生きてる人間である事を確信した。

「1人じゃ見付けられなくて困ってたの!それで会った人に声をかけて手伝ってくれるよう頼んだんだけど、何故か皆血相変えて逃げてくの」
「そりゃきっと幽霊だと誤解されたんじゃねェか?この公園、1週間位出るって噂が流れてたらしいから」
「私が幽霊?酷い!それで皆、声をかけただけで逃げちゃったのね」
「ひょっとして1週間位前から、あんた此処でずっと探し回ってたのか?夜も?」
「ええ…どうしても見付けなくちゃいけなくて…夜に公園来るのは恐かったけど、時を選んでなんていられなかった」

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とは言うが、この女にしてみれば幽霊騒ぎが持ち上がったせいで、とんだ試練を味わったわけだ。
笑うのは酷だが、噴出すのを耐えるのに苦労した。

「で、何探してんだ?コンタクトレンズとか…」

物の影がどんどん濃くなる。
1度家に戻って懐中電灯を取りに行った方が良いかもしれない。
ナミが戻って来たら、取りに行ってくれるよう頼むか。

考えてるそこへ、ナミの金切り声が響いた。


「その女から離れて!!!ゾロ…!!!」


ナミは公園に1人で飛び込んで来た。
結局電話は繋がらなかったのか。


「早く離れるのよ、ゾロ…!!!」

「…ナミ?一体何だってんだ?」


外灯に照らされたナミの顔が強張っている。
離れた所からも震えているのが判った。


「おい、誤解すんなよ。この人はちゃんと生きてる!…丁度良い所に来たな。お前、ちょっと家に戻って懐中電灯を持って来て――」

笑いながら近付こうとして、足が止まった。

後ろから女に腕を掴まれている。
ゾッとするような冷たい手だった。


「おかしいと思わないの!?雨が降ったわけでもないのに、そんなにずぶ濡れで…!!!その人普通じゃない…早く離れて、ゾロ…!!!」


「……ずぶ濡れ?…何を言って……!」


まるで泣き叫ぶような声でナミが喚く。
その様子を見ていて、恐怖がじわじわと背中を這い登った。

出会った女の顔は生気に満ちていて、生きてる人間にしか思えなかった。

けれど今掴まれている腕に、濡れた感触を覚える。

体が硬直して振り向けない。

背後でゴボゴボと水が湧き出る音がする――足下に気配を感じて俯くと、地面が泥濘に変わっていた。





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女の顔 その1

2010年08月13日 20時59分54秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
※これは桜トンネルシリーズの内の、「夏陽炎」の続編にあたる話です。





                          【女の顔】






「ラーメン屋で『冷やし中華始めました』の貼り紙を見ると、夏の到来を感じるわ」
「そうだな」

蕎麦屋で冷麺をすするナミの言葉に相槌をつく。
4人座れるテーブル席より1段上の畳席にはTVが置いてあって、愛してる愛してない憎い殺してやるといった、聞いてるだけで欝になる台詞を延々流していた。
学校の帰り道に寄ると、決まってこの愛憎ドラマだ。
TVの前を陣取ってる大仏パーマのおばさん2人組は店の常連で、何時来ても居るし俺達より先に帰る事は無い。
店主と親しく喋る身分を笠に着て、店のチャンネル権を掌握していた。

「はァ…あっつい!」

正面に座るナミが制服のブラウスのボタンを2つ外し、襟でパタパタと扇ぐ。
白い胸が露に覗け、俺は店名の入った丼の底に、慌てて目を落とした。

「気になるゥ?」

下から、にいっと音が出るよな、底意地の悪い顔が覗いた。

「別に」

ぶっきらぼうに返事をして、壁を向いた。
身を起したナミが、勝ち誇った笑い声を上げる。

「にらめっこは目を逸らしたら負けよ!悔しかったら逃げずに前向いてみたんさい!」

そこまで言われちゃ黙ってらんねェ。
正面向き直った俺は、敢えて余裕を気取り、頬杖をついた。
対抗してナミが益々谷間を見せつけるように挑発する。
こうなると意地の張り合いだ。
2人して暫く無言のまま、不敵に笑いつつ睨み合っていた。

「…てめェに慎む心は無ェのか?」
「ゾロは私に慎んで欲しいの?そうしないと理性を保って傍に居られる自信が無いわけね?」
「人を獣みたいに言うな!他人が見てる前で恥ずかしいと思わねェのかって訊いてんだ!」
「見てるのはゾロだけだもん。恥ずかしくないわ」

ナミが言う通り、畳席に居るおばさん2人も店主も、ドラマを肴に喋るのに夢中で、後ろのテーブル席の俺達なんか見向きもしない。
TVの中の男女は俺達以上に激しく言い争っていた。

「俺だって見ちゃいねェよ!てめェが見せるから、目に入るだけだろが!」
「そっちこそ人を露出狂みたいに言って失礼ね!暑かったから襟を肌蹴ただけ、思春期だからって、あんたが意識し過ぎてるだけでしょ!」
「誰が意識してる!?暑いくらいで肌蹴んな!我慢しろ!」
「あんただってシャツ肌蹴てるくせに、他人には我慢を強いるの!?理不尽だわ!」
「男は許されんだ!けど女は駄目だ!プールや海で男は海パン一丁でもOKだが、女は許されねェだろうが!」
「何それセクハラ!?イスラム国家じゃあるまいし、女にだって自由な服装を許すべきよ!」
「大体なァ、暑い日に辛い冷麺なんて食うから、余計に暑くなんだよ!」
「だって辛いの好きなんだもん!ゾロだって暑い日に熱いラーメン食ったじゃない!」
「煩ェな今時メンマと海苔とチャーシューしか載ってない此処のラーメンが好きなんだよ!人の食うもんにケチ付けんな!」
「あんたねェ~、言ってる事矛盾してるのに気が付かないの?」

店内は厨房から漏れる湯気で蒸し暑かった。
それも俺達を熱くさせる原因になっていたかもしれない。
TVの横には瓶ビールや瓶ジュースの入った冷蔵庫が置いてあり、その上の小型扇風機が休み無く首を振って涼風を送り込んではくれるものの、俺達のテーブルには吹流しすら持ち上がりそうもない微風しか届かない。
俺もナミも汗だくで、メニューを団扇代わりに扇いでいた。

「そんなに、てめェは俺に胸を見て欲しいのか?」
「誰が何時只で見せるって言ったのよ?」
「金を払えば見せてくれんのか?」
「金を払ってでも見たいわけね?」
「誰が何時見たいと言った!?」

堂々巡りで切が無ェ。
今更ながら口喧嘩を買ったのを後悔した。

「終いにゃ、手ェ突っ込むぞ…」
「そんな勇気無いくせに!」

脅かすように言ってもみたが、鼻で笑われた。
だが多少は効果有ったのか、ナミは開けっ広げていた胸を仕舞うと、ブラウスのボタンを留めた。
漸く目の毒が収められ、心からホッとする。
そんな俺の様子を見て、ナミはニヤニヤと性悪な笑みを浮かべた。

「あんたもルフィも色気にゃ無縁のタイプに思えたけど、ちゃんとノーマルな男子に育ってたのねv去年の夏から私を意識して避けてるでしょ?気付いてんだから!」



「ルフィ」ってのは俺と同じアパートの真下に住んでる幼馴染みだ。
そして目の前に居るナミも同じアパートで、ルフィの左隣に住んでる幼馴染みだ。
高校2年の現在まで、ずっと同級の腐れ縁。
揃って親が共稼ぎで遅くまで帰らないもんで、高1までは鍵を3つ持たされ、家3軒を自由に行き来していた。

今でも3人一緒には、よくつるむ。
けれど2人だけでは稀だ。
今日はルフィは腹痛で学校を休み、俺は逃げ切れずに捕まった。
それでも家に来て夕飯を作るというナミの申し出は断り、帰り道途中の蕎麦屋で食ってく折衷案に落ち着いた。
ナミの言う通り、俺もルフィもナミと2人きりになる事を避けていた、怖れていた。



「気付いてんなら気持ち汲んで遠慮してくれよ。…おめェだって何時までも俺達とつるんで楽しく思う年頃じゃねェだろ?」
「ゾロもルフィも、私と居るのは楽しくないんだ…」

しょんぼりと俯く、目が少し潤んでいる。
捨てられた仔猫の様で、謂れの無い罪悪感に苛まれた。

「楽しくねェとかそういうんじゃなくって…!うがあぁぁぁ!!どう言や解るんだよ!!めんどくせェェェ!!」

上手く言葉に出来ないもどかしさに、抱えた頭をガリガリと掻く。
離れていて好き合ってるなら、一緒になればいい。
嫌いだったら離れたままで居るからいい。
元から近くに居る分、どうしていいか判らなかった。

「――もういい!食い終わったんだろ?帰るぞ!」

これ以上蒸し暑い中で悩んでたら、脳味噌沸騰して味噌汁になっちまう。

「あ、待ってよ!まだ食べ切ってないんだから!」

早々と立ち上がって入口側のレジに向った俺を、ナミの声が引き止めた。
振り返った俺の前で、氷水に沈んでたサクランボを箸で抓む。
てっきり嫌いで残したのかと思ってたが違ったらしい。
しかし何で冷麺の上には、甘いシロップ缶のサクランボが載せられてんだ?
辛い麺に甘い果物を混入するセンスは、俺には全く理解出来ねェ。
けれどナミは嬉しそうにそれを含み、ティッシュで口元を押さえながら種を吐き出した。




常連との話に夢中になってた筈の店主は、俺達が帰り支度をしてるのを鋭く捉えると、レジに入って待ち構えていた。
店主の営業スマイルに送られて、引き戸をガラガラと開ける。
夏至間近の空は、18時を過ぎても夕方の様に明るかった。

「もう1箇所、寄りたい所が有るんだけど」
「何だ?まだ食い足りねェのかよ?」

坂を下ろうとした所で、袖を引っ張られた。
返事を聞くのも待たずに、ナミはアパートが在る方向とは逆の、線路沿いの脇道に入ろうとする。

「店じゃないの。ちょっと…ちょっとだけだから付き合って!ね?」

甘える声で引っ張る手を振り払おうとして、逡巡した。
そんな事をすればナミは傷付く、一緒に居るのが嫌なわけじゃない。
夏至間近の空は日暮れまで時間がかかる。
暗くなるまで帰ればいいと考えた俺は、大人しく袖を引っ張られて歩いてった。





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ハウステンボスでルフィと握手!その7

2010年08月10日 20時32分56秒 | ハウステンボス夏の旅行記
毎度変り映えしない始まり方ですが、前回の続きで御座います。
今回で1日目のレポは終了…の予定。



クルーザーで運河を1周し、戻って来た頃には20時を回ってました。
以前ならこの後花火で〆~というのが自分の定番の過し方。
しかしそれが無い以上、大人しくホテルに帰ろうと、グランキャフェ前に停めた自転車に跨り、アレキサンダー広場を突っ切ってこうとしました。
が、何かステージでやってる…おかしいな、夏の夜のショーイベントは明後日からの筈…実はその明後日に備えて、プレショーをやってたのです。
(詳しくはこちら→http://www.huistenbosch.co.jp/event/summer2010/summerbeat/)

生憎私は明日帰らなくちゃいけない。
観られなくて残念に思ってただけに、得した気分になれました。
という訳で広場に自転車を停め、ステージ席に着いて観賞。



↑その前に「ベルメールさんのみかんシャーベット」を買いました♪
ナミファンとして、これは食べずに終れないでしょう!
んで食べてビックリしたんですが、超美味かったのです!!
オレンジ味じゃないの、ちゃんと蜜柑の味がするの。
地元の特産品、西海蜜柑で作りました~って宣伝してたけど、信じるよ、この味なら!

