千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

「DEATH NOTE」

2005-07-19 23:09:37 | Book
本当にL、いや竜崎はレムがデスノートに名前を記入されることによって亡くなったのか。

今最も漫画界で注目をあびている「DEATH NOTE」の7巻が発売中である。漫画界だけでなく、大学の授業でもとりあげられたり、新聞の批評で単行本の発売前に「竜崎死す」との情報をうっかり流し、”ネタばれ”という批判に評者の謝罪文まで載った記憶がある。この漫画はそのくらい話題の社会現象のひとつともいえる。それだけ様々なカルチャーの中で、今や百花繚乱状態の漫画の水準が底上げされているという証明かもしれないが。

詳細は流し読みした私よりも、マニアックに全貌を把握しているファンの方のブログにお任せしたいのだが、私が悩んでいる?のはデスノートを所有している恐ろしく頭脳がキレル主人公、夜神月(やがみライト)の宿命のライバルだと思っていた謎の人物、竜崎があっけなく退場したことだ。このふたりの丁々発止のやりとりは、往年の「巨人の星」星飛雄馬と花形満の対決を彷彿させる展開だった。
登場人物のキャラクターづくりがよく設定されていると感心するが、特に竜崎のキャラクターがかなり個性的で、しかも容姿・頭脳完璧なライトを照らす”ライト”のような役割の味のある役者ぶりだった。

惜しい・・・、実に惜しい。。。

本当は竜崎は死んでいないと私はにらんでいる。そうすると砂となったリュークなど、物語で矛盾が生じるかもしれないが、そんなに簡単にいなくなっては困る。もっともそのおかげでライトの自己中心的な考えは肥大化し、キラがすべての者に認められ、神になる理想の新世界が実現すると考えるようになり、物語は佳境に入ってきたわけだ。最初はずば抜けた頭脳の持ち主ではあるが、利己主義的で平凡な高校生だった夜神月の表情が怪物になっていく変化は、私のようなお姉さん読者をもひきつける。

この漫画を読んでいると、ドフトエスキーの「罪と罰」を思い出す。
ひとがひとを裁くことが、神に近い行為と戒めてもいる。

公式サイトはここで。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感 (ペトロニウス)
2005-07-20 00:57:46
>ドフトエスキーの「罪と罰」



同感です。
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同感していただけました? (樹衣子)
2005-07-20 23:39:37
この漫画を愛読してる大学生の男の子に、1巻を読んだ感想を伝えたら、そこまでの大きなテーマー性はない、緻密な推理と心理描写を描いているだけと言ってました。ただここまでよくできていて、おもしろい漫画がなかったから話題になっているとも。

これも世代、もしくは年齢の違いか、なんでも大げさに意味づけしたい私の嗜好性かわかりませんが。

やっぱり物語が進行するにつれ、「罪と罰」を考えちゃいます。
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微妙なところ (ペトロニウス)
2005-07-21 00:26:53
この作品のよさは、その大学生クンがいうとおり、個人が人類に対して罰を与えるという意識に対して、勧善懲悪的な裁断(原作者や読み手による裁き)が「ない」という極めてめずらしい点に、あります。



普通、そういった独裁者的・全能的な意識には、一般人の良識という観点から、批判的に物語が描かれます。駄作ではね。それが、価値判断なしに推理ゲームとして描かれてしまうところが、この作品のめずらしいポイントです。



勧善懲悪の良識によって裁かないという点は、実は、凄まじい価値判断なのです・・・・・これ、ほんとは、ブログで書こうと思って温めていたのですが(笑)



・・・・今日はここまでです(笑)。
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ノートのルールを把握するのも大変 (樹衣子)
2005-07-21 22:56:08
>勧善懲悪の良識によって裁かない

あっ!!しかりですね。そういう点が新感覚(私にとっては違和感)なのかもしれません。手塚治虫氏の「ブラック・ジャック」が、法外な報酬を請求する無資格医師という主人公をとおして、常に医療行為の倫理、医学とは、人間とは、という大きなテーマーを投げかけていたから、それゆえ人気をはくしていたのと全く違う次元の漫画なのかもしれません。

勧善懲悪→世の中そんなに単純ではないですし。悪い奴ほど○×・・・、そんな下界の現象を笑っている死神たちの顔がみえそうです。



>凄まじい価値判断なのです

大学人や評論家たちが喜んで話題にするわけですね。

充分な推理と練りこんだ寝技によるブログの掲載を待っています。
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