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瀬戸際の暇人

今年も休みがちな予定(汗)

2021年、クリスマスには歌を歌おう♪その1

2021年12月21日 21時22分26秒 | クリスマス
毎年恒例ミス·メリーのクリスマス雑学企画〜〜!!――と景気良く行きたいところですが、大変残念なお知らせです。
去年に引き続いての新型コロナパンデミックにより、ミス·メリーが来日出来ないそうです。
…彼女の居る北欧は日本以上に感染者急増してるからな〜。(汗)
で、去年みたく私びょり宛に記事書いた手紙を送り付けて来まして――早くネット繋げば良いのに――その手紙文を代理人の私が読み上げる形で企画を進行致します。
まどろっこしいと思われるでしょうが、今回もクリスマスの十二夜明けるまで、宜しくお付き合いくださいませ。m(_ _)m
それではミス・メリーから届いた手紙(記事)を読み上げましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 毎年クリスマスが近付くと北欧から日本にやって来て、ここのブログ主に代わりクリスマス記事を書いて皆とクリスマスソングを歌うのを楽しみにしてるのに、今年も新型コロナ大流行のせいで私のハッピーなクリスマス計画おじゃんよ!!
 クリスマスを二度も台無しにするなんて、油汚れ並にしつこいウイルスね!!
 早くキュキュッとウイルスを除去する特効薬が完成しないかしら?
 クリスマスに歌って騒げないなんてストレス半端ないわ〜〜〜!!!
 なんていつまでも愚痴ってないで、そろそろ今回のクリスマスのテーマを発表しなくちゃね☆
 今回のテーマは《クリスマスツリーに飾るオーナメント》!
 クリスマスツリーに飾る代表的な装飾品を紹介してくわ♥
 その前に今夜は《クリスマスツリー》について、おさらいしときましょ!

 クリスマスツリーと言えばモミの木が有名だけど、実は昔からそうだったわけじゃないの。
 大昔は林檎等の食べられる果実を付ける木を、信仰の対象として綺麗に飾り付けたと云うわ。
 でも食べられる果実を付ける木の大半は、冬になると枯れる広葉樹。
 一方の常緑樹は冬になっても枯れず、荒涼とした真冬でも緑葉を繁らせる…その姿に大昔の人は永遠の命を重ね、神秘の樹木として崇敬する様になっていったの。
 クリスマスの起源は真冬に行なわれる冬至祭、太陽の復活を祈願するのが目的だから、真冬でも枯れない木を祀るのは自然な成り行きに思えるわね。
 世界各地で冬至祭が行われる様になると、その土地を象徴する常緑樹が《生命の木》として祀られたわ。
 樫、月桂樹、オリーブ、松、柊、ヤドリギ、ローズマリー………モミの木が無いわね?
 冬至祭の初期にはモミの木を優先的に飾る習慣は無かったと云うわ。
 モミの木を冬至祭(クリスマス)に飾る様に仕向けたのはキリスト教会だそうよ。
 キリスト教が世界で勢力を伸ばす時代、キリスト教会の信徒達は異教の信仰を否定し、キリスト教の教えを各地で布教したの。
 樹木信仰もその過程でキリスト教会により弾圧されたわ。
 ところが樹木信仰だけに根強く残り、かえって民から反発された指導者は、妥協策としてモミの木のみ信仰する事を赦したの。
 モミの木のシルエットは美しい三角形をしている、これはキリスト教の教義である三位一体を体現してる物だ、と理屈を説いてね。
 ちなみに《三位一体》とは父と子と聖霊――父なる神、神の御子のイエス・キリスト、神や御子を通して信者に注がれた聖霊を意味する教義よ。
 三位一体=別々に存在しながら本質的には一つとの見解が、キリスト教の柱になっている三位一体説らしいわ。
 ただキリスト教会の中でもこの見解に反対する人達が大勢居て、宗派が分かれる原因になってたりするの。
 宗教ってややこしいわね。
 …といったところで今回のお話はお終い、続いて今夜歌うクリスマス・ソングを選ぶわね!
 モミの木がテーマとくれば、ストレートにこの歌しか無いわ——もみの木(O Tannenbaum)よ♪
 え?去年、一昨年と、3年続きかって?――いいの!!今回はおさらいだから、メリーの好きなクリスマスソング12選を強行するわ!!
 ドイツ北部に古くから伝わる民謡を、去年同様、翻訳家で童謡詩人の中山知子氏が作詞した日本語バージョンを紹介するわね!
 今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
本人もツッコまれる事を先読みして触れてましたが、これで3年続きですね…しかし逆らうと後が面倒なので、こちらを参考にミス・メリー紹介の「もみの木」日本語バージョンを歌いましょう!



【もみの木(O Tannenbaum)】




樅の木♪ 樅の木♪
いつも緑よ♪
樅の木♪ 樅の木♪
いつも緑よ♪

輝く♪ 夏の日♪
雪降る♪ 冬の日♪

樅の木♪ 樅の木♪
いつも緑よ♪


樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪
樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪

喜び♪ 悲しみ♪
優しく♪ 見守る♪

樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪


樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪
樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪

雨にも♪ 挫けず♪
風にも♪ 折られず♪

樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪


↓はヨハン・アウグスト・ツァルナックとエルンスト・アンシュッツが共同で歌詞を付けたドイツ語バージョンです。


O Tannenbaum,
O Tannenbaum,
Wie treu sind deine Blätter!

Du grünst nicht nur zur Sommerzeit,
Nein auch im Winter wenn es schneit.

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Wie treu sind deine Blätter!


O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Du kannst mir sehr gefallen!

Wie oft hat schon zur Winterszeit
Ein Baum von dir mich hoch erfreut!

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Du kannst mir sehr gefallen!


O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren:

Die Hoffnung und Beständigkeit
Gibt Mut und Kraft zu jeder Zeit!

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren!


【訳】
おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の葉は変わらず在り続ける!

夏だけでなく
雪の降る冬でも青々と繁る

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の葉はなんて瑞々しい!


おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
私は心からお前を愛す

冬に幾度となく
お前は私を深く喜ばせてくれた!

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
私は心からお前を愛す


おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の衣が私に教えてくれる

希望と永続、
快さと力とを、どんな時も

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の衣が私に教えてくれる


…今回の見出し写真は新宿パークタワーのクリスマスツリー、今年は1階アトリウムに生モミの木が飾られるとの話を聞き、観に行って参りました。
確かに綺麗な三角形のシルエットを描いていて、正統派のクリスマスツリーといった趣きです。
仕事の途中で寄ったため、ゆっくり観賞出来なかったのは残念。
新宿駅南口から甲州街道を一直線、都庁第二本庁舎ビルが斜め横に建っています。
地下道ワンデーストリートを通れば、横断歩道を待たずに済みます。

↓は毎年開催される東京駅丸の内ストリートのイルミネーション
 


↑私が撮った写真だと伝わらない気がしますが(汗)、綺麗なシャンパンゴールドカラーに輝く街路樹が一直線に続きます。
今年はハリーポッターのイルミネーションショーを同時開催してるのとコロナ禍の反動も加わってか混雑が例年以上に凄まじく感じられました。
ハリーポッターのイルミネーションショーについてはまた後日。

↓更に東京駅前行幸通りでは東京ミチテラス2021を開催中。
 

 
↑今年は夜明けをイメージしたイルミネーションで、東京駅前を幻想的に彩っております。
混雑回避目的か15時頃~点灯してますが、明るい内は光が目立たず、綺麗に観えるのは日が落ちる17時以降です。
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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その13

2021年01月05日 18時27分42秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
13日間に渡るクリスマス特集も今夜で終了。
ミス・メリーからの最後の手紙を開封致します。
では――

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 2020年度のクリスマス雑学講座は、コロナ禍のせいでメリーが日本に来れず、苦肉の策で手紙を送って企画を遂行したけど、如何だったかしら?
 …やっぱり日本へ来て、日本のクリスマスの雰囲気を肌で感じながら、記事を書きたかったわ。
 2021年、人類はウイルスの脅威を抑え込めるかしら?
 今年のクリスマスをハッピーな気持ちで迎えられるよう、世界中の皆が集まって飲んで食べて歌って過ごせるよう、メリー心から祈るわ。
 さて今回最後に採り上げるのは、日本のクリスマス・スイーツよ――え?おざなりですって?
 …仕方ないの…メリーも最初はね、ハンガリーのベイグリとか、ポルトガルのボーロ・レイとか、イタリアのブッチェッラーティとか、採り上げる積もりだったのよ。
 ところがコロナ禍のせいで、日本に来て営業してた外国のお店が続々撤退したから無理って、ここのブログ主さんから断られちゃったの…。
 困るわ~メリーだって今、日本に来れないのに~~。
 もう二進も三進も行かないから、最後はブログ主さんに丸投げ、もといお任せよ!
 
