伊勢神宮を参拝する人が急増して、今年は延べ1300万人になりそうな勢いだそうな。
式年遷宮には、安倍首相も参列した。前回や前々回は首相が行けず、官房長官が参列していただけに、注目された。
こういうとき、かつての日本なら、「政教分離の原則に反する!」とか、「国家神道の復活だ!」という声がすぐに上がったものだけど、今回は、それがほとんど出なかった。朝日新聞には、ちょこっと出たみたい。でも、それくらいだったようだ。
これほど式年遷宮が注目されたこと自体、日本人の意識の変化だろう。
ようやく、神道の精神を取り戻しつつある日本・・・。
これが靖国神社だと、ブーブー文句を言い出す変な国が、約2カ国あるわけだけど(笑)、伊勢神宮なら、彼らの知らないことだから、文句も出ない。
日本は神の国だということを、今こそ思い出すときが来た。
とは言っても、別に国粋主義ではない。この日本には、中国・インド・ペルシャ・アラブ・ヨーロッパ・アメリカなど、地球のあらゆる地域から、思想や文化が流れ込んでいる。特に大きな影響を受けたのは、海をはさんで両側の隣にある、アメリカと中国だ。それが、日本の精神と固く結びついている。
先日、ミュージシャンの坂本龍一氏が、「日本の文化のほとんどは、中国・韓国から伝わってきたものだ。日本独自のものは、あまりない」と発言しているのを見て、あきれてしまった。小学校の社会の授業で教わったことを、いくつになっても信じ続けるのは素直で悪いことじゃないんだけど、いろんな意味で、それは間違っている。
たとえば、筆者は寿司が好きで、よく食べている。日本料理の代表格として、世界中の人々が真っ先に思い浮かべるのは、寿司だ。中国料理で言えば、北京ダックに相当する。
寿司は、まさしく日本ならではの発想でできている。酢飯に、魚の切り身を加工して乗せ、それを並べる。色とりどりで美しいので、欧米でもパーティー料理として人気がある。
これは別に、大陸の影響でもなんでもない。コメも魚も、地球には昔からある。別に、中国人が最初に食べ始めたわけではない。
寿司につけるワサビは、日本原産の植物で、まさしく日本特有の調味料だ。味噌と醤油も、日本には古くからある。もちろん、人間のやることは、どこでも似てるから、発酵食品の調味料はアジアの各地にある。そんな中で、味噌は、いつからあるのか分からないほど、古くから日本にある。醤油も、そこから作られるようになった。韓国人が味噌汁を飲むようになったのは、日韓併合してから後の話で、まだそんなに歳月がたっていない。
寿司を食べながら飲む日本酒も、日本ならではの味だ。日本人は、縄文時代からコメの酒を飲んでいる。
このように、「日本の文化というのは、大陸から伝来したものだ」というのは、漠然としたイメージでしかない。ひとつひとつを見ていけば、日本の文化は、どれも中国のそれとは大きく異なる。
こういうのは、筆者みたいに国立博物館や東洋美術館に足しげく通って、アジア各地の文化遺産や、遺跡から発掘された出土品を、広く深く観察してきたようなヒマ人だから言えることかもしれない(笑)。
でも、日本と中国の文化がどれほど違うかは、日々の生活の中でも、十分に実感できる。
そもそも、言葉が大きく異なる。日本人は、奈良時代から日本語で文章を書いている。中国からは漢字を取り入れただけで、言葉そのものは、ちっとも似ていない。
その点、ハングル文字の韓国語を勉強した人は、「発音を除けば、日本語ととてもよく似ている」ということにビックリする。でも、それは大昔から似ていたわけではない。韓国語が、これほど日本語と似たものになったのは、日本統治時代に近代化が進んで、言葉がすっかり変わってしまったおかげ。それまでは、実はそんなに似てなかった。
韓国人がよく言う、「古代の韓国人は、中国の先進的な文化を日本に伝えたのだ」というのも、事実にはホド遠い。日本人は、もともと大昔から、船に乗って盛んに大陸と行き来していた。韓国など、ただの通り道。それも、中国に向かう海の通り道で、途中に立ち寄る港として便利だったにすぎない。むしろ逆に、新羅の統一王朝の時代には、韓国人にジャマされるので、日本の遣唐使船が半島をわざわざ大きく迂回するハメになったくらいだ。
それはともかく、日本人が「中国に発祥した文化」と思っているものには、実は、もっと西から来たものが少なくない。仏像彫刻をとってみても、仏教はインドの宗教だし、彫刻はギリシャの美術だし、仏像彫刻はガンダーラの宗教美術だ。
