チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

まとわりつく

2011年06月07日 09時46分15秒 | 日記
鉄線という花初夏の花としてチャコちゃん先生は結構好き
朝顔のように枝の成長の方向性を決めていくと
素直にそれに従って形を作り
次から次に花をつける

でも今年は勝って気ままにしてあげようと思って
枝の誘導をやめたわけ
そうしたらなんとつる薔薇に巻きついて
いまや
「わたくしバラ気分」
とばかりちゃっかりバラの枝に添って咲き誇っている

其れが淡い紫で結構見ごたえが或る
更に白と小豆色の鉄線は椿の枝に絡まっていて
チョット独立して花弁だけを葉の外に向け
「私は椿ではないのよ」
と自己主張をしている

しかし
枝葉はしっかり椿の樹に巻きついているのだから
花だけ知らん振りしているのもドウかしら

もう一本の白鉄線はこれはいつもどおり枝を誘導してあるので
大人しく針金に巻き付き優等生の顔
花も大きいが長持ちしない
他は我が命をありったけ謳歌している感じだ

面白い
鉄線にとってどちらが幸せなのだろう
しかしまとわりつかれたほうは「えらい迷惑」

同じような花は藤
山間部にいくと高い樹に藤がまとわり付いて花を咲かせている
藤棚を人間が作って花を観賞すると艶やかに風に揺れているが
樹にまとわり付いた藤の生命力はチト怖い
その証拠にまとわりつかれた本体の樹は大体枯れる

藤原家が権勢を誇ったのも
この藤の強さだったのかしらん

昔はこの藤の枝を水にふやかし
其処から繊維をとって織物にした「藤布」だ
そうすると
人間の知恵のほうが勝っているのか

まとわりつかれた樹はきっと人間に感謝している
つるが外された瞬間きっとホッとしたと思う

でも面白い

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青年の樹

2011年06月06日 13時19分41秒 | 日記
緑が少年の色から青年の色に成長した
柔らかさがなくなり芯が入った感じ
色も濃くなって堂々としている

綺麗可愛いと眺める時期から
木陰を提供し癒してくれるようになった
自然の成長は早い

人間の成長にもそのことが伺われる

北海道札幌のホテルマンだったI氏
23年前にチャコちゃん先生の「和服なら私」などの
本を読んでくださり
ホテルでの講演会を何回かひらいてくださった

まだ呉服屋も元気があり
お客様をたくさんお連れになって話を聞いてくださった
ホテルの対応が良いので
呉服屋さんはきものパーテイもこのホテルで開催
チャコちゃん先生を中心にきものフアンが増えていった

しかし時代は変わり
I氏とは年賀状でお互いの近状を報告するのみという付き合いに
札幌に行くことも少なくなり
行ったとしても予算が取れずビジネスホテルに泊まる有様


いきなり
「東京に転勤になりました!」
同系のホテルマンではなくそのホテルの母体に勤務
「栄転?」
「どうでしょう」
と謙遜している

早速地方からの泊り客の便宜を図っていただく
「お安い御用ですよ」
「ところでお子さんが生まれたばかりでしたねあの時」
「もう大学卒業して務めていますよ」
「ええええー」

(それだけチャコちゃん先生も年取ったということーー)

公園の櫻の樹も花に手が伸びていたが
今では全く仰ぎ見る状態
なんでもかでもみんな成長していく

最近は各会社の役員改定のお知らせも頂戴する
世代交代は必要だが
経験豊富な人たちの知恵はもっと大切
これからの世の中はまさに「知恵」が求められると思う

賢い後継者は
しっかりと長老の意見を身に付けようと努力している
先日伺った奥順も
昨日行った小千谷の組合の若手も

今まで支えた大人たちの意見を素直に受け入れ
次に活かそうという姿勢が見えたので
すがすがしい感じだった

青年の樹もいづれは年とともに葉を染め落としていく
しかし根元で確実に肥料になる
自然はこうやって循環し続ける

公園の木陰を歩きながらつくづく思う
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世界無形文化遺産

2011年06月05日 13時30分15秒 | 日記
小千谷縮と越後上布は平成21年にユネスコ世界無形文化遺産に登録
日本の手工芸の一番手として世界に冠たる名誉を受けた
その5年前の中越大地震のあと
老齢な作り手が
「もう仕事をしたくない」とか
精神的にまいって心が落ち着かず仕事がはかどらない状態だった

