宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

クオリア その2

2016年02月24日 | こっくり亭日記

 

天気のいいときは、空は青く見える。何も考えなければ、それは当たり前に思える。でも、よく考えると、ちっとも当たり前ではない。それは、疑問の泥沼にハマって抜け出せなくほど不思議なことだったりする。

 太陽は、真っ暗な大宇宙の中で光り輝いている。太陽からは、われわれ地上の人類に光がさんさんと降り注がれている。なんとも、ありがたいことだ。

 でも、太陽の光にはもともと、とくに色がない。宇宙空間を通ってくるときの太陽光線は、無色透明な光。それが、地球の大気圏に入った途端に変わる。ここで、波長の長い光は、わりとスンナリ地球の空気を通り抜けて、地上の人類にまで届く。ところが、波長の短い光は、地球の空気の分子とアチコチぶつかりあって、散乱する。

 地上から人間が見上げると、天空で散乱する光が目に入ってくる。その光の情報が、神経を通って脳まで届く。そうすると、摩訶不思議にも、「青」という色が脳の中にパッと浮かぶのである。

 これを普通に考えるならば、「空が青いから、青く見えるんだろ?」ということになるんだけど、現実はそうでない。人間の脳は、波長が短い光を「青い」と感じ、波長が長い光を「赤い」と感じるようにできている。ただ、それだけの話。

 早い話が、地球の人間には、地球の空は「青く」見えるようになっているのである。人間に合わせて空の色が決まっているのか、それとも、空に合わせて人間の目ができているのか、それは分からないんだけど、とにかく、地球人類の目と脳は、地球の空が「青く」見えるようにできている。

 犬や猫は、人間ほど目が良くない。というより、正確には、脳の画像処理機能が人間ほど高度に発達していない。だから、たぶん、犬や猫には、この地球の物質世界が、人間ほどカラフルには見えてない。もっと、モノトーンに近い世界に見えていると思われる。それを思うと、ちょっとかわいそう。でも、その代り、耳と鼻は信じられないほど鋭い。

 鳥は、逆に目がいい。人間には見えない、紫外線も見える。人間にとって紫外線は、日焼けしたのを見て「ああ、紫外線がキツかったみたいだな」と分かるという程度で、目には見えない存在。でも、鳥には紫外線が見えるので、人間とは世界がかなり違って見えていることだろう。おそらく、鳥にとっては、紫外線が「青」に見えている。ほかの色は、ちょっとずつ「赤」のほうにシフトしてるんじゃないか? それはつまり、人間にとって「緑色」に見えるものが、鳥には「黄色」に見えているのかも・・・とか、そういうこと。

 ここで疑問の泥沼にハマる要素は、2つある。もっとも、そんな泥沼にハマるのは、ちょっと変わった人だけで、世間の一般人にはないかもしれないが・・・。

 ひとつは、「ボクの目には、地球の空は青く見える。でも、本当にそうなんだろうか? ボクには青く見えるだけで、本当は青くないんじゃないかな?」という疑問。

 もうひとつは、「ボクには、地球の空は青く見えている。でも、君にとっても同じなのかな?」という疑問。

 空の代わりに、よく使われる「リンゴ」のたとえでいくと、こういうことになる。

 1.ボクの目の前には、リンゴがある。ボクの脳内には、「赤くて丸いリンゴ」という像が見えている。でも、それは本当に、目の前にある本物のリンゴと同じものなんだろうか?

 2.ボクには、「赤くて丸いリンゴ」が見えている。君にも、きっと見えているはずだ。でも、ボクに見えているリンゴと、君に見えているリンゴは、本当に同じなんだろうか? 

 ・・・というような疑問が起きてくる。実際に、色盲の人には色がちょっと違って見えているんだから、ボクが見ているリンゴと、君が見ているリンゴが、微妙にズレていても全然おかしくない。

 ここでナゾなのは、その空の青とか、リンゴの赤とかが、あまりにもリアルで、鮮やかで生々しいこと。とても、錯覚とか幻覚とか、「脳内現象」には思えない。それはまさに、本物であり、真実としか思えない迫力を持っている。

 ここが、なんといっても「クオリア」の一番不思議なところだろう。

(つづく)