 世界の料理やスイーツが食べられる日本って、とっても平和で幸せな国だと思うの。
 だって世界の国々と良好な関係を築けてて、孤立してないから叶う事でしょ?
 それも一年一度きりの各国のクリスマスの御馳走をよ…凄く恵まれた時代に思うの。
 な~んて事を言いたくて思い付いた企画だったのに、新型コロナが世界中に拡がっておじゃんよ!
 インターネットで辛うじて繋がってるけど、国境の壁がとてつもなく高く感じられるわ。
 そんな閉じた世界でも、壁を飛び越え来てくれるサンタさんって、やっぱり只者じゃないのね。
 最後に紹介するクリスマス・ソングは、今年も世界の子供達の期待を裏切らずに来てくれたサンタさん達に愛を篭めて――サンタが町にやって来る(Santa Claus Is Coming To Town)よ♪
 今年のクリスマスはソーシャルディスタンス抜きで、サンタさんが子供達と触れ合えると良いわね。
 メリーも今年のクリスマスこそ、日本へ来て皆と触れ合いたいわ!
 だから皆…どんな時代でも生き抜いて、笑ってクリスマスを迎えましょ!
 またね!』

――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
最後ら辺ちょっとブチ切れてましたが(汗)、ミス・メリーが何を言おうと店やってないんだから仕方ない。
愚痴は後にして、こちらを参考に歌いましょう、作詞ヘヴン・ギレスピー、作曲フレッド・クーツ、日本語作詞は神戸孝夫で、「サンタが町にやって来る(Santa Claus Is Coming To Town)」です!
日本語版はオリジナルの歌詞と全く異なり、非常にソフトな内容に変えられてますが、そこはかとなく郷愁を感じられて私は好きです。
「サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン」だけ発音そのままに残したのは、例えば「サンタがま~ちにやって~~来ぃ~た~~♪」だと語感が悪いと思ったからでしょうか?



【サンタが町にやって来る(Santa Claus Is Coming To Town)】




さぁ♪ 貴方から♪
メリークリスマス♪
私から♪ メリークリスマス♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

ねぇ♪ 聞えて♪
来るでしょ♪
鈴の音が♪ 直ぐそこに♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

待ち切れないで♪
おやすみした子に♪
きっと素晴しい♪ プレゼント持って♪

さぁ♪ 貴方から♪
メリークリスマス♪
私から♪ メリークリスマス♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪


さぁ♪ 貴方から♪
メリークリスマス♪
私から♪ メリークリスマス♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

ねぇ♪ 聞えて♪
来るでしょ♪
鈴の音が♪ 直ぐそこに♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

クリスマスイブを♪
指折り数えた♪
幼い思い出も♪ 今宵懐かし♪

さぁ♪ 貴方から♪
メリークリスマス♪
私から♪ メリークリスマス♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪


待ち切れないで♪
おやすみした子に♪
きっと素晴しい♪ プレゼント持って♪

さぁ♪ 貴方から♪
メリークリスマス♪
私から♪ メリークリスマス♪
サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウンーー♪



…歌い終わった所で、愚痴の続き。
去年秋頃から飲食店が続々閉店してホントきつい。
海外から来た店なんか大半が閉めてってます。
本国の味を再現する事に拘る店ほど、材料の輸入が困難になった等の理由から、早期に撤退を決めてしまうらしい。
現在ロックダウン中の地域が多い欧米系の店舗は、影響を特に強く受けてんじゃないかと思う。
 
↑そういう訳で今回は穴埋め的に、我が家の去年のクリスマス・ケーキ写真をアップします。(汗)
メトロポリタンホテルのクリスマスケーキで、チョコでグラサージュした中は、栗ムースとラズベリームースの二層仕立て。
チョコのsuicaペンギンの中は空洞になっており、苺と砂糖菓子のプレゼント2個が隠れてました。

ミス・メリー曰く「日本のクリスマス・ケーキは歴史が浅い」との事ですが、明治43年(1910年)に不二家が発売して百年以上経ってるわけで、言う程浅いって印象は個人的には無いです。
そりゃまあ、古代や中世から続いてる慣習に比べりゃ、子供用ビニールプール並の浅さだけど。
明治に始まったクリスマス・ケーキの慣習は、当時日本より遥かに豊かだった欧米への憧れの象徴かと。
「欧米人は毎年クリスマスを豪華なケーキで祝う」というのは、事実と異なる誇大広告だったわけですが、もし当時の不二家が向うの習慣通りパンやクッキーを売りに出してたら、ケーキの様には習慣化しなかっただろうと思います。
欧米人のクリスマスの祝い方って、外から眺めてるだけでも凄く楽しそうで、ゴージャスじゃないすか。
ドイツで毎年開催するクリスマス・マーケットなんか、あんまり楽しそうなんで最近じゃ日本各地で開催されてるし。
去年のクリスマス、コロナ禍でもクリスマス・マーケットを開こうと、ドライブ・スルー方式を生み出したドイツ人のクリスマスに懸ける執念には感動しましたよ。
…結局、中止になりましたが。
食べて飲んで歌って集う事は、本来人間らしい行為なのだから、悪に見てはいけません。
今は耐えるにしても、寛容さを忘れず居ようと…難しいけどな。

↓こちらは2019年のクリスマスに撮影した、「菓匠花見」の和菓子。


 

 
↑練り切りでベル、トナカイ、サンタブーツ、クリスマス・ツリーを模ってます。
ケーキに人気が取られがちのクリスマス・シーズン中、練り切りや煎餅や羊羹や団子や餡蜜でもクリスマスバージョンの物を売り、対抗する日本の和菓子業界の柔軟さが好きだ。
こんな厳しい時代だから、伝統とか気にせず、逞しく生き抜いて欲しい。
…お付き合い頂いた皆様も、心身病む事無く過ごされます様に。
今回コロナ禍の中で日本に来れずとも企画を練ってくれたミス・メリーには本当に感謝!
今年のクリスマスも元気に帰って来いよ~。

【終】
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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その12

2021年01月04日 22時32分19秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
東京・埼玉・千葉・神奈川の知事が、政府に緊急事態宣言を要請したとの事。
自分は緊急事態宣言要請の前に、感染防止徹底宣言ステッカーを貼ってる飲食店が本当に感染対策を徹底してるか、実際に見回って確認すべきかと。
虹ステッカーを貼ってる飲食店は多いけど、店内を外から眺めると大体が三密状態で、許可出した人の目は節穴かって思う。
新型コロナの話は置いといて、ミス・メリーから届いた手紙を読むと致しましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 日本は正月三箇日も明けて、今日から通常モード?
 長い休みの後は生活リズムが狂って体調を崩す人多いそうだから気を付けて!
 さて、今年のメリーのクリスマス話も終わりが見えて来たわ。
 明日で皆とお別れな事思うと寂しくなっちゃう。
 でも最後まで笑顔を忘れずに頑張らなきゃ!
 十二夜目に紹介する世界のクリスマス・スイーツは、スウェーデンのセムラよ!

 セムラは、カルダモンで風味付けした甘いパンの中をくり貫き、アーモンドペーストと甘くないホイップクリームを挟んだ、スウェーデン伝統のスイーツよ。
 食べられる時期は、毎年クリスマス・シーズン明けから、キリストの復活祭であるイースターの前日までって、決められてるの。
 スウェーデンでは春を告げるスイーツとして愛されていて、特にイースターの47日前をセムラの日に据えてるそうよ。
 今年は4月4日がイースターだから、そこから47日前だと、2月16日位がセムラの日に当たるかしら?

 かつてスウェーデンではイースター前の40日間断食を行っていて、断食に入る前には御馳走を食べて備える習慣が有ったの。
 今は断食の習慣無くなったけど、御馳走の1つだったセムラは生き残ったってわけ。
 理由を無くしても御馳走は食べたい…非常に人間らしく思うわ。(笑)
 元々はクリームも何も挟んでないシンプルなパンで、温めた牛乳に浸して食べる風習だったらしいけど、時を経て見た目可愛いスイーツに進化したんですって。
 
 クリスマス・シーズン明けに食べられるなら、クリスマス・スイーツとは呼べないんじゃないのって?――痛いとこ突くわね。(笑)
 確かに仰る通りだけど、視点を変えればクリスマスの終わりを飾るスイーツとも言えなくない?
 メリー的にはそういう見解でクリスマス・スイーツに採り上げるわ!独断と偏見上等!!

 で、このセムラ、日本で食べるなら、お馴染みスウェーデン発家具量販店のIKEAで2月頃売り出すそうよ。
 そういう訳で暇人のブログ主さん、例の如く撮影お願いねv
 
 続いて今夜のクリスマス・ソングを紹介、賛美歌102番――もろびと声あげ♪
 元はドイツで14世紀頃から歌われてたIn dulci jubilo(イン・ドゥルチ・ユビロ)って題のクリスマス・ソングで、ドイツ神秘主義のドミニコ会士だったハインリッヒ・ゾイゼが天使から教わったって伝承が有るそうよ。
 ドイツ語とラテン語が混合した歌詞は神秘的で、天使から教わったって云われても信じたくなるわね。
 今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

以上、ミス・メリーからの手紙でした。
志村…ではなく、セムラがクリスマス・スイーツかは、スウェーデン人の審議待ちで。
志村けんさんが去年お亡くなりになったニュースにはショックを受けたなぁ…ドリフ好きだったから。
唐突に思い出して御免なさい。
気を取り直して、ミス・メリーが紹介したクリスマス・ソングを、こちらを参考に歌いましょう。



【もろびと声あげ(In dulci jubilo)】




諸人声上げ♪ 喜び称えよ♪
神の恵み♪ この世に現れ♪
ダビデの村の♪ いぶせき馬屋に♪
清き御子は♪ 生まれたもう♪


諸人声上げ♪ 喜び称えよ♪
天の扉♪ 今しも開かれ♪
尽きぬ恵みを♪ 身に帯び給いて♪
清き御子は♪ 生まれたもう♪


諸人声上げ♪ 喜び称えよ♪
死の恐れを♪ 追いやり給いて♪
良き訪れを♪ あまねく伝うる♪
清き御子は♪ 生まれたもう♪


…オリジナルはこちらを。
歌詞は一番だけで済みません。


In dulci jubilo,(イン・ドゥルチ・ユビロ)
Nun singet und seid froh!(ヌン・ジンクトゥ・ウント・ザイト・フロー!)