同じ屋台で「ルフィの麦わらカキ氷(マンゴー味)」も提供してたけど、こちらも飾りの麦わら帽子が凝った造型で感動した。
お腹苦しくなかったら、そっちも注文してたよ。
てゆーかお腹苦しくてもアイスを食べた、己の根性に我ながら呆れる。(汗)
幸いこんだけ食べても、腹を壊すまでは行きませんでした。

08年夏イベントの時も感じたけど、屋台で出す料理だからといって、ハウステンボスは手を抜かない。
パークを代表する腕利きのコックがプロデュースしてたりするんで。(してない屋台も有るが)
ワンピデザートを提供するこの屋台も、コックが直々に客の注文を受けてました。
他にカクテルを提供する屋台も、ちゃんとプロのバーテンダーが、作って渡して下さる。
夏のイベント屋台について、まったりさんのブログで詳しく紹介されてますので、どうぞ御覧下さい。
今年は例年以上の盛り上がりを感じるなぁと思ったら、場内の人気レストランの多くが出店してたのですね~。

幾つか食べたワンピデザートの中で、自分が最も美味しいと感じたのは、この蜜柑シャーベットでした。
次点は花の家の豆腐ババロア。
食べてないけど見た感じでのお薦めは、「ルフィの麦わらカキ氷」、ロード・レーウの「ブラックチェリーパイ」、プッチーニの「サニー号パフェ」。
チェリーパイを持って来る辺りがマニアックだなと感心してしまう。(笑)
ただプッチーニとロード・レーウは、他店舗と比較すると格調が高い為、デザートだけ食べに入店するのはちと心苦しいかも…そう思ってピノキオを選んだという…微妙に失礼な理由で御免なさい。(汗)
けどやっぱりハウステンボスのレストランは、全体的にレベルが高いと感じた。
他テーマパークでこの手のイベント物食べた事有るけど、大抵あんま美味しくなかったもん。
日経の記者が褒めたのも頷けます。



↑で、肝心のショーはどうだったかと言うと、私が広場に来た時には、ブラジルのサンバチームがセクシーな衣装で踊ってました。



↑何人もの美女がジュディオングの如く艶やかな衣装を纏って舞踊り。



↑大きなテントを張って仕切られた会場に、大勢の観客が詰め掛け熱気ムンムン。



↑続いてメインステージ左横、第2ステージにファイアーダンスのグループが登場。
迫力のアクロバットショーを魅せてくれました。



↑メインステージにはタヒチアンダンスのグループが登場。



↑美女全員で本場のダンスを踊って下さいました。



↑トリを飾られたのは劇団スイセイ・ミュージカルの皆さん。
男性が見事なソロを響かせ登場、さぁ華麗なミュージカルの幕開け――

――かと期待してたら、こちらはあくまで当日をお楽しみにとばかりに、いきなりカーテンコールに雪崩れ込んで、観客にスマイルを振り撒き終った。
始まったと思ったら、もう終わり。
なんかウケてしまった。(笑)



↑その後も宣伝用の撮影したり、遅くまで練習を繰り返してました。
「此処はこの方があの方が~」、「この演出じゃ、こちらの意図が~」等々、時に厳しい意見も飛び出したりして、皆さん正しくプロだなぁと感心させられたです。
21時を過ぎても止めようとしなかったので、観るのを諦めホテルに戻りました。



↑自分が帰った後も1時間は練習してたんだろうなぁ。
その甲斐有って、本番はきっと見事なショーを魅せてくれたに違いない。
観客席の後ろでは、劇団関連のCD等を販売していました。



↑そういえばスタッドハウスにイルミネーションが点ってました。
これだけ見るとまるで冬に訪れたように錯覚する。(笑)
沢山のカラフルな電球で飾られ、ショー会場はとても綺麗でした。



↑部屋に戻って23時頃夜食、すっかり冷め切ったレモンステーキおにぎりと鯛めしおにぎりと、ダムで残した皮付きポテトを食べました。(汗)
いやしかし冷めてても美味しかったよ!
強がりじゃなくマジで驚きましたって!
レモンステーキってのは佐世保の名物料理で、薄切りにした牛肉を、ガーリック・レモン汁・醤油をベースに作ったソースに絡めて焼くという物。
それをモスのライスバーガー風にアレンジした物だと考えてくれればいい。
レモンの酸っぱさのお陰であっさり頂け、メチャ美味しかった。
鯛めしおにぎりは、鯛入りのかやく御飯といった風で、こちらも美味しかった。
てか焼いたおにぎりって美味しいよね、温かいままだったら尚美味しかったろうと思う。
いやでも冷えても美味しく戴ける物こそ、真に美味しい食べ物だと言えまいか?
冷めたら不味く変る物ってのは、実は大して美味しい食べ物じゃないのだと、自分は考えるのです。

…なんか言い訳がましく聞えますか?(汗)

部屋の斜め前が都合良く製氷室だったので、DEJIMAで買ったSPYワインに氷を入れて呑みました。
ワインジュースといった感じの飲料で、安さと呑み易さから気に入ってるのです。
辛党の人にはあんま合わんでしょうが。

ドムトールンは23時に消灯。
ケーブルTVを観ながら夜更かし、この時ワンピイベントのCMを初めて観た。
オープンするスリラーファンタジーミュージアムの宣伝も流れたけど、これは1人で泊って観る分にはマジ恐い。
いや昼間観る分には大したもんじゃないのだけど(汗)…安眠の為に場内の四季を長閑な音楽に合わせて流す、花チャンネルに変えたのでした。
ちなみにCMは此処で観られる。(→http://www.huistenbosch.co.jp/tfm/)

も1つ、毎夜の花火が終ってしまって寂しい方への朗報、近く第2回世界花火師競技会が行われますよ~!
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/summer2010/festival/)



コメント (8)
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ハウステンボスでルフィと握手!その6

2010年08月09日 23時02分07秒 | ハウステンボス夏の旅行記
こちらは今を盛りとばかりに蝉が鳴いてます。
7月中旬頃までは声を聞かなかった、やっぱ九州は南だから早いんだなぁと思いましたよ。
といったところで前回の続きです。



龍馬関連の施設をざっと見た後は、オーバーナイトで自転車を借りようと、アクティビティセンターに寄りました。
「オーバーナイト」って言うのは場内宿泊者用の貸し自転車サービスで、17:30~翌朝10:30迄1台につき1,000円(別途保証金500円、但し返却時に返金して貰える)で借りられるというもの。
他に終日レンタルと言って、10:30~17:30迄、同じく1,000円で借りられるサービスも有。
(詳しくはこちらを→http://www.huistenbosch.co.jp/stay/tokuten/)
場内宿泊者しか通らない早朝のパークを気侭に走るのが楽しくて、パークを訪れたら必ずと言って良いくらい借りてます。
特に1泊2日と短い間しか居ない場合は、借りなきゃパークを1周するのも難儀、ハウステンボスは広いから。
ただ私が借りに行ったのは営業終了5分前。(アクティビティセンターの営業は通常18時迄)
既にレジを締めちゃってて、自転車は貸して貰えたけど、ファミリエカードのポイントは返却時に付けて貰う事になったという。
店員さん、ギリで駆け込んで済みません、でもまだ5分前だったんだから、締めるのちと早いよ。(笑)

それはさて置き、借りた自転車で飲み屋街「アムステルフェーン」まで走り、グランキャフェ前に停車させ、今度はピザ専門店の「ピノキオ」に寄りました。
記事上の写真、壁画の前のピノキオ人形が、店の目印になってます。(↑)
ちなみに店の側には絵本が置いてあって、行列を待ってる間、子供に読ませる事が出来る。
「ピノキオ」は、休日には行列が出来るような、場内で人気の高いレストランなのです。



↑平日のこの日も結構繁盛してました。
何故人気が高いかっつうと、ぶっちゃけ口コミの力なんでしょうが、自分が以前食べたピザは確かに美味しかったです。
パスタも扱ってるんだけど、そっちはごく普通に感じた。
パスタ等他イタ飯だったら、同じドムトールン下に在る、「プッチーニ」の方をお薦めしたい。
ただディナータイムの値段は、ピノキオの方が断然安い。
それで結構なボリュームなんで、家族で来た場合かなり得に感じられるだろうなぁと。
私が食べたのはポテトとベーコンのピザだけど、1人じゃ1枚どころか半分食べるのすら苦しかった。
その辺りが人気を呼んでる理由の1つになってるかも。

んで此処には別にピザを食べに来た訳ではない。
そこまでは無理、絶対無理。(汗)



↑ゴムゴムのアイスを食べに来たのです。
が、紹介写真と微妙に違う…ハーブを飾ってない、海賊旗が刺さってない!
アレは子供向けのサービスだったのか?ハーブも??
「写真はイメージで、実物とは若干異なる場合も有ります」か?
単に忘れただけかもしれないけど、少し残念に感じなくもなかった。
どっちも食べる際は邪魔になる物だけどさ。(笑)
てゆーか近くで見ると、麦わら帽子にあんま似てない事が、1番残念だったかも。(笑)

味は苺パフェ。
底に苺ジャムが沈んでて、その上にフレーク、バニラアイスが載っていて、美味しかったです。
麦わら帽子っぽく形作ってあるのはパリパリしてて、これは多分チーズを細切りにして揚げた物じゃないかと。(違ったらゴメン)
美味しかったけど、正直サニー号パフェか、ブラックチェリーパイにすれば良かったな~と、思わなくもなかった…店の人には申し訳無いけど。
てぇか此処までデザートの食べ過ぎで、甘い物はもう要らない境地に達してたんすよ。(汗)
来る前まではデザート全て食い切る積りだったけど…アイスだったら腹の中で溶けるから軽いだろうと考えてたけど…それこそアイスの如く甘かった。
という状態だったんで、このレポはあんま当てになりません。(汗)
尚、支払いはモニターキャンペーンの特典使って20%オフになりました。
ピノキオのメニューについて、詳しい事はまったりさんのブログを御覧下さい。



↑次に同じくドムトールン下、ユトレヒト・カナル・ステーション側に新しくオープンした、「佐世保グルメストリート」へ夜食を買いに行きました。
何だかんだ言ってよく食うな~と思われそうだが(汗)、此処に寄るのも楽しみの1つだったんですよ~。