しかしその中で逆に組合の人たちが一致団結して
主要都市に「小千谷縮、越後上布」を紹介し
多くの人の強い協力でみんなが勇気を持って
産地の活性化に向けて努力した
その努力が実ってユネスコ世界無形文化遺産登録という快挙

新潟は県知事が率先して小千谷縮の背広を着るという宣伝マンに徹しているし
東京表の参道に新潟館「ネスパス」を設置して
1階はふるさと物産と食事どころ
3階がホールになっていて着物の展示会も開いている

組合員も若手になり
「あの地震以来旨く世代交代が出来ましたよ」
世代が変わったのできものの色や柄も若々しくお洒落
「小千谷では一番若手だったのにね」
と思わず樋口隆司さんを冷やかす
「いまや長老ですよアハハ」

しかし
あの地震でチャコちゃん先生が大好きな「絹縮み」が姿を消していたのだが
というのは縮みは本来足で湯揉みするのだが
その技術と道具を持った家が地震で全壊し作業が出来なくなった

「あの絹縮みは最高の布よ丁度6月9月はなくてはならない生地だわ」
と樋口さんに会うたびに御尻を叩いていたチャコちゃん先生
「ついにできましたよ」

触っても見てもしんなりと優しく美しい
「前のほうが個性的だけどこれもいいわね」
足揉みは出来ないので
手揉みで何回も何回も実験して出来上がったという
通常の布幅より15センチほど広くおって
其れを湯につけて揉む

もともと撚りのかかった糸で織っているので揉めば揉むほど
うねうねとよりがよって独自の風合いとなる
チャコちゃん先生は7年待って思い人と会えた感じ
だけど足もみの方が存在感があっていい
ーーまだいいつのっているーー

越後上布は美しい
麻の種類でも苧麻という麻から糸を績む
この作業をする人が年々減っている
それは大変な作業であるからという理由のほかに
手間賃があまりにも安い
都会の学生アルバイトの時間給がその人たちの日当金額だ

こんなことではせっかく文化遺産に登録されても後が続かなくなるのではないか
巷の呉服屋での売値が
反物一反都心の2dkが買える値段だ

作る人にもっと手厚い保護をしなければ
この日本から越後上布も小千谷縮も姿を消してしまう
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土遊び

2011年06月04日 14時32分16秒 | 日記
太陽が上りきって強くなっているのに土仕事
実は「大葉」の種を植えたのだが
その翌日に大雨が降りどうも種が流されてしまったらしい
種を購入するのを忘れていて
探し探して手に入れたのが台湾産だった
「これは絶対まずい」

なんといっても「地産地消」を目指しているチャコちゃん先生
首をかしげながら種をまいたのだが
ヤハリこの土に落ち着かなかった
それで
「茨城産」の大葉と唐辛子の苗を手に入れてきたので
張り切って土仕事

EM液を薄めて土を湿らし
苗を植える
フト見ると桑の樹に赤い実「おおおおー」
と早速口へ甘酸っぱくて美味しい
と其処へ「大島楯臣」さんから電話
「今窓からお宅の庭が見えて麦藁帽子が動いていたのでーー」

そう彼は昨日「ナイトコスモス」の講師でいらしていただき
京王プラザホテルでご一泊
その窓から我が庭園?がよく見えるのだという

昨夜のナイトコスモスでは
「日本の国語教育」についてお話を伺った
みなさん「目からウロコ」
こうまで日本語をいい加減にしていたのかとすくむ
曲がりなりにも文章を書いて何ぼのチャコちゃん先生
もうその無知に頭がたれっぱなし