Unsers Herzens Wonne(ウンザー・ヘルツェン・ヴォネ)
Leit in praesepio;(レイト・イン・プレセピオ)
Und leuchtet wie die Sonne(ウント・ロイヒトゥ・ヴィ・ディ・ゾネ)
Matris in gremio.(マトリス・イン・グレミオ)

Alpha es et O!(アルファ・エス・エ・オ!)
Alpha es et O!(アルファ・エス・エ・オ!)


【訳】
甘き喜びの内に
今こそ歌え、喜べ!

我らの心は至福に満ちる
一つの馬槽(まぶね)の内に
太陽の如く輝き
御母の胸に抱かれる御方

汝はアルファにしてオメガ!
汝はアルファにしてオメガ!



2020年1月下旬、ミス・メリーからの依頼で、セムラを探しにIKEA立川まで行って来ました。
1年前の写真で済みませんが、セムラが店に並ぶのは1月下旬~2月な為、去年の内に撮影するしかなかったのです。(汗)
  

 
↑セムラが食べられる2階のセルフ方式レストラン。
体育館よりもだだっ広いフロアで、席は自由に選べる。
どの料理も安く提供してる為、家族連れに人気のもようですが、味は正直どれも微妙に感じました。
セムラも不味くはないけど、凄く美味しいかって訊かれると…。(汗)
ただ日本で食べた事無い、新鮮な味わいでした。
パンがしっかりした固さなのも新鮮、見た目はシュークリームの様に柔らかそうなのに。
クリームたっぷりで凄く甘そうに見えるけど、ホイップクリームの方は全く甘くなく、その下のアーモンドペーストとパンの仄かな甘味のみです。
しかし元は断食前に食べるスイーツなだけあって、実はかなりの高カロリーらしい。
見た目で舐めてはいけない意外性有る食べ物でした。


↑ちなみに長崎ハウステンボス内のワンピースレストランでもセムラを提供しとります。
海賊四皇の1人ビッグ・マムの好物って事で、メニューに入れられたらしい。
味は食べた事無いから解らないけど、こちらはナボナに見た目が似てる。
ナボナはお菓子のホームラン王だからな。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その11

2021年01月03日 17時06分00秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
正月休み中、何かしましたか?
私は今日、年賀状を書き始めました。
同僚宛のなんか明日、直接渡した方が早いっての。(汗)
そんな新聞四コマ漫画的日常は置いといて、ミス・メリーから届いた手紙を読みましょう。
ラブレター・フロム・北の国から。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 日本は今、雪が物凄く積もってるんですって?
 ニュースで知ったけど、道路走ってる車が雪に埋まって動けなくなるなんて…そんな短時間の内に積もってしまうの!?
 日本は世界一の豪雪地帯とは聞いてたけど、想像を絶するレベルね。
 次回の冬期五輪開催地、中国から日本に変更したらどうかしら?
 …って、大雪で命落とす人の事考えたら、ふざけてられないわ。
 もうこれ以上の試練がこの国を襲わないように、今年は去年不幸に遭った人達が倍返しで幸運に恵まれるよう、今夜採り上げるクリスマス・スイーツはフランスのガレット・デ・ロワにするわ!
 
 フランス語で王様達のお菓子を意味する名前のガレット・デ・ロワは、公現節のお祝いにフランスで食べられるケーキよ。
 公現節(エピファニー)とは、西方教会暦で1月6日に幼子イエスが公に顔を見せた事を祝う日…具体的に言うと、東方の三賢王(三博士)が誕生祝の品を持って、イエスを礼賛に訪れた事を祝う日…かえって解り難いかしら?
 公現節についての詳細は以前メリーが書いた記事を御覧頂くとして、今はガレット・デ・ロワの説明を続けるわよ。
 広く知られてるガレット・デ・ロワはアーモンドクリームを入れて焼いたパイで、中に小さなフェーヴ(そら豆)と呼ばれる陶製の小さな人形が隠されてるの。
 切り分けられたパイの中にフェーヴが入ってた人は、金紙製の王冠を被って王様になり、周囲の人達に1日何でも命令する権利を持てるわけ。
 日本流に言えば王様ゲームだけど、親が幼い子供に予めフェーブが当たるよう細工し1日だけ我が儘を聞いてあげたり、王様に選ばれた男性が好きな相手を女王様に選んで告白したりと、フランスでは微笑ましい年中行事になってるのよ。
 そしてフェーヴが当たった人は、幸運が1年間続くと考えられたの。
 フランスでは公現節に拘らず、1月中ずっとこのケーキを皆で分け合い、パーティーを楽しむそうよ。
 そんなガレット・デ・ロワのルーツは、古代ローマ帝国の年越しの祭典サトゥルナーリアだと云われてるわ。
 サトゥルナーリアとは農耕神サトゥルヌスの復活を祈願する饗宴で、豆を一粒入れたケーキを供し仮初の王を決める習わしが在ったそうなの。
 ルイ14世が、このローマ時代の習わしを参考に、宴の余興で豆一粒入りのケーキを振る舞い、当てたご婦人に願いを言う権利を与えたとか。 
 フランス革命後に職を失った宮廷料理人達が、そのケーキを自分の店で再現した事で、民間にも伝わったのかもしれないわ。

 でも実は、ガレット・デ・ロワの様な新年の当たり入りスイーツは、世界各地で見られるのよ。
 西欧、東欧、アジア、アメリカ等々…中に入る当たりは、フェーヴ同様に陶製の小さな人形だったり、玩具だったり、或いはコインだったり、紙のおみくじなんてとこも在るわ。
 ガレット・デ・ロワの中に入れられてたフェーヴは、最初、名前の通り、そら豆だったそうよ。
 陶製の小さな人形に変わったのは1870年頃ですって。
 新年に抱く人々の願望が形の見える当たりになって、祝いの食べ物の中に忍び込んだんじゃないかしら?
 
 最近は日本のケーキ店やカフェでも、年明けにガレット・デ・ロワを売る様になったわね。
 ただ、日本ではパイの中にアーモンドを一粒入れて、フェーヴは別に渡す事が多いみたい。
 この習慣は恐らく日本人の衛生観念の高さから生まれたものだと思うわ。

 ガレット・デ・ロワの入手は例の如く暇人のブログ主に任せるとして…そろそろクリスマス・ソングの時間よ!
 東方の三賢王をテーマにした19世紀のクリスマスキャロル、We Three Kings of Orient Areの日本バージョン――我らは来たりぬ♪
 日本の教会では賛美歌第二編52番で覚えられてるわ。
 …今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

――以上、メリーさんからのお手紙でした。
この歌も去年に引き続いての登場ですが、ご紹介頂いた事だしこちらを参考に歌いましょう!



【我らは来たりぬ(We Three Kings of Orient Are)】




我らは来たりぬ♪ 遙けき国より♪
星に導かれ♪ 野山越えて♪

ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪


我が持ち来たれる♪ 貴き黄金を♪
メシヤの冠の♪ 飾りとなさん♪

ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪


我が持ち来たれる♪ 乳香捧げて♪
いと高き御神♪ 共に讃えん♪

ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪


我が持ち来たれる♪ 没薬捧げて♪
御苦しみの日に♪ 備え祀らん♪

ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪


万を統べます♪ メシヤは生まれぬ♪
ハレルヤ♪ ハレルヤ♪ 讃え祀らん♪

ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪


ジョン・ヘンリー・ホプキンズ牧師が作詞・作曲したオリジナルはこちら


We three kings of Orient are♪
Bearing gifts we traverse afar♪
Field and fountains, moor and mountains♪
Following yonder star♪
  
Yonder star…♪

Born a King on Bethlehem's plain♪
Gold I bring to crown Him again♪
King forever, ceasing never♪
Over us all to reign♪

O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪

Frankincense to offer have I♪
Incense owns a deity nigh♪
Prayer and praising, all men raising♪
Worship Him, God most high♪

O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪

Light…♪
Light…♪

Myrrh is mine, its bitter perfume♪
Breathes a life of gathering gloom♪
Sorrowing, sighing, bleeding, dying♪
Sealed in the stone cold tomb♪

Glorious now behold Him arise♪
King and God and Sacrifice♪
Alleluia♪
Alleluia♪
Earth to heaven replies♪

O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪

Thy Perfect Light…♪

Thy Perfect Light…♪

Thy Perfect Light…♪


歌い終えたところで、ガレット・デ・ロワの話に戻ります。
その前にミス・メリーが以前書いた公現節についての記事はこちら

 
↑ミス・メリーから依頼を受けて、溜池山王駅近くに建つ超高級ホテル「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に、ガレット・デ・ロワを買いに行って参りました。
初めて訪れたけど、凄いですね、3階まで吹き抜けになったロビーの中に、大きな滝が流れてました。
周辺にはアメリカ、スペイン、ナイジェリア、スウェーデンの大使館が建っていて、国際都市東京を印象付ける風景が広がっています。
ほぼ隣にはテレビ朝日のビルも建ってました…自分には縁遠い地区だ。