↑特に「はな一」のレモンステーキおにぎりと、鯛めしおにぎり。
レモンステーキも鯛めしも地元の名物、他に旧日本海軍時代所縁の甘味、入港ぜんざいセットも売ってます。
甘味はもう結構なんで、レモンステーキおにぎりと鯛めしおにぎりを1個ずつ注文。
作るのに7~8分かかるとの事、プレートで焼いてる間、香ばしい匂いが漂ってました。



↑で、待ってる時間を利用して他の店を撮影、隣はニュースタッドでも軽食カフェを営業してる「エバーカフェ」が、佐世保バーガー店を開いてました。
店は2~3週間位で変更するらしく、8/4~8/17は「ベルビーチ」、8/18~8/31は「ゆきおじさんのハンバーガー」が出店を予定してるそうな。



↑その隣には、ぶっかけ冷やしうどんやトコロテン等、宇久島名物料理を提供する「うくうく宝島」、



↑その隣には佐世保四ヶ町の人気バー&カフェ「サルソウル」、



↑その隣にはこちらも旧日本海軍時代所縁の、海軍カレーを提供する「cafe.5」、



↑その隣にはスパーケンブルグでも営業中のハンバーガースタンド、「ビッケンビッケン」が並んでました。

こうして佐世保名物を食べさせる店が並んでると圧巻、ハウステンボスは遠方から訪れる客が多いですから、地元色強い食事処はウケると思うんですよ。
実際私が寄ったのは閉店間近だったけど、客はまだ何人か買いに来てましたし。
予想してた通り「はな一」さんの人気が高かったかなと、おにぎり好きな人は多いからね。



↑季節によって変動は有るでしょうが、私が行った時は19時半閉店でした。
買った物は側の野外テラスで食べるも良し、自分のようにホテルに持ち帰って食べるも良し。
詳しくは毎度お世話になりっ放しですが、まったりさんのブログを御覧下さい。



↑出来上がった夜食を持って、カナルクルーザーに乗りに。
余談だけど船着場に居た白鳥が可愛かった。
船が近くに寄っても、ちっとも逃げないんだ。

ブルーケレンのカナル・ステーションへと向う間に、刻々と暮れ行く空。
といっても既に19時半近かったし、夏は日が長い分たっぷり遊んだ気になれますな♪

ブルーケレンに着いた所で一旦降ろされる乗客。
私はそもそも入国棟に用事が有ったんで、降りた後そっちに向いました。
総合インフォメーションにアンケートを提出しなくちゃいけなかったから。
アンケートに答える事で、特典を受けられる約束だったからねえ。



↑灯りが点ったナイアンローデ城。

再入国する場合は入国ゲートでスタンプ押して貰って出る。
受付のお姉さんから「20時になったら此処のゲート閉めてしまいますが…」と心配されちゃったんで、「いやいや5分とかからず戻るから大丈夫です」と答えた。
だってアンケート出すだけだし。(笑)
んで言った通り5分とかからず戻って来たもんで、受付のお姉さんに笑われてしまった。



↑ナイアンローデ城横から観た、キンデルダイクの夕景。
夜へと移ろう瞬間こそ、ハウステンボスは美しさを極める。

再びブルーケレンのステーションから、カナルクルーザー(最終だった)に乗って、ユトレヒトへと戻る。



↑青く輝くドムトールンが綺麗だった。
6/1~6/30迄開催された「プレゼント・ブルー」と言う名のイベントの一環で、ドムトールンを特別に青く輝かせてたそうなんだけど、7月を過ぎても観られるとは思わなかった、得したv(笑)



↑船が到着する頃には完全に日が沈み、街は藍色の空の下、煌くイルミネーションで飾られていました。



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ハウステンボスでルフィと握手!その5

2010年08月08日 16時52分41秒 | ハウステンボス夏の旅行記
思えばあの日も暑かった…
振り返れば懐かしい約一月前の夏休み、なんてノスタルジーサマーに浸りながら、前回の続きで御座います。



ホテルに着いて部屋の写真を一通り撮った後は、休む間も惜しみ再び蒸し暑い外へ出掛けました。
1泊2日の旅ですから、あまり悠長に構えてられません。
観たいものが有るなら、行って観ておかねば。

港街スパーケンブルグへと向う運河沿いの通り(↑)を、徒歩でテクテク歩いて行きました。
初夏に咲き誇ってた薔薇は、辛うじて残っていた状態。
聞く所によると、今年の薔薇祭は過去最高の美しさだったらしい。
丹精篭めて育てた薔薇の運河が、遂に絢爛華麗の域まで到達したって事で。
来年再来年と更に美しさに磨きがかかるに違いない。
今迄自分の中では、此処のベストシーズンは冬で決まりだったけど、薔薇の運河が出来た事で、新たに初夏が候補に入りました。
ハウステンボスじゃないと観られない風景の1つですよ。



↑昼過ぎには晴れ間が覗くまで回復した空、雨上がりの薔薇は水濡れて益々艶やかに。
フリー(無料)ゾーンと有料ゾーンとを分けるサウスゲートを潜ってスパーケンブルグに入ります。

ところで陸路から入国する場合、フリーゾーンにはどやって行くのだろう?と、謎に思ってたんすよ。
したらまったりさんによると、入国棟側の6番バス乗場から、バスに乗って行けば良いらしい。
詳しくはまったりさんのブログにて…有料ゾーンに入らず無料ゾーンだけ楽しみたい方は、バスで到着後今度は6番乗場でバスを待ち、無料ゾーンへと向う必要が有るって事ですか。
まぁ大多数の方は、来たからには有料・無料ゾーン両方とも、楽しもうって考えるでしょうが。(笑)
遠方から遊びに来て2泊以上する人は、1泊目は有料、2泊目は無料って、分けて楽しんだりするかもなと。



↑港街のシンボル船、デ・リーフデ号。
オランダと日本の架け橋となった木造帆船のレプリカです。
目の前に広がる海、漂う潮の香り、港街スパーケンブルグは、もう1つの玄関口。
オンシーズン中は長崎空港から高速船乗って、此処から直接入国しちゃった方が、渋滞知らずで無難です。
高速船何時の間にか値下げしてるし…そういえば前回行った時既に値下がってたか…ガソリン高騰も落ち着いたしな。(笑)
ちなみにハウステンボス行きは「大村湾内航路」を御覧下さい。



↑パレスに向う途中だったけど、和食堂「花の家」でお茶を飲んでく事に。



↑こんなチラシが貼ってあったのを発見したもので。(笑)
自分が旅立つ前日まで、「ワンピースメニュー有のレストラン」として紹介されていながら、肝心の料理の紹介が出てなかった為、気にはなってたのですよ。



↑そのせいか店内誰1人居らず…自分が出る頃漸く1組入店したけど、非常に寂しかったです。
スパーケンブルグがフリーゾーンに定められ、人気だった他店舗は有料ゾーンに移転してしまい、毎夜恒例だった花火も止めてしまった事で、客は激減しただろうと思う。
その内此処や、未だ残ってる花屋「キューケンホフ」も移転するのでしょうか?
ホテル・ヨーロッパ、フォレストヴィラが在る事を考えると、幾らフリーゾーンだとはいえ、こちらにもテナント入れて賑やかにして貰いたく思う。
検討中だって言うアウトレット計画、やるんならスパーケンブルグで展開させたらどうよ?
現在アクティビティセンターとして利用してる館だけでも広さ有るし、龍馬伝館も期限終ったら空くのだし、そうなったらよろず屋も空くだろうし、大航海体験館・ランガダイク・ヘクセンハウス・キャプテンショップ・フィッシャーマンズピアー・カタルニアと、そのまんまになってる空き店舗沢山在るのだから。
一から造るより金かからなくて良いじゃん。(笑)
無料ゾーンだからって放っといてもマイナスに働くだけ、有料ゾーンにも足を運ばせる為に、無料だからこそ魅力有る店舗を揃える事は必要だと思う。

なんて事はさて置き、旅レポの続きです。
サービスのお茶を頂いた後、注文したのは「チョッパーマンの豆腐ババロア」。



↑これです!帽子のよろけた×に苦心の跡が見える、料理人渾身の作!(笑)
皿の絵は説明せんでも解るでしょうが、切り取ったシートの上からチョコパウダーを降り掛け描いたそうです。
味は確かに豆腐、控え目な甘さで美味しかった!

「海賊弁当」もチラシで見ただけとはいえ、凝ってて中々美味しそうでしたよ。

麦わら帽子のオムライス/にくう~(手羽もとの唐揚)/ヒレカツ/ベビーハム/野菜串/横綱のキュウリ/はっちゃんウインナー/はっちゃんのたこ焼/コンソメスタミナスープ

と、9種類もの料理が1つに納まってて、値段はたったの千円!
豆腐ババロアもそうだけど、場内のワンピメニューの中で、最も凝ってると感じられた。
コミックス読んで作品らしさを出そうと研究する料理人の姿が浮んで目頭が熱くなりましたよ。(笑)
感動のあまりレジで支払う時絶賛し、何故パンフやサイトで紹介しないのか伺ったら、どうも…間に合わなかったらしい。
今はサイトで紹介されてるけど、最初から紹介してあったなら、間違い無く最も注目されてただろうに。

「お客様が注文して下さった第1号です。だから宣伝お願い致しますね!(笑)」

スタッフの方、約束通り宣伝しました。(笑)
という訳でこれから行く人は「花の家」へ急ごう!
尚、花の家はランチタイム&ディナータイムは和食堂、3時のおやつタイムは喫茶、そろそろ閉店が近いタイムは居酒屋として営業するという、3つの顔を持つ月の女神様の様な店です。
詳しくはまったりさんのブログを御覧下さい。(丁度更新して下さって有難い…何時もお世話になってます)



↑店を出た後は今度こそ参道を上って、パレス・ハウステンボスへと向いました。
雨に洗われた緑の葉が瑞々しい。
この辺りから蝉がミンミン喧しく鳴いていて、正しく時雨の様に音が降って来る。
冬ばっか訪れてて、夏のハウステンボスを初めて体験した時は、カルチャーショックを覚えましたよ。
こんなにも生き物が存在してるのかって。



↑パレス参道は紫陽花のスポットでもある、私が訪れた頃、辛うじて残ってた房。
見頃は例年6月初旬~中旬でしょうかね。
ホテル・ヨーロッパの周囲と、ブルーケレン~ニュースタッドへの通りも、毎年紫陽花が咲き連なってて綺麗ですよ。

坂を上り切ると見えて来る華麗な王宮。
フリーゾーン側に在りながら、「パレス・ハウステンボス」は有料区域、入る時はとくとくチケット、もしくは現金600円が必要です。
正門が封鎖され、元自転車置場に受付が設けられていて、そこでチケットを見せて入場する訳ですが…今迄と同じく前庭までは開放して貰いたいなぁと。
場内宿泊者の場合は、早朝~午前9時迄、今でも無料で前庭を散歩出来るんですが。
正門が封鎖されてる光景が、どうにも引っかかるのでした。
折角フォレストヴィラ~パレスまで開通したのにね。



↑パレス前庭に広がる緑の森、晩秋は紅葉のスポットに変身します。



↑前庭入って直ぐ右翼に在る薔薇園、結構咲き残ってました!



