瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2020年、クリスマスには歌を歌おう♪その3

2020年12月26日 18時09分39秒 | クリスマス
皆様、こんばんは。
日本においてのクリスマスは終了しましたが、ミス・メリーのクリスマス雑学講座はまだまだ続きます。
それではミス・メリーから届いた第3夜目の記事を読み上げましょう。

『はぁい♪ミス・メリーよ♪
 日本ではクリスマスが終了して、正月の準備にてんてこ舞いな頃かしら?
 けど、本来のクリスマスは12/25~1/5夜までの十二夜を指してるの。
 メリーのクリスマス雑学講座も1/5まで続く予定だから、正月休みに入っても目を離さないで居てね!
 本日12/26はキリスト教の暦上で聖ステファン(ステファノ)の日と呼ばれる祝日。
 聖ステファンは最初に殉教したキリスト教徒と云われ、主に西方教会圏で崇敬を集めている人よ。
 アイルランド、イタリア、オーストリア、クロアチア、フィンランドでは、12/25だけでなく、12/26も公休日になってるわ。
 またイギリスでは、聖ステファン関わりかは解らないけど、12/26はボクシング・デーと呼ばれ、クリスマスを祝う事が出来なかった貧しい人々や、クリスマスでも仕事をさせられた人達へ、寄付を募る習慣が有るの。
 …今年は新型コロナが大流行したせいで、世界中にそういう人が居るでしょうね。
 特に医療や介護に携わってる人達は、クリスマスなんて関係無く、大勢の命を守る為に今も頑張ってくださってる。
 今こそ、そういう人達に感謝の意を込めて、クリスマス・プレゼントを贈るべきじゃないかしら?
 クリスマス同様、12/26のボクシング・デーが日本で定着する事を、メリー期待してるわ。
 
 さて今夜紹介する世界のクリスマス・スイーツは、ポーランド伝統のジンジャ―ブレッド、ピエルニキ
 ジンジャ―ブレッド=胡椒パンと言っても、見た目はハート型のクッキーで、食感も柔らか目のクッキーって感じ。
 ヨーロッパではクリスマスに食べる菓子といったら、日持ちがするよう香辛料をたっぷり使って焼いたパンかクッキーなの。
 クリスマスにケーキを食べる伝統は日本くらいよ。
 パンはキリスト教のミサで聖体として丁重に扱われる食品、クリスマスにパンを頂くのはイエス・キリストの誕生を祝す意味で当然の事なの。
 クッキーだって元を辿れば発酵させずに焼くパンだから、同様の意味を込めてクリスマスに食べられるわ。
 クリスマスクッキーについては、以前ここで記事を書いてるから、良かったら併せて読んでねv

 ジンジャーブレッドに話を戻して…その歴史は古く、古代ギリシャ時代にロドス島のパン屋が焼いた記録が残ってるそうよ。
 その後、十字軍が中東からヨーロッパへ持ち帰り、各地へ広まったとか。
 チェコではペルニーク、ドイツではレープクーヘン、ロシアではプリャーニク、オランダ・ベルギーではスペキュラース、スウェーデンではペッパーカーカ…呼び名は違えど各国にジンジャーブレッド、或いはジンジャークッキーを焼く伝統が残ってるわ。
 それもクリスマスにね。
 蜂蜜やバターや香辛料等の材料は非常に高価だったから、中世の頃まで菓子は教会で作られ神様に捧げられる物だった。
 産業革命が起きて以降は中流家庭でも菓子が食べられる様になったけど、キリスト教最大の行事クリスマスにのみ作る菓子は、教会の教えと結び付き伝統として残った…っていうのがメリーの考えよ。
 で、このジンジャ―ブレッド、日本ではカルディ等の輸入食品店で販売してるそうだから、例の如く暇人のブログ主さん、入手しといてね!
 
 それじゃあ今夜のクリスマス・ソングを紹介、3曲目は――Good King Wenceslas(ウェンセスラスは善い王様)♪
 ラテン語で記録された古いキャロルのメロディーを元に、19世紀のイギリスで大学監督官だったジョン・メイソン・ニールが、新たな歌詞を付けて生まれたクリスマス・キャロル。
 聖ステファノの日、慈しみ深いウェンセスラス王が、吹雪の中、家来を連れて、貧しい民を救いに行く様子が、歌の中で描写されてるの。
 ウェンセスラス王のモデルは、ボヘミア公の聖ヴァーツラフ1世だと伝わってるわ。
 彼は父であるヴラチスラフ1世より影響を受けて熱心なキリスト教徒に育ち、ボヘミア中にキリスト教を広めたの。
 ところが神聖ローマ帝国から力を借りて教会を建立した事で、ボヘミアの貴族達から神聖ローマ帝国に屈した裏切り者扱いを受け、終には貴族達に誑かされた実の弟に暗殺されてしまう。
 兄が死んだ後、弟のボレスラフはボヘミア公に収まったというから、血も涙も無い話よね。
 後年、ヴァーツラフ1世は殉教者という事で聖人となり、現在でもボヘミア(現チェコ)の守護聖人として信者から崇敬を集めているそうよ。
 この歌に合わせて、本当はチェコのジンジャ―ブレッド、ペルニークを紹介したかったんだけど…暇人のブログ主から入手が難しいと断られてしまったから諦めるわ。
 クリスマス・ソングを紹介し終えた所で、今夜の話はお終い。
 また明日、このブログで皆と会えるのを楽しみにしてるわね!』
 