↑美食の巨匠として名高いピエール・ガニェールがプロデュースするパティスリー、「ピエール・ガニェール・パン・エ・ガトー」。
 
↑大きい物と小さい物、2サイズ有る内、大きい物を選択。
1ホールで6人前は有りましたが、4つにカットして食べました。
フランスではパーティーで出せる様に、1ホールで十人分にカット出来る巨大なガレット・デ・ロワも売ってるとか。
購入すると金紙製の王冠と、その年限定のフェーヴを付けてくれます。
パイの中にはアーモンドが1粒入ってたのですが、それが誰に当たったのか忘れてしまいました。
実は今回記事の写真も2020年に撮った物で、サクサクのパイと滑らかなアーモンドクリームの味は覚えてても、誰が当たりを引いたのかは忘却の彼方です。(汗)
私が当たりを引き当ててない事は確かなのですが…。

↑こちらが「ピエール・ガニェール・パン・エ・ガトー」の2019年版フェーヴ…「La Couronne de Roi」はフランス語で王冠を意味するとして…形は何を表現しているんでしょうか??
多分レストランで提供してる料理なんじゃないかな~と思うんですが――著名なシェフがプロデュースするガレット・デ・ロワの場合、付属のフェーヴはシェフの代表料理をデザインする事が多いそうで――そのレストランで料理を食べた事無い庶民には見当すらつきません。(汗)

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その10

2021年01月02日 18時41分48秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
ニュースで連日最多感染者数を更新しとりますが、実業団&箱根駅伝は例年通り開催だそうで…テレビマスコミは首相の会食を熱心に叩く一方、自分達の行動は全く省みないのな。
集団マラソンは感染の危険が高いって医師から言われてんのに、集まって動く人数考えたら首相の会食どころじゃないだろう。
無観客でやれば良いってもんじゃないぞ。(テレビで観たら集まって声援してるし)
紅白だって大人数のグループは密を理由に選ばなきゃいい。
自分とこの批判は封じて、他者への批判は煽る垂れ流す乗っかる。
日本のテレビマスコミは下手すりゃ政府より強い権力握ってると思う。
毒吐きはここまでにして、ミス・メリーからの手紙を読みましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 日本では正月休み明日で終わりですって?
 短いわねぇ~。
 こんな時期だし休み多目にしてくれたら良いのに。
 熊さんみたいに冬眠でもしたいわ。
 な~んて腐るのは止めて、明るくクリスマス・スイーツの紹介しましょ!
 今夜採り上げるのは、ドイツのレープクーヘンよ
 
 レープクーヘンは蜂蜜と数種類のスパイスを混ぜて焼くのが特徴のドイツの郷土菓子、第3回に紹介したポーランドのピエルニキ同様、ジンジャーブレッドの一種なの。
 ジンジャーブレッドの一種と言っても、レープクーヘンの場合、ジンジャーが取り分け目立つって事もないわ。
 アニス、カルダモン、クローブ、コリアンダー、シナモン、ショウガ、ナツメグ等々、数種類のスパイスを調合する事で、独特な風味を生み出すの。
 まるでカレーね。
 地方によってはスパイスの他に、アーモンド、クルミといったナッツ類、更にオレンジピール、レモンピール等のドライフルーツも入れられるわ。
 忘れちゃいけないのが蜂蜜!他の材料は無くてもウチの味で許されるけど、蜂蜜抜きのレープクーヘンはカレー粉抜きで作ったカレーライス。
 そもそもレープクーヘンの歴史を辿ると、紀元前に食べられてた蜂蜜パンに行き着くそうよ。
 古代のエジプト人やローマ人は、季節の節目や冠婚葬祭といった特別な日に、蜂蜜を塗ったパンを焼いて食べてたって、記録が残ってるんですって。
 レープクーヘンが今の様な数種のスパイスと蜂蜜入りの焼き菓子になったのは中世の頃で、ドイツ周辺に存在した修道院が強く関わってるみたい。
 当時の修道院ではスパイスを飲み薬に使ってたの。
 でもそのまま飲むんじゃ刺激が強過ぎるわよね?
 だから飲み易くする為に、蜂蜜と合わせて処方してたそうなの。
 修道院では蝋燭を蜜蝋で作る為に養蜂してたから、蜂蜜はたっぷり有ったのね。
 スパイスに蜂蜜…これに粉を加えれば、お菓子が作れそうじゃない?
 神に仕える修道士や修道女だって甘いお菓子は大好きですもの、材料が揃った時点で作り始めたわけ。
 粉と蜂蜜と数種のスパイスを混ぜてクッキーにすれば、非常食として蓄える事も出来る――こうして生まれたのがレープクーヘン。

 現在のレープクーヘンはケーキだったりクッキーだったりパンだったり、同じドイツ内でも各地域によって様々な形に焼かれるわ。
 クッキーも、歯が立たないほど固い物、もっちりヌガーみたいな物、しっとり柔らかい物…等々、食感色々。
 そんな形の定まらないレープクーヘンだけど、国の法律で最低限の品質が定められてる所が如何にもドイツっぽいわ。

 日本でドイツのクリスマス・スイーツと言えばシュトレンが有名だけど、ドイツの人にとってはレープクーヘンの方がポピュラー。
 何といってもクリスマス・ツリーに吊るすオーナメントもレープクーヘンで作るくらいだもの。
 ハートや星の形に型抜きしてアイシングやチョコでデコレーションしたカラフルなレープクーヘンは、ドイツのクリスマス・マーケットの名物になってるわ。
 ちなみにグリム童話に登場するお菓子の家、あれもレープクーヘンで出来てるんですって。
 ドイツではレープクーヘンを組み立て作る家を、プフェッファークーヘンハウスって呼ぶらしいわ。
 
 日本でよく見られるレープクーヘンの殆どは、スパイス風味のクッキーじゃないかしら?
 それかチョコがけしてあるソフトクッキータイプの物とか。
 どんなレープクーヘンを入手してくるか楽しみにしてるわよ、暇人のブログ主さんv

 それじゃあ今夜のクリスマス・ソングを紹介、去年も歌ったけど、ドイツと言えばやはりこの歌——もみの木(O Tannenbaum)よ♪
 オリジナルはドイツ北部に古くから伝わる民謡だけど、今回は歌い易い様に、翻訳家で童謡詩人の中山知子が作詞した日本語バージョンを紹介するわ。
 今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
それではこちらを参考に、二年続きではありますが、ミス・メリー紹介の「もみの木」日本語バージョンを歌いましょう!



【もみの木(O Tannenbaum)】




樅の木♪ 樅の木♪
何時も緑よ♪
樅の木♪ 樅の木♪
何時も緑よ♪

輝く♪ 夏の日♪
雪降る♪ 冬の日♪

樅の木♪ 樅の木♪
何時も緑よ♪


樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪
樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪

喜び♪ 悲しみ♪
優しく♪ 見守る♪

樅の木♪ 樅の木♪
梢静かに♪


樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪
樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪

雨にも♪ 挫けず♪
風にも♪ 折られず♪

樅の木♪ 樅の木♪
繁れ豊かに♪


ドイツ人のヨハン・アウグスト・ツァルナックと、エルンスト・アンシュッツが共同で歌詞を付けたバージョンも宜しければ…


O Tannenbaum,
O Tannenbaum,
Wie treu sind deine Blätter!

Du grünst nicht nur zur Sommerzeit,
Nein auch im Winter wenn es schneit.

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Wie treu sind deine Blätter!


O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Du kannst mir sehr gefallen!

Wie oft hat schon zur Winterszeit
Ein Baum von dir mich hoch erfreut!

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Du kannst mir sehr gefallen!


O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren:

Die Hoffnung und Beständigkeit
Gibt Mut und Kraft zu jeder Zeit!

O Tannenbaum,
O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren!


【訳】
おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の葉は変わらず在り続ける!

夏だけでなく
雪の降る冬でも青々と繁る

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の葉はなんて瑞々しい!


おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
私は心からお前を愛す

冬に幾度となく
お前は私を深く喜ばせてくれた!

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
私は心からお前を愛す


おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の衣が私に教えてくれる

希望と永続、
快さと力とを、どんな時も

おお、樅の木よ
おお、樅の木よ
お前の衣が私に教えてくれる




↑ミス・メリーに頼まれて、パンドーロと一緒にベーカリー「ジョアン」にて買って来たレープクーヘンです。
ジンジャーマン、星、クリスマス・ツリーと、形が可愛いですね。
オーナメントにして吊るせるよう、包装袋にリボンが付いてました。
蜂蜜とスパイスの甘い香りが袋を通しても凄い香って来ましたよ。
持った感触から固そうに感じたんですが、歯が立たない程ではなかったです。
スパイスも日本人好みにか抑え目で、ドイツ人が食べたら物足りなく感じるかも…でも美味しかったし、分厚いので1枚で満腹になりました。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その9

2021年01月01日 17時20分27秒 | クリスマス
皆様、明けましておめでとう御座います!!
「感染者が続々増えてるってのに何が目出度いんでぇ!?」と返されそうな年明けですが(汗)、心持ぐらいはお目出度く参りましょう。
それでは年が明けて2021年になりましたが、タイトルに入った年はそのままに、ミス・メリーからの手紙を読ませて頂きます。