↑反対側左翼の白薔薇園の方は、残念ながら既に終ってましたが、側に咲いてた名も知らぬ白い花が可憐でした。
これって名前何て言うんでしょうね?(花の名前に疎いもんで…)



↑パークのシンボル「パレス・ハウステンボス」、モデルはオランダ現女王ベアトリクスがお住まいの王宮。
此処で8/31迄開催予定の「宮廷画家ルドゥーテの描いた美しき薔薇展」も、ワンピイベントと同じ位、私が観るのを楽しみにしてた催しなのです。
館内美術館は以前受付が在ったのですが、入場自体が有料になった事でノーパスで入館出来ました。

マリーアントワネットやナポレオン皇妃ジョゼフィーヌに仕え、薔薇の宮廷画家として19世紀初頭のフランス宮廷で愛された薔薇を、銅版画にして描き残したピエール・ジョゼフ・ルドゥーテの作品を169点展示してるとの事。
現存していない貴重な品種も描き残されてるとの事で、芸術性と共に植物学の資料としても、重要度が高いと注目されてるそうな。
撮影不可な為、詳しくはこちらを。(→http://www.huistenbosch.co.jp/enjoy/topics/museamu/redoute_art.html)

花弁の淡い陰影を再現する為に、ルドゥーテが生出した技法は、点刻彫版法(スティップル・エングレーヴィング)と呼ばれるそうで、これは解り易く例えるなら点描みたいなものかと、気が遠くなるほど小さな点を集合させ、陰影を付けてるそうな。
現在では再現不可能って、そりゃそうだろうさ。
近付いても銅版画とは思えない緻密な絵、透き通った花弁に感嘆すると共に、脅威を感じました。
薔薇にかける人々の情熱にも。

2階の1画ではルドゥーテの絵をモチーフにした、食器やハンカチ等の優雅なグッズを販売しとりました。
その隣には古式ゆかしいオルガン「フィオリーナ」が置いてあり、11時半・13時半・15時半・17時半の計4回、演奏するとの案内板が前に立ててありました。
後30分もすれば17時半だったんで、待ってようかと考えもしたけど、急にトイレに行きたくなり諦めた、少し後悔。



↑という訳で時代部屋や壁画の間も駆け足で過ぎ、1階に下りてティーサロン「パレス」も横目で見たのみ。(いや写真撮ってるけど)
此処はルドゥーテ展に合わせて8/29迄オープンしてる喫茶室。
こちらも残念ながら16時がラストオーダーで、私が来た時には営業終ってしまってたのです。



↑色々と諦めてパレス後庭を観に行きました。
此処でしか観られない「幻の庭園」です。



↑夏は緑の色が増す回廊、窓には蜘蛛が巣を張ってました。



↑で、窓から覗いて左側には、綺麗な白百合が咲いてる花壇が在りまして。
生垣に阻まれて近付けはしないんですが、此処って地味に花のスポットなんですよ。
黒アゲハがひらひらひらひら飛んでて和んだです。



↑庭園から入場有料になった事で、此処も封鎖されてしまった海への道。
仕方なく正門に戻り、来た坂道を下りて帰りました。



↑で、港街からUターンして、観光丸を観に行きました。
龍馬像が立ってたんで一緒に記念撮影、結構人気を博してた様です。(笑)



↑側に有った龍馬グッズを売る「よろず屋」、龍馬の額縁写真チョコが面白いと思ったけど買ってない、実際に買ったのは竜馬タオル。
暑い夏には嬉しいラムネなんかも売ってます。



↑「帆船博物館」を併設してまして…てゆーか此処も地味に復活してるし。(笑)
昔の航海に関る物が展示されてる此処は、ワンピファンなら訪れたいですね♪なんてな。

「船の食事は胃に重く、何より献立が単調だった。朝は何時も曳き割り小麦に1人1匹の塩漬け鰊、昼食はえんどう豆かインゲン豆の他、1テーブル毎に半ポンド(225g)の肉、またはベーコンを煮込んだ物の繰り返しだった…」



↑ミルク鍋にオイル注しにケーキ型といった、当時使われてた物が観られます。



↑続いて漫画家やイラストレーター、総勢32名が描いた「私の龍馬」イラストが観られる、期間限定展示館を観に行きました。(無料、~8/31迄)
龍馬と言うか、魔夜氏や吉崎氏の様に、ちゃっかり自分の作品キャラを当て嵌めたイラストが結構有って、やはり作家は自己顕示欲が強いなと感じたり。(笑)
ケロロやパタリロが龍馬のコスプレしてるんすよ。(笑)
そんな中、新條女史の龍馬絵には、流石の愛を感じたです。
江川氏は相変わらずの手抜き絵で、それが江口氏の緻密な絵の隣に展示されてるのは何の嫌味かと…いや単にあいおうえお順でそうなっただけですが。(笑)
タルルート連載してた頃は、江川先生も作品に一生懸命当たってたんだけどねぇ。
一般のイラストでは№26が圧倒的に巧かったです、どう見てもプロじゃないかと。



↑そして此処が大河ドラマ「龍馬伝」に合わせ、期間限定でオープンした「龍馬伝館」。
時間が無くて此処も寄れずに終ったんですが…てゆーか文字数が最早限界で余裕が無い為、今回の記事はこれまで。(汗)
詳しくはこちらの特設サイトを御覧下さい。(汗)



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ハウステンボスでルフィと握手!その4

2010年08月07日 16時27分33秒 | ハウステンボス夏の旅行記
前回の続きだけど、タイトルを裏切って、今回はワンピ色殆ど無し。(汗)
ワンピイベントのレポを楽しみにしてらした方がいらっしゃいましたら済みませんと謝りつつ、ごく普通の旅のレポを始めさせて頂きまする。



イベント会場を出た後は、ビネンスタッドを歩き廻って、買い物を楽しみました。
オランダ語で「旧市街」を意味するビネンスタッドは、パーク中央に位置するスタッドハウス(内部は硝子細工の美術館になってます)を取り巻いて、土産屋が数多く建ち並ぶ一大ショッピングゾーンなのです。



↑中でも人気の店舗が揃ってる区画「マルシェ・ド・パラディ」。

ハウステンボスオリジナルの菓子を売る「ラフレシール」、
珈琲を買うだけでなく喫茶でも頂ける「マイスターズドリップ」、
輸入チーズを各種揃える専門店「ル・フロマージュ」、
フレーバー付の珍しいオリーブオイルも置いてる「オー&コー」、
季節に合せた紅茶とジャムが面白い「マジェスティーズブレンド」、
ハウステンボス印のソーセージやベーコン等々食品を手広く扱ってる「グランシェフ」、
気軽に抓めるスナック中心夏季は粒々アイスも売ってる「ポップドゥ」、
バウムクーヘンとクッキーを主に取り扱う「ヘクセンハウス」、
パークで最も著名なコンフェクショナリー「タンテ・アニー」、

といった食料品店舗の並ぶ1号館(?)に先ずは寄って、会社に家にと色々買い物して行きました。
買った土産についてはレポの最後で紹介予定です。

続いてハウステンボスオリジナル雑貨の店「ロゴグラム」、
地酒にビールに焼酎ツマミに輸入カップ麺まで置いてる「DEJIMA」、
ワインに詳しい店員が貴方好みの1品を選んでもくれる「ディオニソス」、

が入った2号館(?)に寄りました。



↑中でも注目したのは、ワールルド・ビア・フェスタ開催中の「DEJIMA」。
世界のビールが150種類並んでると言うんだから凄い。
なのにお客が殆ど居なくて寂しい…。
その前のワンピショップに客吸い込まれちゃってて、此処まで来てくれないんですよ。(汗)
ビネンスタッドに入った時点で、ワンピース歴代のOP&EDソングが流れて聞えて、グランドライン店の存在はかなり目立つ物でした。

思うんだが絵心の有るバイトにナミさんゾロのポップを描かせて、店の入口ん所に貼っといたらどうだろう?
「もう1杯注いでくれねェか?――ゾロが愛した焼酎」とか、「んまいv故郷を思い出すわ!――ナミに捧げたい蜜柑味の酒」とか書いて。
イベント開催してる今、そんくらいの便乗は許されると思うんだ。
「龍馬が愛した焼酎」とか言って、坂本龍馬ブームには思っ切し便乗してるんだから、ワンピースにもパーク全体で便乗しちまえ。(笑)
元より尾田氏は九州が誇る有名作家なんだから。
ちなみに長崎は蜜柑の産地で、蜜柑味の飲食物は、実際に多いのです。
長崎名物「西海みかん」はマジで美味いよ!

「マルシェ・ド・パラディ」は屋内施設になっており、店舗を分ける通路には椅子とテーブルが並んでる。
夏場はクーラーが利いてるんで、涼める休憩場所としても利用出来るのです。



↑買い物を楽しんでる途中、クラシック音楽が流れて来たので、誘われてステージに行ってみたら、ミニコンサートをやってました。
演奏されてたのはハンガリー出身の方々でしょうね。
ハンガリー舞曲第5番ト短調等を弾いてらっしゃったので。
ピアノとチェロによる見事な2重奏、ステージ前の席に座った観客が、うっとり耳を傾けておりました。
写真だと観客1人に、撮影してる自分の計2人しか聴いてなかった様に見えるでしょうが(汗)、本当は結構居て、皆さん奥床しくも後ろの席に着いてたのです。
ハウステンボスにクラシックは良く似合う。
そして需要も高いのだなと感じた。
こういうコンサートは突発的に行われるので、当日の場内イベントボードを確認するか、総合インフォメーションで訊いた方が良いです。

現在ワールドバザールはワンピイベントの会場に充てられてる為、他夏イベントステージ用に第2テントが張られてる状況です。
ビッグなテント会場が2つ並んでる様は、如何にも夏祭りっぽくて賑やか楽しいっすよ♪



↑トロピカルモードに変身した夏イベント会場「アレキサンダー広場」。



↑周りには屋台が並んでいて、お昼2時を回った頃から、開店準備をし始めました。



↑ドクター・ケア・フィッシュの小屋も出てました。
古くなった皮膚の角質を啄ばんでくれるというお魚さんで、内装はお座敷釣堀か足湯といった感じ。
(詳しくはスタッフブログに→http://www.huistenbosch.co.jp/event/blog/staff/?itemid=891&catid=6)
体験したくはあったのですが、歩き疲れてホテルで休みたかった為に、諦めてしまいました。(勿体無い)
買った荷物かなり有ったし…てか場内ホテル宿泊者なんだから、デリバリーサービス利用して、店からホテルへ運んで貰う事も出来たんだけど。(まだやってるよねえ?)
ホテル・アムステルダム宿泊だと、広場の直ぐ側に在るもんで、利用しなくてもなぁと考えちゃうのですよ。
これがホテル・ヨーロッパ宿泊なら頼んでる。
フォレストヴィラ宿泊の場合は…どうなんでしょうねぇ?
ホテル・ヨーロッパのフロントで受け渡しなら、利用するメリットは微妙に感じなくもない。
コテージまで運んで頂けるのなら、一も二も無く利用するけど。
だってパークからかなり遠く離れてるんだもん。
ちなみにデリバリーサービスを利用出来るのは夕方4~5時位迄だったと記憶している。