「みんなそうですよ、戦後の国語教育が国語の無知を作ろうとしたのですから」
と大島さんは優しく慰めてくださるがーー
本来の漢字はなるほどと思うことが多い
例えば「愛欲」は本来は「愛慾」欲に心が付いているのだ
そうすると愛と欲の間で揺れ動く心模様があり
そこで人間の思いが深くなっていく

「決別」は本来は「訣別」
決別はさらりと水に流れてしま軽さがあるが
さんずいですからね
でも本来の訣はなかなか厳しい

なにかと訣別するのはそれなりの深い思いがないと
訣別しても成長がない
日本語の漢字はなかなか深い

昭和51年くらいまでは国語学者は日本の国語を守ることで
様々な戦いをしていたのだが今は皆無のよう
チャコちゃん先生も福田恆存さんの「国語問題論争史」などを読んだが
そのころ社会は金田一京助さんに脚光が浴びていて
本物偽者の区別がチャコちゃん先生には出来なかった

これはいま
原発推進の文化人と絶対反対の文化人に対する
政府やマスコミの肩入れの違いと同じ様相だ

日本はお上の利権に加担する人が優遇される国なのだ
こういうことが今になってわかるなんてーーーー




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出て来ました!

2011年06月03日 10時05分45秒 | 日記
全くお恥ずかしい
昨日は寒いし結城に行くので単の雨ゴートを着よう
とそのコートのポケットに手を入れたら
あった!!!
そういえばあの日コートを着ていたのか?
ハンドバックにカード入れを入れた日は別の日であったのか?

こわい
記憶が定かでなくなっている
しかし
コートをたたんだときどうして気が付かないのだろうか

其れくらい今のチャコちゃん先生は
上の空の生活をしているということか
やばい
いたく反省しながら湘南ラインに乗って結城へ

奥順に着くと
修行から戻ってきた順之クン
「すごい帯してますね」
としげしげチャコちゃん先生の帯を眺めていたが
「アレ紐が落ちてる!」
「なぬ?」
なんと翡翠玉を通したおび締めが切れていて
玉がころころ
「あれ足りない」
と探すと四つ玉のうち二つが袂に入っていた

どういうこと
ここのところ何かちぐはぐ
何かのお知らせだと思うけど
其れがわからない

基本は宇宙の流れに無意識に逆らっているのかもしれない
どこをどう逆らっているのか検証しながら
帰りの湘南ラインから外を眺める
稲田の緑が雨に煙って情緒的
眺めているうち
何も考えていない自分に気がつく
ただボーと車窓の去り逝く景色を眺めているだけ

気合きあい
パシパシと頬を叩く

新宿駅に着いたら
「菅直人退陣」
という活字が躍っていて思わず購入
何のことはない
お人の良いというより民主党を潰したくない
鳩山さんの申し出に抱きついただけ
こういう男を信用してはいけないのよ鳩ちゃん

あなた達は国民のほうを全く見ていない!
自分達の立場ばかり!もうーー
帰り着くなり事情通に
「どうなってんですか!」
と声を荒げても所詮は仕方がないこともわかっている

そうだ
あの3・11以降
どうも政治の動きに気を取られ過ぎていた
私は私の道をきちんと歩まないと
今日結城で決めてきた
「ユネスコ文化遺産認定」の記念行事の企画
しっかり考えなければ
其れがチャコちゃん先生の基本でしょうに

浮ついていた原因は政治の行く末を考えすぎた
自分ではどうしようもないのに
去年の8月から始まっていたのだ
「きちんと自立した人を選挙で選ぶ」
これが基本

ここに落ち着いたら少しスッキリした

会計事務所からも「今期大赤字ですよ」のパンチ

わかった!