『ハッピーニューイヤー♪♪
 去年はメリーのクリスマス話に付き合ってくれて有難う!
 今年もお付き合い宜しくお願いするわねv
 新年の挨拶が済んだ所で、引き続き世界のクリスマス・スイーツをテーマに語るわよ。
 これまで様々な国のクリスマス・スイーツを紹介して来たけど、貴方はどんな感想を抱いたかしら?
 …そうね、ヨーロッパで食べられるクリスマス・スイーツは、伝統に裏打ちされた物ばかり、それに比べて日本のクリスマス・ケーキは商業主義の塊で哀しくなった?
 悲観するのは早いわ!日本にも伝統に裏打ちされたクリスマス・スイーツが在るのよ!それは何かって?ぜんざい又はお汁粉と呼ばれるスイーツよ!
 それってクリスマスじゃなくて正月のスイーツでしょって?…メリーの記事をずっと読んでた人なら理解出来る筈よ。
 クリスマスの本質はキリストの誕生日を祝うんではなく、古い太陽が死んで新しい太陽が生まれる冬至を1年の節目に祭る事だったって。
 行く年を送り、来る年を迎える、日本の年越し行事と同じ思想なの。
 
 目一杯こじつけた所で、ぜんざい又は汁粉の話を進めるわよ!
 正月にぜんざい、又は汁粉を食べる意味を考えた事有るかしら?
 ぜんざいも汁粉も小豆餡の中に餅が入ってるわね。
 入れる餅は、伝統に則すなら、鏡開き後の餅でなくてはならないの。
 鏡開きって言うのは――説明不要でしょうけど――年末神棚に供えた鏡餅を下げて食べる日本古来の行事よ。
 地方によって日にちは異なるけど、毎年1月11日に行われるわ。
 その前日まで鏡餅には年神様が宿ってるの。
 正月が過ぎれば年神様は彼方の世界へ帰るんだけど、依り代だった鏡餅には年神様のパワーが未だ残ってると考えられた。
 そこで年神様のパワーを授かる為に、御下がりの鏡餅を甘く煮た小豆と一緒に食べる習慣が生まれたってわけ。
 小豆の赤にもこれまた邪気を払う力が有ると考えられててね、鏡餅に宿った神様パワー×小豆の魔除けパワーで元気百倍無病息災!
 無病息災!!…今の状況下では最高のフレーズに聞こえるわ。
 新型コロナに打ち勝つ為に、正月はぜんざい&汁粉パワーを身に付けて!

 ところで、ぜんざいと汁粉の違いって、何だか解る?
 実は関東と関西で解釈が異なるそうなの。
 関東では汁気が有る物を汁粉と呼んで、汁気が無い物をぜんざいって呼ぶそうなんだけど、関西ではこし餡なら汁粉、粒餡ならぜんざいって呼ぶんですって。
 歴史的には、汁粉は元々汁の具を指してた言葉で、現代の甘い汁粉を表す様になったのは江戸時代後期になってかららしいの。
 対するぜんざいは善哉と漢字で表され、室町時代の書物に祝いの席の食べ物として記録が残ってるそうよ。
 一説には、出雲(現在の島根県)で10月に行う神在祭にて振る舞われる、小豆と餅を出汁で煮た神在餅(じんざいもち)が、ぜんざいの名前の由来と言われてるわ。
 どうやら、ぜんざい(善哉)の方が歴史が古い呼び名の様ね。
 
 ぜんざいでも汁粉でも正月は日本各地で食べられるから、写真の撮影は容易に思うわ。
 暇人のブログ主さん、例の如くお願いねv
 
 正月に食べられる和スイーツと言えば、菱葩餅(ひしはなびらもち)も関西方面で有名ね。
 これは牛蒡を軸に、白味噌餡、桃色の菱餅を、白い餅(又は求肥)で包んだ物よ。
 菱餅の桃色が白い羽二重の下に薄く透けて、名前の通り花弁の様に見えるわ。
 求肥の両端からニョキッとはみ出てる牛蒡が個性的。
 平安時代、宮中の新年行事だった歯固めの儀式の簡略形として、生まれた餅菓子と言われてるわ。
 昔、日本には新年の祝いの席で、固い物を食べて長寿を祈願する風習が有ったの。
 御供え後のカチカチに固くなった鏡餅を調理して食べるのも、歯固めの儀式の一環。
 宮中で正月に食べられてた雑煮が小さな菱葩餅に変化するなんてビックリ!
 茶会の席の和菓子という事で今回は見送ったけど、最近はコンビニにも卸されて一般的なスイーツになりつつあるわね。

 じゃあここで今夜のクリスマス・ソングを紹介――日本の伝統に則って一月一日(いちげついちじつ)よ♪
 明治時代に日本の文部省が発表した唱歌で、天皇が現世神として敬われてた時代の元旦が歌詞から窺えるわね。
 クリスマス・ソングに思えない?…だから日本の年越し行事とクリスマスは根っこが同じって言ったでしょ!
 今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

 ――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
 いや~何時もに増して無理矢理な解釈でしたね。(笑)
 しかし折角ご紹介頂いた事だし、こちらを参考に歌いましょう、「一月一日」!
 尚、歌詞は最初に発表された1892年のものではなく、1893年に発表された千家尊福が作詞し上真行が作曲したバージョンです。
 こちらの方がテレビでよく歌われてる為、一般的に知られてるかと。
 作詞を担当した千家尊福(せんげ・たかとみ)は、島根県・出雲大社の宮司だったそうです。



【一月一日(いちげついちじつ)】




年の始めの例(ためし)とて♪
終(おわり)なき世の目出度さを♪
松竹立てて門ごとに♪
祝(いお)う今日こそ楽しけれ♪

初日の光差し出でて♪
四方(よも)に輝く今朝の空♪
君が御影に比(たぐ)えつつ♪
仰ぎ見るこそ尊(とお)とけれ♪


【訳】
一年の初めの恒例行事
終わりなき御代の目出度さを
家々に門松を飾り
皆で祝う正月は実に楽しい

初日の出の光が
四方に輝く正月の空を
天皇陛下の御姿になぞらえて
仰ぎ見ることは尊きことだ



…写真は我が家で作った汁粉…関東住みなんで、汁気が多いから「汁粉」です。
ところで一般的に汁粉とぜんざいは甘い物で、雑煮は塩辛い物って認識ですが、地方によっては甘い雑煮も存在します。
鳥取の雑煮を食べた事有りますが、甘く煮た小豆に餅が入った物で、殆ど汁粉でぜんざいでした。
これを雑煮と呼ぶなら、鳥取の汁粉・ぜんざいとは一体…?

 
↑新年を祝って鏡餅、隣はミス・メリーが触れてた菱葩餅。
菱葩餅は近所の和菓子屋で買ったのだが、餅の下の桃色部が狭い気する…。
何方様も無病息災、世界が平和で在ります様に。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その8

2020年12月31日 19時30分10秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
新型コロナの収束を待たず、大晦日が来てしまいました。
なんかもう流行ではなく日常って感じになりつつあるぞ。(汗)
こんな異常な年でも放送する紅白歌合戦をBGMに、ミス・メリーからの手紙を読むと致しましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 今日はジルベスター、大晦日!
 いよいよ新年の幕開けよ!!
 来年は病魔が去って、世界中の皆がマスクから解放されますように…!
 年神様にお祈りした所で今夜採り上げるクリスマス・スイーツを紹介、スコットランド発のダンディーケーキよ!
 
 ダンディーケーキはスコットランドのダンディーと呼ばれる港町で生まれたフルーツケーキ。
 上にホイップクリームやチョコや生の果物が載る事も無く、アーモンドが放射状に飾られてるだけのシンプルな見た目が特徴で、名前の通り良質を知るダンディーな大人をイメージさせる佇まいなの。
 考案したのはダンディーでマーマレードを製造し財を成したジェームス・ケイラー・アンド・サン社。
 当時ダンディーはヨーロッパの各都市から輸入品が届く貿易港として栄えていて、ケイラー社はスペインから届くオレンジやサルタナ種の葡萄やアーモンドを保存食品に加工し輸出するビジネスを展開してたの。
 中でもセビリアオレンジを加工して作ったマーマレードが他社より良品質と大評判、暫くの間ケイラー社はマーマレードだけで食べてけるだけの成功を収めたって云うわ。
 けれどマーマレードの製造をメインにする事で、処理に困ったのが大量に出るオレンジの皮。
 皮も刻んで入れるのがマーマレードとはいえ、全部使える訳じゃない。
 他社の物と違ってエグ味の少なさで好評を得ていたケイラー社のマーマレードなだけに尚の事。
 余った皮を砂糖漬けにして売ったりもしたけど、マーマレードほど高価く売れない、そこで思い付いたのが余り物全部纏めてケーキを焼く事だったの。
 セビリアオレンジピール、サルタナレーズン、スペイン産アーモンド、それにケイラー社特製マーマレードをふんだんに使って焼いたケーキは地元で評判を呼び、何時しか町の名前が付いて海外にも知られる様になった――めでたしめでたしってわけv
 ところでナッツやドライフルーツを大量に使い、長期間の保存が利く…この2点ってシュトレンやパネットーネといった、ヨーロッパにおけるクリスマス・スイーツの特徴と一致しない?
 スコットランドでクリスマスに食べられる様になったのも必然に思うわ。
 
 近年ハリーポッターブームの影響か、日本で英国菓子店を多く見掛けるようになったから、ダンディーケーキも簡単に見付けられるんじゃないかしら?
 何処の店の物を買うかはお任せするから、暇人のブログ主さん入手お願いねv

 じゃあそろそろ今夜のクリスマス・ソングを紹介、日本では蛍の光の原曲で知られるスコットランド民謡――Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)♪
 日本では卒業式や大晦日、それに店舗の営業終了時に流れる事が多いけど、スコットランドでは年始や披露宴や誕生日の時に歌う事が多いそうよ。
 今夜のメリーの話はここまで…皆、良い年を迎えてね!』

――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
それではこちらを参考に歌いましょう、2020年最後に紹介する「Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)」!



【Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)】




Should auld acquaintance be forgot♪
And never brought to mind♪
Should auld acquaintance be forgot♪
And days of auld lang syne♪

And days of auld lang syne my dear♪
And days of auld lang syne♪
Should auld acquaintance be forgot♪
And days of auld lang syne♪


And there's a hand my trusty fiere♪
And gies a hand o' thine♪
We'll tak a cup o' kindness yet♪
For auld lang syne♪

For auld lang syne, my dear♪
For auld lang syne♪
We'll tak a cup o' kindness yet♪
For auld lang syne♪


【訳】
旧き友は忘れたまま、
決して心に戻る事は無いのか?
旧き友も、
懐かしき昔の日々も忘れるべきなのだろうか?

懐かしき昔の日々よ、我が愛しき者よ
懐かしき昔の日々よ
旧き友も、
懐かしき昔の日々も忘れるべきなのだろうか?


この手を取れ、我が信友よ
そして手を貸してくれ
優しさの一杯を交わそうではないか
懐かしき昔の為に

懐かしき昔の日々、我が愛しき者の為に
過ぎ去りし懐かしい昔の為に
優しさの一杯を交わそうではないか
懐かしい昔の為に


…紹介してくれたミス・メリーには悪いのですが、クリスマス・ケーキとして食べる所が増えてるってだけで、ダンディーケーキ=スコットランド伝統のクリスマス・スイーツって解釈はどうかと。
ただミス・メリーの言う通り、ダンディーケーキはその特徴から、クリスマスに食べるのに相応しく思います。
ちなみにスコットランドでは昔、円形に焼いたショートブレッドをクリスマスに食べる習慣が有ったそうな。
太陽を表す円に焼く事で、太陽神に新年の豊作を祈願したのだとか。

ミス・メリーから入手を頼まれたダンディーケーキを、自分は「横浜山手えの木てい」にて購入致しました。
 

 
↑白壁に赤い屋根が目印のお店は、山手西洋館巡りコースの途中に在る為、大体何時も混雑しています。
名物はダークチェリーとバタークリームをサブレで挟んだチェリーサンド。
ダンディーケーキはオンラインショップで購入するか、店で注文し後日テイクアウトするかの2択。
そんなわけで後日オンラインショップで注文し、お取り寄せ致しました。

↑一人分にカットしたダンディーケーキ。
ここのダンディーケーキはアーモンドの他、ザラメを飾りに使用してるのですね。
ドライフルーツたっぷり使ってて、とっても美味しかったです。
ブランデーをかけると美味しさが更に増します。
ダンディーケーキの特徴と言われるマーマレードの風味はしなかったかな…。
それにアーモンドが放射状に飾られてるかってえと…微妙かもしれない。
でも食べ応え有って本当に美味しかったです。
実は未だ一度もお店に寄った事が無いので(遠巻きに観てるだけ)、コロナの流行が収まった際にはお茶を飲みに行きたい。

余談になりますが昨夜のコールドムーン美しかったですね~。
遂に東京の感染者が千人突破したらしいですが、そんなちょっとした幸せを何時も見付けていたい、なんてな。
では皆様、良い年をお迎えください。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その7

2020年12月30日 17時10分17秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
ゴーンさんがレバノンへ逃亡に成功してから今日で丁度1周年だそうで…それから色んな事件が起き過ぎたせいですっかり忘れてましたよ。
今頃ゴーンさん元気でいらっしゃいますかねえ。
…なんて話は隅に置いて、ミス・メリーから届いたラブレターを読みましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 イギリスで新型コロナの変異ウイルスが感染拡大してるんですって?
 ワクチン開発に成功した嬉しいニュースを聞いたばかりなのに…神様はどれだけ人類に試練をお与えになる積りかしら?
 既に日本でも変異ウイルスが確認されたって話だから、皆も感染しないように用心して!
 さて今夜紹介するクリスマス・スイーツは、イギリスのミンスパイよ!
 
 ミンスパイは小麦粉・砂糖・卵黄・スエット(牛や羊の腎臓付近の脂)に数種類のドライフルーツと香辛料とナッツを混ぜ合わせたミンスミートを、一口サイズの丸いパイに詰めて焼いたクリスマス限定のスイーツなの。
 一説には13世紀頃に十字軍が中東からヨーロッパへ帰還する際に持ち込んだと伝えられてるわ。
 …十字軍って毎回お土産持ち帰ってるわね~。
 ヨーロッパに渡来した当時のミンスパイは、細かく刻んだ羊肉を詰めたミンチパイだったとか。
 今在る様なスイーツではなく、料理だったのね。
 イギリスが領土を拡大して行った事で、珍しい果物やナッツが手に入る様になり、ミンスパイの中身が今の様な果実たっぷりの物に変化してったらしいわ。
 昔は具の中にイエスを模した小さな像を入れて、揺り籠の形に焼いた歴史が残ってるの。
 今より大きいサイズのパイを十二個焼いて、クリスマス~公現節の十二夜に渡り、一夜に1つずつ食べる習慣が有ったそうよ。
 その習慣が無くなったのは、恐らく清教徒革命下に偶像崇拝が禁じられたからでしょうね。
 ミンスパイの原型はフルーメンティーと呼ばれる小麦で作ったポリッジ。
 ポリッジは、イギリスのもう1つの伝統的クリスマス・スイーツ、クリスマス・プディングの原型でもあるの。
 そのポリッジのルーツを辿ると、古代ケルト民族の習慣に繋がるとか…ミンスパイにはイングランドの歴史が詰まってるってわけ。

 ミンスパイはクリスマスが近付くとスーパーの成城石井でも売ってるから、簡単に手に入れられると思うわ。
 だから暇人のブログ主さん、何時もの如く入手お願いねv
 それじゃあ今夜のクリスマス・ソングを紹介、イングランドに古くから伝わるクリスマス・キャロル——「We Wish You A Merry Christmas(おめでとうクリスマス)」♪
 …何時もこの歌で〆てるせいで、つい今日でお別れの気分になるけど、今年は未だ続くわよ!
 だから皆、明日もここへ来て、一緒にクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

——以上、ミス・メリーからの手紙でした。
それではこちらを参考に歌いましょう、We Wish You A Merry Christmas!



【We Wish You A Merry Christmas(クリスマスおめでとう)】




We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
And a happy New Year♪

We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
And a happy New Year♪

Good tidings we bring to you and your kin♪
Good tidings for Christmas and a happy New Year♪

Now bring us some figgy pudding♪
Now bring us some figgy pudding♪
Now bring us some figgy pudding♪
And a cup of good cheer♪

We won't go until we get some♪
We won't go until we get some♪
We won't go until we get some♪
So bring it right here♪


We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
And a happy New Year♪

Good tidings we bring to you and your kin♪
Good tidings for Christmas and a happy New Year♪

Now bring us some figgy pudding♪
Now bring us some figgy pudding♪
Now bring us some figgy pudding♪
And a cup of good cheer♪

We won't go until we get some♪
We won't go until we get some♪
We won't go until we get some♪
So bring it right here♪

We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
We wish you a merry Christmas♪
And a happy New Year♪


【訳】

クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
そして、新年のお祝いも

クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
そして、新年のお祝いも

良い知らせを持って来たんだ、貴方と、貴方の家族に
クリスマスが来たんだ、そして新年おめでとう

早くイチジクのプリンを持って来て
早くイチジクのプリンを持って来て
早くイチジクのプリンを持って来て
それから、ちょっとした御馳走も

食べるまで帰らないよ
食べるまで帰らないよ
食べるまで帰らないよ
ほら、だから早く持って来て


クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
そして、新年のお祝いも

良い知らせを持って来たんだ、貴方と、貴方の家族に
クリスマスが来たんだ、そして新年おめでとう

早くイチジクのプリンを持って来て
早くイチジクのプリンを持って来て
早くイチジクのプリンを持って来て
それから、ちょっとした御馳走も

食べるまで帰らないよ
食べるまで帰らないよ
食べるまで帰らないよ
ほら、だから早く持って来て

クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
クリスマスおめでとう
そして、新年のお祝いも



…ミス・メリーの言う通り、毎回この歌でクリスマス雑学講座を終えてるから、今日で終わりって感じがしちゃうな~。(笑)
イギリスでクリスマスが十二夜続く祝日だった時代の名残を感じられる歌です。
尚、以前ミス・メリーが書いたクリスマス・プディングの記事はこちら、ポリッジの記事はこちら…よろしければ併せてお読みください。


↑は京都嵯峨嵐山に在る「ジェリーズ・パイ」と言う店で売ってるミンスパイ。
イギリス出身のジェリーおじさんが、イギリス伝統のパイを作って売るお店です。
電子レンジで40秒位温めてから食べると、ドライフルーツとスパイスの良い香りが漂い、美味しく頂けます。
東京の人間としては、ネットで買えるのが嬉しい。