↑夏のアレキサンダー広場は水の王国。
雨が降ってた為に午前中は閑散としてたらしい広場は、午後を過ぎて段々と人の姿を多く見かける様になりました。
写真は「ポップアップスクエア」と言って、音に合わせてチェス柄の地面から水が噴き出る一角。
他には時々溶岩ならぬ大水を噴射する「フォンターナ火山」、水柱は大粒の雨となって広場に降り注ぎます。
霧のゲートにプール…写真左に小さく写ってるのがゲートで、潜ると真っ白で冷たい霧を噴出してね~、これが暑い夏には冷やっこくて気持ち良い。
イイ年したおばちゃんだけど、何度か潜らせて頂きました。(笑)

一部有料の物も有るけど、水遊びが大好きな子供向きの、楽しいコーナーで御座います。
側には更衣室も用意してあるんで、パパママも大助かり。
(詳しくはこちらを→http://www.huistenbosch.co.jp/event/summer2010/water/#water)



↑夜は広場で花火も楽しめる、という事で夏季限定花火屋さんもオープン。
以前エッシャーグッズを売ってたメタモルフォーゼ跡です。
その右隣の薬局アポテーク跡地は、花雑貨屋「フルール」に変身してました。
んでアポテークはスパーケンブルグに在る総合売店シーブリーズの隣にお引越しだそうです。
…あまり薬局をあちこち移転させるのはどうかと思うけど…しかも陸の出入国口から見て遠いし。(汗)
薬局を利用するのは場内宿泊者に限らないだろうし。



↑チェックインの15時を過ぎた所で、宿泊の予約を入れたホテル・アムステルダムに向いました。
懐かしの中庭~♪薔薇が見頃終ってた為に、ちと華やかさに欠けてたけど。
花を楽しみたいなら、ハウステンボスには春~初夏、秋(それも10月中旬)に訪れると良いでしょう。



↑ホテル・アムステルダムのシンボル時計、夜は仄かに赤くライトアップされる。
精緻な彫刻が見事で御座いましょう♪



↑ロビーは古代神殿風の造り、ホテル・ヨーロッパの様な重厚さは無いけど、広々として居心地が良く大好きなのです。



↑チェックインをお願いして荷物を待っている間、ウェルカムドリンクのパインジュースを頂きました。
甘酸っぱくてメチャ美味しかった~v
てか今迄ウェルカムドリンクはホテル・ヨーロッパのみのサービスだったのに…実はオープンから5年目位迄は全場内ホテルでやってたんだけど…サービス強化月間ってヤツだろうか?
答えは次回泊る頃に出るかも。(笑)



↑セカンドロビー(自分呼び)も以前とは少し様子が変りました。
ソファが有って(写ってないけど)、新聞を読めるのは変りませんが。



↑案内して頂いた部屋は最上階の4階。



↑珍しくもドムトールンを正面に眺める部屋でした。



↑アムステルダムならではのリビングセット。
窓辺に寝心地の良い長ソファが置かれてるのが嬉しい、寝そべって夜景を眺められるから。(笑)



↑1人宿泊なのに、ベッドは贅沢にも2つ利用しちゃいました、残り1つは物置として。



↑オフホワイトの壁には昔のオランダ風物を描いた額縁絵が飾られています。



↑ベッドの上から見た眺め…自分の荷物が写っちゃってますが。(汗)
このホテルは本当に部屋が広々としてて寛げるのです。
ホテル・ヨーロッパほど格調高いインテリアは無いけどね。
それと洗面台が明るく非常に使い易いと思うのだ。(その辺りはセカンドロビーの所でリンク貼った記事を参考にされて下さい)



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ハウステンボスでルフィと握手!その3

2010年08月06日 23時44分57秒 | ハウステンボス夏の旅行記
前回の続きで今回も写真が多いんで、文字極力少な目に参ります。
そんでもって前回レポ、ワンピイベント会場の続きを紹介~。



仲間との出会いの間を過ぎた辺りから、フロアが不気味に薄暗くなりました。

「此処が地獄の大砦!!!か弱い庶民の明るい未来を守る為!!署長に代わってオシオキよ!!――あ、間違えました――極刑を言い渡す!!!」

立ち塞がる副署長「ハンニャバル」の先は、恐怖の海底監獄インペルダウン!(↑)



↑「君もエースの様に捕まった気分になろう!!」的、記念撮影のコーナー。
背後の壁からは同じ檻に収監されていた、元七武海「海侠のジンベエ」の声が響きます。



↑難攻不落の監獄をぶち破る巨大な顔のオカマ、イワさんこと「エンポリオ・イワンコフ」。



↑「毒の巨兵(ベノム・デーモン)――地獄の審判!!!」

そいつに触れる事は死を意味する。(あ、漫画が違う)
恐怖の大技で脱獄者を猛追する署長「マゼラン」。
写真じゃ判り難いでしょうが、実際にはもっと薄暗くて、中々の迫力なのです。



↑迎え撃つのはMr.3のドルドルの実の能力により、カッチョ良くキャンドルアーマーで武装したルフィ。
あの時は時間が無いから仕方なかったとは言え、どうせならサムライトルーパーか聖闘士星矢の様にして貰えば良かったのに。
身に纏う際は「武装ーー!!!」とか叫んだり。
古いネタですいません。

んで此処らで「ちびルフィにも会えるぞ!」と、紹介されてた訳だが見当たらない。
フロアは話の順通り、居るなら監獄フロアの筈。
念の為先へ行ったり後に戻ったり、しかし見付からない。



↑ふと後を振り返ったら居ました!
キャンドルルフィが立ってる壁を隔てて背中合わせに…ただチビ過ぎて視界に入らんかったのです。

インペルダウンは海底の監獄、周囲は大型の海王類がウヨウヨ泳いでる海、つまりは天然の鉄壁。
監獄を抜け出しても脱獄は難しい。



↑という訳で魚人ジンベエさんの出番、ジンベエザメの群れを味方に付け、海を越えます。



↑そして海軍に捕まったエースの居るマリンフォードへ。
周りに居並ぶのは七武海の面々。



↑脱獄したイワさん、ジンベエ、クロコダイルも参戦。
後には海賊王に最も近いと言われた白ひげが仁王立ち。



↑左方より、鷹の目、ドフラミンゴ、ゲッコー・モリア。



↑バーソロミュー・くま、麗しの海賊女帝ハンコック。



↑折角だからアップで写してみた、う~ん、ナイスバディ!
石化覚悟でお胸に手を差し入れたくなります。



↑事態を引き起こした根源「黒ひげ」は、暗躍を表すように海賊旗のみの登場。
てかシリーズの主役であるエースと白ひげが絵って何故?(汗)
ラグナシアで開催したイベントで製作しとらんかったからですか?
前回も書いた気がするけど、ハウステンボスで開催中のワンピイベントには前身が有る。
てーか最近のワンピースは全国で目覚しい活躍っぷりで、ファンの世代が一回りした事をしみじみ感じたり。
己がそうだから思う訳じゃないけど(汗)、漫画やアニメや小説のファンって感受性が鋭いんですよ。
紙の中の世界に命を感じ、己の頭の中に再構築出来るんだから。
そんなファンがイベント目当てに訪れて、一体何を感じてくれるだろうか?
漫画やアニメや小説のファンにはサイトやブログを持ってる人が多い。
だから私はその人達に期待する。



↑会場出口前の記帳コーナー、多数のワンピファンから、「楽しかったよ♪」という言葉が記帳されてて嬉しかった。
その後にはフィギュアや縫ぐるみが飾ってありました。
そういや今度ナミさんのセクシー紐ビギニフィギュアが出るね~。
連載開始した頃少年だった人も、今やナミさんに憧れる年頃になったでしょうからねぇ。



↑「旅行するならどこに行きたい?」、しっかり有ったH.I.Sの宣伝コーナー。
麦わらの一味が薦める世界各国への冒険、てゆーか旅。
ハウステンボスでワンピイベントが開催したのは、H.I.Sが付いてくれたお陰っすから、自分的に感謝しておりまする。
その内何処か旅行する際には、お世話になろうと考えてる。(笑)



↑ノビノビルフィ、手を引っ張ると伸びるんです。
そういや悪魔の実の能力が体験出来る酒場は何処に有ったのか?
ひょっとしてこれか!?いやまさか。(汗)
会場を駆け足で廻ったから、見落としてる物も多いんだろうな。



↑最後に出会ったマネマネボンちゃん、肩を叩くとマネマネが発動するらしい。


会場を出た後は、期間限定ワンピースレストランに変身した、「ダム」に向いました。



↑ワンピイベント開催地を教える、チョッパーの標識看板。
こやって街中にワンピキャラが居るのって感慨深い。
期間限定で麦わらの一味と一緒に記念撮影が出来る写真館に変身してる「フィギュアヘッド」には寄り忘れました…やっぱ此処を1泊2日で廻るのは慌しいわ。(汗)



↑レストラン「ダム」の看板は、コックのサンジで納得。
その横は海賊ラリーのポイントの1つであった。
ちなみにレストランとは言ってるけど、「ダム」は実際にはファーストフード店ですので、レストラン的なサービスは期待されませんように。



↑店の看板に飾られた一味のポスター。
……またナミさんが居ない。(悲)
仲間の中にナミさんだけが居ないと、仲間外れになってるようで悲しくなる。
映画SWのイラストの様に。(話のヒロインだったから致し方無いとはいえ)



↑イベントに合わせて改装された店内には、一味を表す海賊旗等が飾られてました。
結構繁盛してましたよ、自分が見た感じでは、「ルフィの麦わらのオムライス」が人気を呼んでた様でした。
可愛いデザインだもんね、あれ。



↑私が選んだのは「フランキーバーガー」、瓶コーラ付のエネルギーセットで注文。
ちゃんと似せて作ってる!偉い!!感動!!