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金持ち喧嘩せず

2011年06月02日 09時57分25秒 | 日記
いよいよ菅さん絶体絶命
或る事情通との会話

「この菅さんの様な粘り腰をあのとき鳩山さんが持っていたらーー」
「いやー金持ち喧嘩せずですよ」
育ちがよく性格がいいと「みんな仲良し」「みんなで行こう」
という感覚で人生を送るという
「友愛ですか」

そういえばチャコちゃん先生の周りの金持ち達も
「みんなで一緒」みたいな感覚が強い
強く目立つことを望まない
時として優柔不断にも見える

きものを作るときも
「この前はk先生だったから今度はO先生でーー」
と平等に考えようとして居る人が多い
それはそれで素晴らしい
ご自分のお金がいい形で流れることを考えている

「それにしても菅さんはご自分がどういう状態かわからないのでしょうか」
「渦中にいるとなかなか自分の位置が見つからないんですよ」
「でもそのために側近などがいてご意見するんではないですか?」
「彼の場合人の意見に耳を傾けることはありませんね」
「人間完璧な人はいないのであらゆる方向からの見方も必要ですよね」
「彼の場合は自分の都合のよい話しか聞きません」
「そういう人をどうして国の長に選んだんですか?」
「其処が問題ですね」

最近は二世議員が多く生活に困るという幼少を送っていないので
政治家はみんな仲良しこよしでやればいいとおもっている
らしい

「そんな!政治家は国民の僕です!」
「そう そうなんですよね国民のために何をするかが抜けているんですよ」
「困りますね」

あのとき鳩山さんが国民のためにいいと思っていることをしているという
確固とした自信を持って突き進んでいたら
歴史に「たら」はないけど

何ゆえに今の総理はその権力にしがみついているのか
チャコちゃん先生サッパリわからん
この方も国民に向いていない

金持ち喧嘩せず
ということは日本にも言える
金銭の金ではなく心の金持ちは他国と喧嘩しないと思う
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衣替え

2011年06月01日 15時53分29秒 | 日記
多くの人は今日6月1日を衣替えという
暦の上ではそのようになっているが
これをきものに当てはめようとすると問題が多い
もともと衣替えは
明治5年に明治政府が太陽暦を導入したときから始まったもの

其れまでの日本は月を基本にした陰暦を使っていたので
自然の移り変わりが細かい衣替えと同時進行していた
しかも大胆に
寒いときは綿を入れ暖かくなるとその綿を抜いて袷に
更に単にということで
自然の移り変わりを見ながら自分のきるものを決めていたきらいがある

そのため
素材もさることながら
色や柄は自然からの季節感を取り入れることがお洒落でもあった

ところで
この6月1日の衣替えは
「制服」に関して決められたことで
其の条例にはきものは含まれていない

学生服、警官、軍隊、車掌、運転手、郵便配達、教員、電話交換手など
制服を着て通学、仕事をしている人たちに向けて
衣替えがあった
明治5年の太政官公布令だ

そこにきものを当てはめるのはすこし乱暴だと
チャコちゃん先生は常に思う

今年は例年に比べて五月が寒かったので袷を着る機会が多かった
しかし通常はもう立夏の5月5・6日あたりは袷では汗ばむ
今年もそういう日も確かにあった
5月・6月はもっと自由自在に気温や風の感じをどう肌が受けるかに
主眼を置いたほうがきものは美しく着られると思う

さて今日は寒い寒い衣替え
秋櫻舎では台所を仕切るのれんを麻に取替え
間仕切りも麻にした

其のうちカーテンも麻にしようともくろんでいる
何故なら
この夏も節電が叫ばれているので
のれんやカーテンを麻にし数時間おきに霧吹きで水をあて
自然に涼しくなるようにしようというわけ

窓も網戸にして水を吹きかけて涼を取ろうと思う

日本の夏は昔からこうだった
締め切ったりせず風をそよそよ泳がして涼しくする
窓辺には糸瓜や朝顔を植えて枝を張らせ日よけにする
朝顔は美しいし
糸瓜は化粧水にもなる

3・11以後こういう昔の人の暮らし方の知恵が逆に新しい

家具調度のしつらえも夏らしく
更に食器も塗りや陶器から
磁器やガラス物に変えるという知恵も思い出させる

町中がいっせいに家の中も衣替えすると
かなりの電力は節約できるのではないか知らん

ちなみに陰暦の今日は4月30日
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