見出し写真の方は「ローズベーカリー」と言う店のミンスパイ。
日本では伊勢丹新宿店と銀座店を営業していたのですが、コロナの影響により伊勢丹新宿店は閉店、銀座店は休業中だそうです。(涙)
上面を飾るピンクの星が可愛く、ドライフルーツがふんだんに詰め込まれてて美味しかったです。
伊勢丹新宿店では毎年秋冬頃に英国展を開催してまして、写真のミンスパイ2つは実は去年買った物だったりします。
去年時点でミス・メリーが新型コロナ大流行を予知してた為、クリスマス・スイーツの約半分は予め去年に撮影しといたのです。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その6

2020年12月29日 17時29分24秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
年末休みだってのに何処にも行けなくて鬱な人、せめて国内外の名産品をお取り寄せして、行った積もりになりましょう。
何処も観光客が来なくて物が売れず、物凄~~く困ってるそうな。
例年なら今ぐらいが一年で一番の稼ぎ時だろうに。
…嘆いたって事態は好転しない、気持ちだけでも明るく、ミス・メリーからの手紙を読みましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 これまで色んな国のクリスマス・スイーツを紹介して来たけど、そういえばあの国だけ未だ採り上げられてないなって思わなかった?
 ほら、日本にとって大事な同盟国で、超大国のあの国――そう!United States of AmericaことU・S・A!!アメリカ合衆国のよ!!
 実はメリーもここで採り上げる為に色々調べてみたのよ…けどアメリカって移民の国で、欧州と比べて歴史も浅いじゃない?
 イタリア系ならパネットーネ、オランダ系ならスペキュラース・クッキー、ドイツ系ならシュトレン、イングランド系ならミンスパイ…等々、国民の大半が各々故郷のクリスマス・スイーツを食べるせいで、アメリカならではのクリスマス・スイーツを訊かれても決めかねるのよ。
 それに、キリストの誕生日としてクリスマスを祝う事に、アメリカでは年々批判が高まっていてね。
 メルティングポット(人種の坩堝)と表されるアメリカは、自由の国を標榜する事で多民族が纏まってる。
 自由の国なら宗教の多様性を認めるべきって声を切っ掛けに、近年はメリークリスマスに代わってハッピーホリデーズと言う挨拶が一般的なの。
 確かにクリスマスだとキリストのミサって意味になるから、他の宗教を信じる人達には使い難い挨拶よねえ。
 とはいえクリスマスの根底に在るのはキリスト誕生以前に祝ってた冬至祭な訳だし、ここでは細かい事言いっこ無しでメリー的にこれぞUSA!ってクリスマス・スイーツを挙げさせて貰うわ。
 メリーが考えるアメリカ(合衆国)のクリスマス・スイーツ、それは――ポップコーンよ!!
 それもポップコーン黎明期を振り返る意味で、塩味ではなく甘味仕立ての物こそクリスマスに食べるのに相応しいと思うわ。
 実は当初ポップコーンは糖蜜を絡めて甘くし食べられてたの。
 塩味のポップコーンは世界恐慌時代に安く製造出来るからって理由で一般的になったのよ。

 現代スナックのイメージが強いポップコーンだけど、その歴史は意外に長く、最初に発明したのはアメリカ・メキシコの先住民達と言われてるわ。
 ニューメキシコ州で紀元前3600年頃の遺跡から、ポップコーンの痕跡が発見された記録が残ってるんですって。
 アメリカの先住民達は、乾燥させたトウモロコシの種子を焚火にくべ、弾けて飛び出した物を食べてたらしいのね。
 16世紀頃にヨーロッパからアメリカに渡った初代移民達は、先住民達からその調理法を学んだ事で冬の飢餓を乗り越えられたそうよ…泣ける話ねえ。
 それなのに侵略して絶滅するまで追い込むなんて恩知らずの人でなし行為だと思わない?
 毒吐きは程々にして…今やアメリカはトウモロコシ生産量第一位の国、世界の半分近くまでシェアを伸ばした裏には、アメリカを開拓した移民達の努力と、彼らに生きる知恵を授けた先住民達の人情が有るの。
 そんなアメリカ合衆国の成り立ちを考えると、1年の締め括りにポップコーンを食べるのは理に適ってると思うでしょ?
 実際アメリカではクリスマスにポップコーンをよく食べるの。
 この時期に食べられるのはホリデーポップコーンと呼ばれ、チョコやキャラメルがかかった甘い味が好まれるんですって。
 クリスマスデザインのメガサイズ缶に入れて販売される物を数個購入し、ツリーの飾り付けにも利用するのがアメリカ流。

 他に、黒と白2層のチョコの表面にペパーミント風味のキャンディーケーンの欠片を鏤めたペパーミントバークもアメリカ定番のクリスマス・スイーツで知られるけど、正直キャンディー・ケーンの再利用目的に市場の都合で生み出された商品に感じるのよねぇ。
 後はヨーロッパから持ち込まれたクリスマス・クッキー、アメリカでもこの時期習慣として食べられるそうよ。
 色々候補挙がるけど、メリー的にはやっぱりホリデーポップコーンをアメリカのクリスマス・スイーツに推したいわ。
 そういう訳で暇人のブログ主さん、例の如く入手お願いね!
 
 じゃあ今夜のクリスマス・ソングを紹介、アメリカ、ボストンのジェームズ・ロード・ピアポント牧師が、元は感謝祭で歌う為に作ったと云われる――ジングルベルよ♪
 今夜のメリーの話はここまで…また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

――以上、ミス・メリーからの手紙でした。
それではこちらを参考に歌いましょう、ジングルベル!



【Jingle Bells(ジングルベル)】




Dashing through the snow♪
In a one-horse open sleigh♪
Over the fields we go♪
Laughing all the way♪
Bells on bob-tail ring♪
making spirits bright♪
What fun it is to ride and sing♪
A sleighing song tonight♪

Oh~♪
Jingle bells♪ jingle bells♪ jingle all the way♪
O what fun it is to ride In a one-horse open sleigh♪
Hey♪
Jingle bells♪ jingle bells♪ jingle all the way♪
O what fun it is to ride In a one-horse open sleigh♪


A day or two ago♪
I thought I'd take a ride♪
And soon Miss Fanny Bright♪
Was seated by my side♪
The horse was lean and lank♪
Misfortune seemed his lot♪
He got into a drifted bank♪
And we, we got upsot♪

Oh~♪
Jingle bells♪ jingle bells♪ jingle all the way♪
O what fun it is to ride In a one-horse open sleigh♪
Hey♪
Jingle bells♪ jingle bells♪ jingle all the way♪
O what fun it is to ride In a one-horse open sleigh~~♪



【訳】
雪の中を駆け抜ける、1頭立てのソリ
広がる雪原に、笑い声が溢れる
鈴が鳴り渡れば、一層明るく
ソリの歌を歌って楽しもう

ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る
ソリ遊びの楽しさよ
ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る
ソリ遊びの楽しさよ


数日前、ソリに乗ろうと考えた
隣に座ったミス・ファニーブライト
痩せ細った馬が運悪く
雪の吹き溜まりに突っ込んで
僕らは見事に引っ繰り返った

ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る
ソリ遊びの楽しさよ
ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る
ソリ遊びの楽しさよ


…アメリカで誰しもが口にする定番クリスマス・スイーツが生まれ難いのには、クリスマスの前にやって来る感謝祭も影響してるように思います。
感謝祭にアメリカならではの御馳走を張り切って作る為に、クリスマスを祝う頃には息切れするんじゃないかと。(笑)
ところでミス・メリー曰くアメリカ先住民達が初代移民に開拓の知恵を授けたとの事ですが、実際にはコロンブス達がアメリカに上陸した際に今迄無かったウイルスが大陸に持ち込まれ、先住民達の多くは初代移民が来るより前に病気で死滅してたって説が濃厚だそうです。
初代移民は運良く無人状態になってた先住民の住居を利用し、残ってた食料で厳しい冬を越せたと云われてるそうで…事実なら神も仏も居ないのかと涙出ますよ。

 
↑悲しい過去は置いといて、仕事で横浜に寄った際に、横浜ポルタ内で期間限定オープンしてたギャレットポップコーンにて、ミス・メリーの指示通りホリデーポップコーンを買って来ました。
ギャレットポップコーンはアメリカ、シカゴ創業のポップコーン専門店。
その歴史は65年以上にも上るそうな。
甘いのから塩辛いのまで様々な種類のフレーバーを揃え、お洒落な缶や袋に詰めて渡してくれる事で人気が高いです。
 
↑クリスマス・シーズンはこんな可愛いデザインの缶に詰めて販売。

↑クリスマス限定の味「スノーホワイト・ピスタチオ」を買いました。
 ピスタチオの香ばしさとホワイトチョコの甘さとベリーの甘酸っぱさが混然一体となってて、今迄食べた事の無い複雑な味わいでした。
 食べるとポップコーンに持ってたイメージ大分変わりますよ。

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2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その5

2020年12月28日 19時07分37秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
年の瀬も押し迫って参りました。
今年は初めから終いまで新型コロナ一色に終わりましたねぇ。
未だ約3日残ってますが、これ以上の災難はご勘弁願いたい。
でも災難は空気を読まずに襲って来るからなぁ…不吉な想像は止して、ミス・メリーから届いた手紙を読むと致しましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 最近は夕方5時過ぎると真っ暗で、寂寥感半端ないわね。
 でも12月21日の冬至を過ぎれば後は明るくなるばかり、そう考えたら心に希望が湧いて来ない?
 今冬はウイルスの脅威に曝されてるせいで、お日様の光が何時もより余計に恋しいわ。
 世界のクリスマス・スイーツ、第5夜目に紹介するのは、太陽をこよなく愛する北欧の国スウェーデンより、ルッセカットよ!