↑それにとくとくチケット特典でポテトを付けて貰ったんだけど、その際店員さんに怪訝な顔されちゃってね~。
渡されて意味を理解したわ、ポテト元からバーガーに付いてるし!
なのにわざわざポテト注文したから変な顔されちゃったのね。(汗)
むしろバーガーだけを注文して、特典でドリンク付けて貰えば良かったのね。(汗)

ハンバーガー、美味しかったけど、かなりのボリュームが有って、ポテト食べるまでいかんかった。
んで結局残し、紙ナプキンで包んで、夜食用に持ち帰ったのです。(汗)
ポテトも思ったよりボリューム有ったもんで。
夜食に食べたポテトはすっかり冷えてたけど美味しかったよ。(笑)

他のメニューもボリューム有ったせいか、オムライス注文した斜め前の席のカップルは、半分以上残して席を立った。
オムライスじゃ持ち帰るのは難しいとはいえ、ルフィの料理を注文して残してはならん!!
そこはルフィよろしく根性で食い切れ!でなきゃルフィに怒られるぞ!!
てぇか勿体無ぇ~~。

ダムについてはまったりさんのブログを参考にされて下さい。



コメント (4)
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ハウステンボスでルフィと握手!その2

2010年08月05日 19時31分38秒 | ハウステンボス夏の旅行記
前回の続きです。
今回はマジで写真が多いんで、文字は極力控え目に…。





↑ワンピショップ「グランドライン」を出た後は、いよいよワンピイベント会場へと向います。
ビネンスタッドの、普段はお土産テント市なワールドバザールが、期間限定で会場に利用されていました。
料金は一般500円、ファミリエ会員・とくとくチケットを持ってるなら400円、受付横の自販機でチケットを購入し、スタッフに見せたらいざ入場~!
平日という事でやっぱ人少なかったです。



↑ちなみに受付横のルフィ海賊旗の前は、「ルフィと一緒に写真を撮ろう」コーナーになっていて、家族客に人気を博していました。(念の為断っとくと、ルフィが来たのは7/15~7/16のオープニングセレモニーの為で、現在は残念ながら会えません)
ナミさんが来てたら写真を撮って貰ったかもしれん。(笑)



↑更にちなみに会場を囲うテントにはゾロ海賊旗、



↑ウソップ海賊旗、



↑エース海賊旗が掲げられていました。
…他仲間を差し置いて、何故にエース!?
それとも単に自分が見逃しただけで、他仲間の海賊旗も近くに掲げられてたんだろうか?



↑探すのを諦め中へ入ると、先ずはメリーが出迎えてくれた。



↑その横にはガイモンさんも居た。
金貨の詰まった宝箱は会場内のあちこちに置いてあり、覗くとアニメワンピースの映像が観られます。



↑メリーと共に麦わらの一味の手配書が飾られた第1のコーナー。(シャンクスもさり気に居たが)
ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジという、イーストブルー5人組の紹介がされてましたが、一味を代表して手配書はナミさんを。(笑)
ゲンさんばりに拡大コピーしたセクシーショットが眩しいですv



↑手配書の裏はこんな感じ、そのキャラの名シーンを流し、愛用の道具が飾ってありました。
撮影時流れてたのはアーロン編、ナミが肩の刺青をナイフでグサグサ刺すという、観てる方まで心が痛くなるシーン。(涙)
そして愛用の道具は勿論クリマタクト!(組み立ては出来んようだったが…贅沢か)
実際に手に取れる事に感動した、これで貴女も、んナミさんですv



↑これがナミさん役を演じておられる岡村明美さんのサイン。
…以前より謎に思ってたんですが、まるでオバQなこの顔は、一体何を表しているのでしょう??



↑ルフィ愛用の代物といったら、やはり麦藁帽子!
ワンピショップ「グランドライン」でも売ってました。
カンカン照りの夏には大助かりの、実用的なキャラアイテムっすね。(笑)



↑「海賊王に俺はなる!!」、ルフィ役を演じている田中真弓さんのサインが、横に記されていました。



↑ゾロ愛用の物といったら3本の刀!
新しく手に入れた「秋水」も、ちゃんと加えてあるようで。
流れてた映像はくいなとの誓いエピソードでした。
思い起せば、この回のくいなは可愛かった~v



↑この刀、ちゃんと抜く事も出来るのです。
無論危なくないよう玩具ですが、芸が細かいな~と感心してしまった。



↑ウソップのアイテムは…………そげキングのマスク。
いや確かにそうだけど、そこはパチンコ(カブト)じゃなくて良いのか!?(汗)
被ったとしてウソップじゃなく、そげキングになってしまうのでは!?
え!?「同じ事だから良いだろ」って!?――そんな事言って良いんですか!?どう思いますか!?そげキン…じゃなかったウソップさん!!
…一味の1人として手配された後、そげキングの行方について、ルフィは気になりやしないのだろうか?
それとも誰かからこっそり正体明かされてたりするんでしょうかね~?



↑そんで紹介文の横に書いてあった、ウソップ役を演じてる山口勝平さんのサイン。
「来たぜ!!」、すっかりウソップになり切ってて流石です。
てゆーか流石の絵の上手さです!氏は漫画が上手いと業界でも有名で、同じく役を演じてた犬夜叉をそっくりに描いてみせたのには驚いた。

どうやらルフィ役の田中さん、ナミ役の岡村さん、ウソップ役の山口さんは、ハウステンボスに遊びに来られたみたいですねー。



↑こちらサンジ愛用の道具、上の包丁は玩具ですが、



↑下の包丁セットは本物なのか、「手を触れるな」との警告文が書かれてました。
なら飾らなければ良いんじゃ?と思わなくもないが…てゆーかサンジはアイテム2種類用意されてるなんてエコ贔屓だわ~。(笑)
しかし考えてみれば、包丁に煙草と、サンジ愛用の代物は、お子様に宜しくない危険なブツばっかである。(笑)



↑そしてこれは壁に掲げられたナミ海賊旗、キュートv



↑サンジ海賊旗、



↑チョッパー海賊旗、



↑ロビン海賊旗、



↑フランキー海賊旗、



↑ブルック海賊旗、キャラのイメージぴったりで楽しい♪
ルフィ、ゾロ、ウソップのは、既に↑で写真を上げたんで、此処では紹介せず。



↑第1コーナーを過ぎて、今度はグランドライン突入前の、進水式のジオラマが飾られた第2コーナーに参ります。
頑張って屈んだりしたんですが、パンツは見えませんでした…ちっ。



↑レッドラインの向うに待っていたのは鯨のラブーン。



↑トンネル(?)を過ぎたそこは、チョッパーの故郷の雪国でした、って事で彼の紹介ボードと愛用の物。
角も一緒に外れてるんですけど…角もアイテムだったのですか?
てゆーかまんま市販品ですがな。(笑)



↑コーナー1つ独占しちゃうとは、人気者はやる事が違う。
桜色の雪が舞う旅立ちのシーンでは、後で旗振るチョッパーが、ぼわわんと浮び上がる仕掛け。



↑そしてサニー登場、ガオン砲を撃ったり出来たみたいっすが、遊ぶの忘れてしまった…ちょいと心残り。



↑エニエスロビー編後、真に仲間となったロビンは、此処で紹介されてました。
愛用の道具は石板「ポーネグリフ」……これも愛用か?まぁロビン愛用ったら、本ぐらいしか思い付かないからなぁ。
ちなみに映像がナミさんなのは、故意じゃなく偶然流れた故です。(汗)



↑フランキーの紹介ボード。



↑愛用の………コーラ??いやこれどう見てもソースかケチャップ瓶でしょう。(爆笑)
実際のコカ・コーラ瓶を置いとくと飲まれる心配が有るから…さりとて模造品はコカ・コーラ社に怒られるんで出来ない…なぞと葛藤した末のデザインだろうか?



↑今居る中では最後に仲間入りしたブルックさんの愛用品は、アフロヘアー付のシルクハットにステッキ。
後は骸骨のお面が有れば、マジでブルックさんのコスプレが出来そうです。
てゆーかブルックさんも大事なアフロ外れちゃって良いのぉ~?

といった所で続きは次回~♪



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ハウステンボスでルフィと握手!その1

2010年08月04日 19時57分44秒 | ハウステンボス夏の旅行記
色々途中だったりするものが在りますが(汗)、それらを一旦置いて今年7/15~7/16に、ハウステンボスへ行った時の記録を、書かせて頂こうと思います。
ナミ誕に引き寄せられて、大勢のワンピファンがいらっしゃってる今がチャンス!
この機を逃して何時書くというのだ?と、クシャナさんっぽく言い訳してみる。
1泊2日しか行ってない割に、撮影した写真200枚軽く超えてるんで、前置きはこれくらいにしていざ参る!



「ハウステンボスでワンピイベントを開催!」

何時かその日が来る事を夢見ては居たものの、正直本音は諦めてた。
その前に○園しちゃうかもな~なんてネガティブなってた。
しかし夢を諦めちゃいけないですね~、奇跡は忘れた頃にやって来る!
ドキワクする胸を押さえ、羽田第2から長崎空港に向ってフライト。
機内の席は後部通路側で、夏だからか珍しく窓際が空いてなかった。

東京は晴れていたけど、西へ向うほど悪くなる空模様。
前夜観たニュースでは九州豪雨で大ピンチと言ってただけに心配になって来る。
それこそ豪雨に見舞われるハウステンボスが映ってたし。
そんな時に遊びに行って済みませんなんて疚しく感じもする…でも遊びに行くのは止めない。(汗)
天災に見舞われた観光地ほど、実際には率先して遊びに行って、お金を落とした方が為になるって言うしね~なんて、こういう場合は自分に言い訳しながら遊びに行くのですよ。(笑)
余談だが隣の席の男性が今をときめくiPadを持ってて、羨ましさから機内に居る間中コッソリ画面を覗いてた。

荒ぶる梅雨前線の影響で、今回も飛行機が揺れた。
特に着陸時、乱気流に巻き込まれた時ほどじゃなかったけど、恐かったよお。

10時20分長崎空港着、この頃には雨は止んでいた。
しかしバスに乗車して道路を走る時になって、またもやポツポツ降り出す雨。
11時30分頃ハウステンボスに着、傘が要るほどじゃなかった為、差さずに先ずは場内ホテル受付に寄って荷物を預ける。
バス停からトンネルの様な入国棟を潜り抜けて左には場内ホテル受付が在り、宿泊者はそこで荷物を預ければパーク内手ぶらで楽ちんいい旅夢気分なんで御座います。



↑んで入国ゲートを潜る前にも1ヶ所、入国棟内の総合インフォメーションにも寄った。
今はもうやってないけど私が行った期間中は、ファミリエ会員限定で「モニターキャンペーン」というのを行っていて、アンケートに答えれば対象ホテル・レストランでの食事が20%OFF、プールが50%OFFになる特典を受けられるという事をサイトで知ったからです。

券を受け取った後は今度こそ隣の入国ゲートへ。
「入場チケット」と「1DAYとくとくチケット」を購入しての入国。
リニューアルしてチケット内容もかなり変わったハウステンボスだけど、例え2泊3泊居ようとも「1DAY」で充分だなぁと感じてしまう。
てゆーか何度も行くのに未だ年間パス購入しない自分はアホだと思う。(汗)



↑ゲートを潜った所で、おじさんが手回しオルガンを演奏して、お出迎え。
曲目は懐かしくも「だんご3兄弟」でした。
雨が激しくなると困るんで、数曲聴いただけで先を急いだけど、オルゴールの音色はハウステンボスに良く似合ってて好きだ。
ウェルカムガーデンの薔薇はまだ少しだけ残ってました。