――以上、メリーさんからのお手紙でした。
それではクリスマス・ソングの王様と言われるビング・クロスビーが歌うバージョンを参照しつつ、歌ってみましょう。



【Good King Wenceslas(ウェンセスラスは善い王様)】




Good King Wenceslas looked out♪
On the feast of Stephen♪
When the snow lay round about♪
Deep and crisp and even♪

Brightly shone the moon that night♪
Tho' the frost was cruel♪
When a poor man came in sight♪
Gath'ring winter fuel~♪


Hither, page, and stand by me♪
If thou know'st it, telling♪
Yonder peasant, who is he♪
Where and what his dwelling♪

Sire, he lives a good league hence♪
Underneath the mountain♪
Right against the forest fence♪
By Saint Agnes' fountain~♪


Bring me flesh, and bring me wine♪
Bring me pine logs hither♪
Thou and I will see him dine♪
When we bear them thither♪

Page and monarch, forth they went♪
Forth they went together♪
Through the rude wind's wild lament♪
And the bitter weather~♪


Sire, the night is darker now♪
And the wind blows stronger♪
Fails my heart, I know not how♪
I can go no longer♪

Mark my footsteps, my good page♪
Tread thou in them boldly♪
Thou shalt find the winter's rage♪
Feeze thy blood less coldly~♪


In his master's steps he trod♪
Where the snow lay dinted♪
Heat was in the very sod♪
Which the saint had printed♪

Therefore, Christian men, be sure♪
Wealth or rank possessing♪
Ye who now will bless the poor♪
Shall yourselves find blessing~♪


【訳】
善良なるウェンセスラス王
城の外へ見回りに
聖ステファノの祝祭日
辺りには雪が深く降り積もる

明るい月夜 霜は厳しく
貧しき民は冬の薪を集める

小姓よ 傍へ参れ
知っているならば答えよ
あの農民は誰だ?住処は?

我が君 彼は5kmほど先
山の麓に住んでいます
御猟場の柵に面した
聖アグネスの泉の側に

肉と葡萄酒 松の薪をここへ
我らで家まで運び
彼に食事をさせるのだ

王と小姓が共に進み行く
風が吹き荒ぶ厳しい天候の中を

我が君 夜も更け 風も強く
心は挫け もう進めません

我が足跡をよく見よ 善き小姓よ
臆せずにその足跡の上を歩け
さすれば冬の厳しい寒さも
少しは和らぐだろう

主君の足跡を辿り行く
雪は窪み 熱が芝土を現す
これぞ聖者の為せる業

キリスト教徒らよ しかと心得よ
富と地位を持つ者は
貧しき者に施せば
己もまた祝福されるのだ



↑こちらがカルディで扱ってる、ポーランドのトルン名産「ピエルニキ」。
毎年クリスマス・シーズンになると、店舗販売だけでなくオンライン販売もされ、瞬く間に完売致します。
ジンジャ―ブレッド、ジンジャークッキーは、表面にアイシングで絵を描き、クリスマス・ツリーのオーナメントにして飾るというのが、本場の楽しみ方。
家でもやろうとしたのですが、アイシング嫌いの家族から反対されて出来ませんでした。
砂糖衣ですら嫌がられ、最初は手を伸ばさなかったという。
食感は外側がクッキー、中はパンの様に柔らかく、例えるなら佐賀の銘菓「丸ぼうろ」。
香辛料効かせた丸ぼうろに砂糖衣が掛けられた物をご想像ください…つって丸ぼうろ食べた事無い人には伝わり難いですね。(汗)
丸ぼうろのルーツは西洋菓子なので、似てるのは当然かもしれない。
ちなみに東京にはチェコの家庭料理を提供する「セドミクラースキー」と言うレストランが在ります。
クリスマス・シーズンにそこを訪ねれば、ペルニークが手に入ったかもしれないですが、コロナ禍の折、行くのは躊躇われたのです…そんな訳で許せ、ミス・メリー。

ちなみにミス・メリーが書いたクリスマス・クッキーについての記事はこちら


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