 ルッセカットとはルチアの猫という意味。
 サフランとレーズンを練り込んだ甘いパンで、渦巻きが2つくっ付いた形状をしているの。
 真上からだと丁度∞に見えるわ。
 スウェーデンでは毎年12月13日の聖ルチアの日を祝って、このパンを食べるそうよ。
 
 聖ルチア…別名シラクサのルチアは、キリスト教の殉教者として6世紀頃から信仰を集める守護聖人よ。
 スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドといった北欧国では、12月13日の聖ルチアの日に毎年盛大な祝祭を開くの。
 特にスウェーデンのルチア祭は規模が大きい事で諸外国からも知られてるわ。
 町や学校で聖ルチア役に選ばれた乙女達が、白いドレスに赤い帯を締め蝋燭の冠を被った姿で、サンタ・ルチアを歌いながら街中を行進するの。
 家庭では長女が聖ルチアの扮装をして、早朝、珈琲とルッセカットをお盆に載せ、両親の寝室へ運ぶのが習わし。
 近年はジェンダーレスの観点から聖ルチア祭の行列に少年も参加する様になったけど、光の乙女ルチアに寄せるスウェーデン人の憧憬は今も昔も変わらない。
 
 イタリア、シチリア島南東部の都市シラクサの貴族の家に生まれたルチアは、敬虔なキリスト教徒として一生清らかな身で居る事を誓うも、後ろ盾である夫を亡くした母により異教徒の男との結婚を勧められるの。
 けれどルチアは自分はキリストと結婚すると言って断固拒否。
 異教徒の男はふられた事に激怒し、ルチアを狂信者だと兵に密告、彼女は拷問を受けて両目を抉り出されてしまう。
 しかし神の奇跡により、ルチアは目を喪った後でも、変わらず物を見る事が出来たとか…結局殉教しちゃったらしいんだけど。
 こうした伝説からルチアと不滅の光が結び付き、光の聖女というイメージが生まれたらしいのね。
 Luciaと言う名前はラテン語のlux(光)に繋がる。
 長い暗闇に閉ざされる冬の北欧で、光の聖女ルチアへの信仰が篤くなるのは必然と思えるわ。
 
 ルッセカットだけど、日本では意外な所で手に入るの。
 何処だと思う?――世界最大の家具量販店のIKEAよ!
 日本にすっかり馴染んでるから忘れてたけど、あそこってスウェーデン発のお店だったわね。
 IKEAでは毎年アドヴェントに入ると冷凍食品コーナーでルッセカットを扱うんですって。
 そういう訳で暇人のブログ主さん、例の如くルッセカットを入手しにIKEAに行けや!…なんちゃってv
 
 続いて今夜のクリスマス・ソングを紹介、聖ルチアに因み――サンタ・ルチア(Santa Lucia)♪
 ナポリの民謡曲だったサンタ・ルチアは、1849年にテオドロ・コットラウが編曲・出版した事で、世界に広く知られる様になったの。
 日本でもカンツォーネの代表曲として有名ね。
 船頭が自分の船の上で、ナポリ湾に面した美しい港町ボルゴ・サンタ・ルチアを讃えつつ、夕涼みしようと誘いかけるというのが歌詞の内容。
 港町の名の由来は勿論、シラクサのルチアこと聖ルチアから。
 光の聖女ルチアはナポリの船乗り達の守護聖人でもあるのよ。
 ナポリ民謡として朗々と歌われるサンタ・ルチアにクリスマスのイメージは全く感じられないけど、スウェーデンでは聖ルチア祭に合わせ歌詞が付けられた讃美歌版サンタ・ルチアが存在するの。
 最初その讃美歌版サンタ・ルチアを採り上げようとも考えたけど、スウェーデン語で歌うのは難しいでしょうから止めて、堀内敬三訳詩の日本語バージョンを紹介する事にしたわ。
 ほら…日本では今年NHKの連続テレビ小説枠で、作曲家の古関裕而を主人公のモデルにした、エールってドラマを放送したのでしょう?
 劇中で主人公の奥方が、ベルトーマス羽生って名前の音楽の先生から、歌のレッスンを受けたでしょう。
 その音楽の先生のモデルになったソプラノ歌手、ベルトラメリ能子が歌ったサンタ・ルチアを、良い機会だから紹介するわ!
 北国に住んでて、しかもインターネットやってないって言ったのに、どうして日本の朝ドラを詳しく知ってるのかって?――ふふっv細かい事は気にしないでv

 今夜の話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』

――以上、メリーさんからの手紙でした。
それではご紹介頂いた、ベルトラメリ能子(よしこ)が歌う「サンタ・ルチア」を聴いてみましょう。(古いレコードの為か、音がちょっと悪いです)



【サンタ・ルチア(Santa Lucia)】




月は高く♪ 空に照り♪
風も絶え♪ 波も無し♪

月は高く♪ 空に照り♪
風も絶え♪ 波も無し♪

来よや友よ♪ 船は待てり♪
サンタールーチーアー♪
サンタールチーア♪

来よや友よ♪ 船は待てり♪
サンタールーチーアー♪
サンタァ~~~~~~ルチィーーア♪


そよと渡る♪ 海風に♪
流るるは♪ 笛の音か♪

そよと渡る♪ 海風に♪
流るるは♪ 笛の音か♪

晴れし空に♪ 月は冴えぬ♪
サンタールーチーアー♪
サンタールチーア♪

晴れし空に♪ 月は冴えぬ♪
サンタールーチーアー♪
サンタァァァァ~~~~~~~~~ルチィーーアー♪



…ベルトラメリ能子さんは大正11年にオペラ研究の為イタリアに留学、ナポリで3年過ごした後ローマに移り、向うの国立音楽学校で声楽を学んだそうです。
名前に負けぬアグレッシブな歌手だったのですね。
しかしミス・メリー、自分でもツッコんでたけど、一体何処で朝ドラを観たのやら…。
ちなみにイタリア語で歌うオリジナルバージョンはこちら



Sul mare luccica l’astro d’argento.
Placida è l’onda, prospero è il vento.
Sul mare luccica l’astro d’argento.
Placida è l’onda, prospero è il vento.

Venite all’agile, barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!
Venite all’agile, barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!


Con questo zeffiro, così soave,
Oh, com’è bello star sulla nave!
Con questo zeffiro, così soave,
Oh, com’è bello star sulla nave!

Su passegieri, venite via!
Santa Lucia! Santa Lucia!
Su passegieri, venite via!
Santa Lucia! Santa Lucia!

【訳】
輝く海の上に銀の星が在り
波は穏やかで、風は順風に吹く

私の小舟よ、軽快に行こう
聖ルチアへ! 聖ルチアへ!


こんなに柔らかい西風と一緒に
嗚呼なんて美しい、船の上に在るものは

乗り人よ、あちらへ行こう
聖ルチアへ! 聖ルチアへ!



…やはり元のナポリ民謡版だとクリスマスの雰囲気ゼロですね。(汗)
しかしこれがスウェーデン版になると全然印象が違って思えます。
こちらは聖ルチア祭に参加した乙女達が教会で歌ったものを録音したものらしい。
スウェーデンでサンタ・ルチアは、「Sankta Lucia, ljusklara hägring(聖ルチア、光の幻想)」とか、「Natten går tunga fjät(ゆっくりと夜の散歩)」等のタイトルで知られる歌なんだそうな。
歌い方や演奏を変えるだけで別の歌になる、音楽の世界は奥深いものですね。

 
↑ミス・メリーから指令を受けて、モノレールが走る立川駅最寄りのIKEA立川へ、ルッセカットを探しに行って参りました。

 



 
↑隣には国営昭和記念公園が広がります。
立川から昭島、2つの市に跨がるほど敷地が広大な事で有名、何でも飛行場跡地を利用して造られたとか。
秋は銀杏林が黄金色に染まって見事です。
私が訪ねた日は残念ながら見頃前でした。

 
↑星型の照明がスウェーデン流っぽいIKEAのインテリアブース。

 
↑冷凍食品コーナーに陳列されてたルッセカット。
食べる時は自然解凍してとの事。
サフランが練り込まれたパンは黄色く、日本のパンに比べて硬めです。
水分をあまり含んでない為、長期保存に向いてそう。
昔食べた駄菓子のかにぱんに食感が似てるよう感じました。
サフランはスウェーデン人にとってクリスマスに欠かせないスパイスとの事、なんと1800年代から使われてた記録が有るそうです。
黄色は黄金に繋がる特別な色、クリスマスに黄金色のパンを焼く事で魔術的な力を得ようとしたのかもしれません。
イタリアの黄金のパン「パンドーロ」にも繋がる話…つかイタリア発のサンタ・ルチア歌うなら、パンドーロを採り上げた方が合ってた気する。(汗)
ところで「ルッセカット(ルチアの猫)」と言う名前…猫が何処から来てるのか気になるのですが…中世ヨーロッパの或る地方では年末に年老いた猫を畑で殺して埋める風習が有ったとの事、後年その名残でクリスマス・シーズンに猫の体の一部を模したパンが売られたそうです。
ひょっとしたら「ルッセカット」にも、そんな恐ろしい歴史が有るのかな~なんて考えてしまいました。
見た目2匹の猫が尻尾を絡めてる様で可愛いんですけどね。

↑秋の夕方、IKEA前で観た、赤く染まる鱗雲。

 

 


↑JR立川駅周辺は水と緑豊かな公園が整備されてて綺麗でした。

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