↑ナイアンローデ城前に花壇が復活してて嬉しかった♪

内部はテディベアミュージアムになっているナイアンローデ城。
加えて現在は宝探しアトラクション「ジパング探偵倶楽部」の受付でもある。
海賊王の宝を手に入れたくば、場内に隠された謎を解け!
ワンピファンなら心擽られるアトラクション、しかし1泊2日しか居られないので、今回は残念ながら断念しました。
(詳しくはこちら→http://www.huistenbosch.co.jp/event/summer2010/zipangu/)

城を潜ってテディベアショップ「リンダ」前のバス停で、スパーケンブルグ行きのバスを待つ。
その時雨がドザーッ!!!と凄い勢いで降り注いだ。
バス停で待ってた為、傘を開かなくて済んだけど…今回は流石に使う事になるだろうな~と諦めの境地に至る。
しかしそれなら「レイニータクシー」が利用出来るな~とも思った。
これも梅雨時限定のサービスで現在は行ってないけど(汗)、私が行った時は雨が降った場合、場内タクシーが半額の500円になったのです。
場内宿泊者なら居る間雨が降ってもさして困らない。
それもまた趣を感じられて良いと思うでしょう。

正午の鐘が鳴り響き、バスが来たんで乗車。
目当てはカフェデリ・プリュだったんだけど、終点のスパーケンブルグで降りる事にした。
リニューアル後場内バスの停留所がどう変更したのか確認したかったのと、フリーゾーンと有料ゾーンとを分けるサウスゲートがどんなもんか確認したかったからです。



↑ホテルヨーロッパの手前、ハーフェン橋に設置されたサウスゲート。
此処を潜って先は入場無料のフリーゾーンです。
つまり現在スパーケンブルグは無料、但しパレスハウステンボスは有料。
今年は大河ドラマ「坂本龍馬」に合わせて、さながら龍馬村の様相を呈しているスパーケンブルグですが、大河が終ったらどんな風に変るのかと思うと、かなり不安を抱かなくもない。
もっともフリーが徹底すれば、オープンしたキャンプ村は活きるでしょうが。
(場内キャンプについて→http://www.huistenbosch.co.jp/event/summer2010/camptenbosch/)
新しくこんな宿泊施設も出来たそうな。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/hotel/topics/acthouse.html)
ホースランド内厩舎併設の元スタッフ宿舎を使っての物だそうで、近隣から遊びに来る人には良いかも。



↑終点でバスを降りた後は、徒歩でサウスゲートまで戻った。
「此処から先は有料で入場チケットが必要で~す!」とアナウンスが流れる検め口で、入場チケットをスタッフに確認して貰う。
ぶっちゃけ面倒臭く感じなくもない。

バスは現在ブルーケレン~ホテルアムステルダム~スパーケンブルグと停まる。
他に場内ホテル受付~ホテルヨーロッパの直行便も在るそうな。



↑サウスゲートを潜った後は、今度こそカフェデリ・プリュへ行った。
店の前ではウソップ看板がお出迎え。
不思議な事に自分がバスを降りた瞬間、雨は止んだのです。



↑ホテルヨーロッパのクオリティそのままな味が楽しめる喫茶、「カフェデリ・プリュ」の店内。



↑窓辺も優雅で御座いましょう。



↑スワン型の花挿しが可愛いなと思ったv
席に着いた私は「チョッパーの帽子」と「キャプテーン・ウソップ」を注文。(余談だがこの時やたら恥ずかしかった…自分もまだまだだな)
とくとくチケットの特典を使ってアールグレイのアイスティーを頂いた。



↑見事に3次元化された「チョッパーの帽子」、中はムースでグレープフルーツが入っており、帽子のつばはクッキーで出来てました、中の果物の酸っぱさと、ムースの甘さのバランスが程好く、美味しかったですv



↑こちら「キャプテーン・ウソップ」、この状態で袋詰めされてて、パンフの写真とは違うなーと思わなくもなかったり…それともあれは子供限定のサービスか?
薔薇の花弁入りアイスを挟んだ薔薇マカロン、鼻は例えるなら鈴カステラみたいな味で、マカロン以上に美味しく思った。(笑)
マカロンの方は滅茶苦茶甘くて、想像以上に食べ難くデカかったです。
撮影にかまけてた自分も悪いが、溶けたアイスが零れて、手がベタベタになるんすよ。
食べる際はウェットティッシュをお忘れなく。

食べてる間またもや雨がドザーッ!!と降って来て、しかし自分が店を出る頃には止んでいた。
何か恐ろしいほど雨に降られず、不思議を通り越して不気味に感じた。

ところでハウステンボスのワンピイベントには前身が在って、愛知県の海のテーマパーク「ラグナシア」で開催された物のパワーアップ版だったりする。
したがって料理&デザートの一部はそこでのレシピを参考に作っておるのですよ。
チョッパーの帽子、ルフィの麦わらオムライス、海賊旗カレーとか…勿論料理する店が違う訳だから、材料や細かいデザイン等は違ってる。
(こちらを参考に→http://www.laguna-gamagori.co.jp/laguna/spring/food_goods.html)
写真だけが判断材料とはいえ、チョッパーの帽子なんかを見ると、ラグナシアには失礼だが「勝った!」と感じなくもない。(笑)
やっぱハウステンボスの料理人は腕が確かだと思うよ。

喫茶カフェデリ・プリュはベーカリーも併設、また焼き菓子をお土産に買う事も出来ます。
マドレーヌやマカロン等ホテルメイドのスイーツに興味の有る方は、まったりさんのブログを参考になさって下さい。



↑お茶を飲んだ後は、ビネンスタッドに在るショッピングモール、パサージュ内に特設されたワンピショップ、「グランドライン」へ遊びに行きました。



↑店の出入り口前では船長が力強いポーズで客をお出迎え。



↑その右横の窓にはウソップ、チョッパー、ロビンも居ました。



↑左の窓にはゾロ、サンジも居ました。



↑ブルック、フランキーも居ました…

……1人…1人足りない!
大事な人が足りない!!
ナミさん!ナミさんは何処!?
ナミさんを求めて捜し廻る私。
お~~い!!ナミっすわぁ~~~ん!!
てゆーか何故にナミさんだけ居ない!?(汗)



↑実は此処に居ました、パサージュ内の出入り口側に立ってたナミさん。
良かったー!ナミさん居たぁ~~~~!!
これはアレだな、ヒーローのルフィと対で、ヒロインのナミさんは、こちらの出入り口を任されたと…しかしマジで焦った。



↑ゾロとサンジに挟まれた壁のポスターに注目、声優さんのサインが入ってます。
小さくて見えんでしょうが(汗)…後でアップで紹介するから待ってて。



↑ガチャガチャ(ひょっとして死語?)が並んでるショップ・グランドライン前。
店内は結構な繁盛振りで、限定菓子に限定グッズ、おっぱいマウスパッドの様な噂の物まで。
前OP「風をさがして」の絵コンテが壁に展示されており、これが緻密に味の有る絵で描かれていて感心してしまった。
私は此処でカステラとチョッパーマン桜餅を買った、本当はキャラフォーチュンのナミさんの可愛さにメロメロになり、それを買いたかったんだけど、自分が行った時は残念ながらまだ販売してなかったのです。



↑店前に在った海賊ラリーの宝箱、場内6ヶ所のポイントを巡ると、オリジナルの手配書が貰えるぞ!



↑最後はナミさんのバストアップで。

「ハウステンボスで、皆と一緒に待ってるわv」



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桜めいど

2010年08月02日 21時49分11秒 | ワンピース
「じゃあ、逝ってらっしゃい――死の淵へ!!!」

言うが早いか巨大顔面オカマは、針の様に鋭く尖らせた8本の指を、ルフィの両脇腹に突き刺した。






                               【桜めいど】
            






激痛を追って、生温いドロリとした感触の液体が、体内に流れ込む。
生温くてドロッとしていながら、液体は直ぐに心臓に到達し、ルフィを鳥肌立たせた。
悪寒が止らない、なのに体はどんどん煮えてく。
血液が一気に300倍にまで増して、パンパンに膨れ上がってく気がした。
ビリビリビリッと、肌が布みたいに裂けてく音がする。
血があちこちの裂け目から噴出す。
どれだけ溢れても止らない。

「ヴワァァァアアアァ~~~~~~~~~~~~~……!!!!」

耐え難い痛みに悲鳴がひっ切り無く漏れ、その衝撃でルフィの喉はズタズタに裂けた。





目の前が真っ赤だ。
他に見える色は何も無い。
いや……チラチラと視界に入る色が在った。

一体あれは何色だろう?

鮮血に染まった世界でチラチラ動く色に、ルフィは意識を集中させる。
そうしてる内に痛みは不思議と止み、目の前でチラチラ動いていた色は数を増して血の色に取って代わり、ルフィの顔を覆った。

血の赤より薄く、雪の白より濃いその色に、ルフィは見覚えが有った。
そう、あれは確か、チョッパーの生れ故郷で見た――

――桜色だ!

目が覚めて体を起した途端、覆っていた桜の花弁がフワフワ舞った。




天井が桜に覆われている。
風も無いのに枝がザワザワ揺れて、花弁を雪の様に降らしていた。
落ちた花弁は、積って地面までも桜色に染める。
うっとり見惚れるほど美しい桜の森の中で、ルフィは頻りに首を傾げた。

ここはインペルダウンのレベル何とかで、何とか地ごくって言うトコなのか?

今迄見て来た地獄と違い、殺気の欠片も感じられない。
それだけじゃなく、音も熱も匂いも、一切感じられなかった。

まるで死の世界だ。

「当たり!だって此処は『冥土』だからな!」

音の無い世界に能天気な声が響いた。
正面に見覚え有る少年が、ルフィと同じく胡坐を掻いて、人懐っこい笑顔を向けている。
黒髪に黒い目、目の下に傷。

――見覚え有って当り前だ、俺じゃねェか!

正面に座り笑っている少年は、目の下の傷が反対な事以外は、ルフィと瓜二つだった。

――って事は、目の前に立ってるのは鏡か!

森の中に鏡が置いてある理由はさて置き、正体が判ってホッとした気持ちから、ルフィは右手で触れようとした。
すると当り前ながら、目の前の像が左手を伸ばす。
だがその伸びた左手が、ルフィの右手をむんずと掴んだ。

「うわァ!!?」

仰天したルフィが思わず悲鳴を上げる。
目の前の像は益々愉快そうに笑った。

「かかか鏡じゃねェ…!!だだだ誰だ、お前!?名を名乗れっ!!」
「俺か?俺はモンキー・D・ルフィだ!」
「ウソ吐けっ!!ルフィは俺だ!!!」
「うん、確かにお前はルフィだ!そして俺もルフィだ!」
「俺はこの世に1人だけだ!!2人も3人も4人も居てたまるかっ!!!」

叫びながら、ルフィの頭は大いに混乱していた。
自分は紛れも無く「モンキー・D・ルフィ」と言う男である。
そんな自分とそっくり瓜二つの男が現れ、自分と同じ名を名乗るのは由々しき問題だ。
このまま一緒にサニー号に戻ったら、船長は一体どっちになるのか?
いきなり増えた理由は知らないが、こうなったら戦って「自分」を勝ち取るしかない。
そう考えて密かに拳を固めるルフィの戦闘意欲を殺ぐように、目の前のルフィはのんびりと答えた。

「別にお前に取って代わろうと思っちゃいねェから安心しろ。現実の世界で俺は実体を持たねェ。言わばお前の魂だからな」
「たましい??けど、さわれたぞ?」

掴んだ手は現実に生きる者と同じ、リアルな感触だった。

「それは此処が現実世界と違う、『冥土』だからさ!」
「『めいど』ってアレか?御主人様何なりとお申し付けくださいとか言って、何でもしてくれるヤツの事か?」
「そりゃ昨今マニア男に超絶人気の『メイド』だ!此処は『冥土』、人間が死んだ後に来る世界の事さ!」

桜の木の枝が、下に立つ2人を真似て、ザワザワと喋る。
森中の桜が騒いでいても、不気味なほど静かだった。



「これから大きな戦争が起って、人がいっぱい死ぬ。桜はそれを知って騒いでんだ」

桜をじっと見上げるルフィに、『ルフィ』が教えた。
「戦争」という言葉に引っ掛かりを覚えて振り向く。
エース救出に向う自分を巻き込むうねりを、何となく覚っていたからだ。
黙って『ルフィ』の顔を見詰める。
『ルフィ』は伏し目がちに話を続けた。


「冥土の桜は死んだ人間の血を吸って生長する。
 桜の花弁が仄かに赤いのは、そのせいさ。
 戦争が起れば沢山の人間が此処にやって来る。
 という事は、沢山血を吸う事が出来る。
 だから桜は喜んで騒いでんだ。」


「血を吸われた人間はどうなるんだ?」
「完全な死を迎える。つまり木に取り込まれちまうんだ」
「悪い木だなー!全部根っこから引っこ抜いちまっていいか?」
「馬っ鹿!そうやって死んだ魂を浄化してくれんだよ!」

己の血でペタペタ体に貼り付いた花弁を煩わしげに払いつつ、ルフィは話を聞く。
聞いている内に、不安が駆け足で迫って来た。

「……なァ…『めいど』って死んだ人間が来る世界なんだろ?という事は俺……もう、死んでるのか…?」
「しししっ♪今頃気が付いたか!」
「じょ――じょーだんじゃねーぞコラァァ!!!!」

歯を剥き出して笑う『ルフィ』に、ルフィは蒼白顔で怒鳴った。

「俺はっ!!俺はエースを助けに来たんだ!!まだ死ぬわけにいかねーんだ!!!血を吸われてじょーかなんてされてたまるかっ!!!」

そう叫ぶと一直線に走り出した。
地面に積った花弁が蹴散らされ、コロコロ転がって流れる。
ルフィが走る後に、桜の川が出来た。

桜の木が沢山植わっているそこは、迷路の如く道を複雑にしていた。
一直線に走ってったルフィだが、直ぐに桜の壁に行く手を塞がれる。
腕ずくで道を拓こうと回転させた右腕を、『ルフィ』のゴムの腕に取押えられた。

「そんな焦んなって!お前はまだ死んじゃいねェ。死にかけてるだけさ!」
「死に向ってんじゃねーか!!!あせるに決まってんだろっ!!!」

ゴムの反動を利用して、『ルフィ』がひょーいと傍まで飛んで来る。
睨むルフィに構わず、『ルフィ』は気さくに誘った。

「折角来たんだ。見せてェもんが有る。現実世界より高い所に在る此処だから見られるものさ。見ればきっと、お前の気懸りが少し減るぜ」

そう言うと、桜の枝と枝が絡んで輪になってる前に立たせ、中を覗かせた。



「――サンジ!?」

枝が絡んで作る輪の向うに、サンジの姿が見えた。
ピンクハートの夕陽に染まるピンクの海岸を死に物狂いで走って居る。
フリフリドレスで着飾った大勢の乙女達が彼を追い駆けていた。

女好きのサンジが女から逃げるなんて超めずらしい。

信じられない気持ちでルフィは目を凝らし、耳を澄ます。
全員、長身のサンジに引けを取らない、逞しい体格だ。
声がやけに野太い、顎は髭を剃った後の様に青々としている。

まるで男だ、てゆーかマジで男だ、1人残らずオカマだ。

大勢のオカマ達に追われるサンジは、泣きながら必死に喚いていた。

「サンジはクマに飛ばされて、『モモイロ島』に居る。そこに住んでる動物や人間は皆オカマだ」
「みんなオカマァァ!!?それってつまり、女1人も居ねーって事かァァ!!?」

無事で居る事にホッとしたものの、女好きのサンジにとって、飛ばされた島は地獄に等しいだろうと、ルフィは心底哀れんだ。
サンジは「女が側に居ないと死んでしまう病」を患っている。
真偽を確めてはいないが、彼にとって死にそうなくらい辛い状況だとは、ルフィにも理解出来た。

なのにクマめ、なんて意地悪なヤツだ。

女ばかりの島に飛ばされたルフィは、少しだけサンジに申し訳無く思った。



「桜窓からは現世を覗ける。此処だけじゃなく、他にも沢山在る。仲間の安否が気にはなるだろ?冥土の土産に覗いて行けよ!」

『ルフィ』に言われるまま、ルフィは桜の枝が輪になってる箇所を探しては、中を覗いた。

ナミは雲の上にプカプカ浮いている小さな空島に居た。
フランキーは雪吹き荒ぶ冬島に海パンで居た。
ブルックは黒衣を着た人間達に囲まれて居た。
ロビンは両手首を鎖で繋がれ働かされて居た。
チョッパーは怪鳥の餌になりかけて居た。
ゾロはピンク髪のホロホロ女と一緒に居た。

ホロホロ女と一緒?という事は、スリラーバークに戻されたんだろうか??
あの女、ナミが「クマに消された」って言ってなかったっけか?
あの女もずっと空飛んでて、1周してスリラーバークに戻り、そしてゾロと会ったんだろうか?
よく解んねェけどホロホロ女はひん死のゾロを倒そうとせず、手当てをして看病してくれている。
実は良いヤツだったのかもしれねェ。

ルフィは大きく安堵の溜息を吐いた。



最後に見付けた桜窓を覗く。
ウソップは巨大昆虫と活きてる植物が徘徊する森の中に居た。
惚れ惚れするほど立派なノコギリバサミを持った巨大クワガタに襲われている。
窓の向うから漂う甘い蜜の香り。
ルフィの腹がグーグー鳴いた。

「いいなー、ウソップのヤツ。俺もあっちに飛ばされたかった」

羨ましげに覗くルフィの肩を、『ルフィ』がポンと叩いた。

「どうだ、安心したか?」
「おう!見せてくれてサンキュー!」

無事を信じてはいても、やはり今何処でどうしてるのか、知る事が出来たのは嬉しかった。
全員バラバラに離された、けど生きて居れば、何時かきっと廻り合える。
今はエースの救出を急ごう、改めて決意した時だ――森の奥にエースの姿が浮んだ。




「エース…!!!」

舞い散る桜の雨の下、エースは恐い顔で立って居た。
「来るな」と目で訴えている。
じっとルフィを睨んだまま、その姿が少しずつ薄くなっていった。

「待てよエース!!!
 ゴメン…お前の冒険だと思って、最初は助けに行くつもり無かったんだ!!!
 でも死なせたくないんだ!!!だから助けに行く!!!
 許してくれよ、エース…!!!」

もう気配すら残っていない森に向い、ルフィは吠えた。
エースの名を呼びながら、奥へ向おうとする。
しかし数歩駆け出した所で、ルフィの肩は再び『ルフィ』の手に取押えられた。

「離せよっ!!!俺はまだ死ぬわけにいかねェ!!!エースを助けに行くんだ!!!」

「…だったら行くな。冥土の奥に嵌ったら、二度と生者の世界へは戻れなくなるぞ」

引き止める『ルフィ』の姿がフッとナミに変る。


「馬鹿!方向オンチ!そっちは死の道だって言ってんのよ!」

ナミから分かれて、煙草をくわえたサンジが横に並んだ。

「戦う前に腹ごしらえを忘れんな!俺は飯を作ってやれねェが…」
「『急いては事を仕損ずる』よ、ルフィ」
「相手は海軍だぜ!独りで突っ込もうとせず――スゥーーパアーー!!!な、仲間と共に戦え!」
「ウソップ様の援護が無ェからって負けんじゃねェぞ!」
「ヨホホホホ!私達の事はお気にされずに…生きて居れば必ず再会出来ると信じています。――あ、私、もう死んでましたね!」
「致命傷だけは負うなよ!全員ちゃんと生きて、また一緒に冒険するんだ!!」

ロビンにフランキーにウソップにブルックにチョッパーと、次々現れては、ゴシゴシ目を擦るルフィの前に立つ。
真ん中にゾロが立った所で、全員右手をルフィの方へ伸ばした。

全員の手の平には桜の花弁が1枚載っている。
花弁は1つに合さり、ゾロの手へと渡った。
ゾロが花弁をルフィの手の平に載せる。

「何処に居ても俺達は1つに繋がってる。手繰り寄せれば必ず逢える…!」

手の平に載せられた花弁が、小さな紙の切れ端に変った。

一味を繋ぐビブルカードだ。

認識した途端、体を引き裂く激痛が戻って来た。





「ヴワァァァアアアァ~~~~~~~~~~~~~……!!!!」

視界を赤色が覆い、仲間の姿が消える。
肌の裂け目から迸る鮮血、けれどこの血…そして感じてる痛みは、生きている証だ。

遠くから、微かに声が聞える。
自分を呼ぶ声だと直感したルフィは、血に塗れた手足に纏わり付く花弁を振り払い蹴散らしながら、声のする方へと駆けて行った。


――まだ、ここに来るには早い。





【終わり】



…インペルダウン編で、死の淵を彷徨ったルフィが見た夢…っていう設定。(汗)
夢ですから、目覚めたルフィは何も覚えていません、と言うのは卑怯だろうか?やっぱ。(汗)

今更の卒業制作という事で、投稿部屋に投稿した物ですが、当初予定してた桜の咲く頃には送れず、ルフィの誕生日すらも1ヶ月過ぎてたというお間抜け。
しかし卒業=桜と捉えるなら、投稿した月は関係無くなりますねv(我ながら苦しい言い訳)

それはさて置き「投稿部屋」には長らくお世話になりました。
最後の方は居心地の良さから留年を繰り返し、授業には出ず課題も提出せず、近所の原っぱで寝転がってた駄目学生の様であったなと。(笑)



・2010年6月5日、投稿部屋投稿作品
コメント
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