宮廷や神社などで演奏される雅楽も、元はと言えば、シルクロードを通ってペルシャから渡ってきた音楽だ。それが、日本だけでなく、韓国やベトナムでも演奏されてきた。
その上、日本は、5百年かけてヨーロッパから思想と文化を取り入れてきた。江戸時代にも、西洋との交流はずっと続いてた。近くて遠い国の中国よりも、よほど付き合いが深かった。その影響は、完全に日本に溶け込んでいる。テンプラも、日本料理の代表格。
しかも、ペリーが来航して以来、アメリカの影響を受けて、日本はすっかり変わった。アメリカからの文化的な影響は、中国のそれと比べて、勝るとも劣らない。日本は、人種的には東アジアの国だけど、文化的には、どちらかと言えば欧米の文明圏の一員だ。
・・・というわけで、日本の文化というのは、縄文時代からの日本文明をコアにして、東洋文明と西洋文明が、混ざり合ってデキている。
でも、そんな中で、確実に柱となるものがある。それこそが、神社であり、神道だ。そして、全国の神社にいる神職の人々、さらには、その頂点にあって世界最古の歴史を誇る天皇だろう。
フランスの国王だって、10世紀の終わりころにユーグ・カペーが即位して以来、何回か本家が断絶して分家が後を継いだけど、ずっとユーグ・カペーの子孫が代々のフランス国王になってきた。その前には、家系が異なるとはいうものの、何百年にも及ぶフランク王国の歴史があった。でも、その歴史は、度重なる革命によって絶たれてしまった。それに比べて、日本の天皇はまだ続いている。
またまた話が脱線してきたけど、要するに、日本古来の伝統的な精神を、改めて思い出す。それと同時に、この日本には、世界中のすぐれた文化が流れ込んでいることを意識する。
地球の思想や文化を学ぶのに、この日本ほど適したところは、まず他にはないだろう。ここにいれば、実に効率よく、世界の思想を学んで身につけることができる。そのために、この日本に生まれた人も少なくないはずだ。
筆者にとっては、地球の意識進化も大事だけど、まずは、地球の思想や文化をせっせと情報収集して持ち帰る「情報端末」としての役割が重要なのだ(笑)。
そのために最適な地は、日本の他に考えられない。ここにいれば、東洋と西洋のすぐれた思想を、ほぼすべて吸収できる。もちろん、日本にいても情報に多少の偏りはあるけど、他のどの地域と比べても、ずっと幅が広い。
まったく、この点に関しては、「(この地に)生かしていただいて、ありがとうございます」という気持ちだ・・・。
式年遷宮には、安倍首相も参列した。前回や前々回は首相が行けず、官房長官が参列していただけに、注目された。
こういうとき、かつての日本なら、「政教分離の原則に反する!」とか、「国家神道の復活だ!」という声がすぐに上がったものだけど、今回は、それがほとんど出なかった。朝日新聞には、ちょこっと出たみたい。でも、それくらいだったようだ。
これほど式年遷宮が注目されたこと自体、日本人の意識の変化だろう。
ようやく、神道の精神を取り戻しつつある日本・・・。
これが靖国神社だと、ブーブー文句を言い出す変な国が、約2カ国あるわけだけど(笑)、伊勢神宮なら、彼らの知らないことだから、文句も出ない。
日本は神の国だということを、今こそ思い出すときが来た。
とは言っても、別に国粋主義ではない。この日本には、中国・インド・ペルシャ・アラブ・ヨーロッパ・アメリカなど、地球のあらゆる地域から、思想や文化が流れ込んでいる。特に大きな影響を受けたのは、海をはさんで両側の隣にある、アメリカと中国だ。それが、日本の精神と固く結びついている。
先日、ミュージシャンの坂本龍一氏が、「日本の文化のほとんどは、中国・韓国から伝わってきたものだ。日本独自のものは、あまりない」と発言しているのを見て、あきれてしまった。小学校の社会の授業で教わったことを、いくつになっても信じ続けるのは素直で悪いことじゃないんだけど、いろんな意味で、それは間違っている。
たとえば、筆者は寿司が好きで、よく食べている。日本料理の代表格として、世界中の人々が真っ先に思い浮かべるのは、寿司だ。中国料理で言えば、北京ダックに相当する。
寿司は、まさしく日本ならではの発想でできている。酢飯に、魚の切り身を加工して乗せ、それを並べる。色とりどりで美しいので、欧米でもパーティー料理として人気がある。
これは別に、大陸の影響でもなんでもない。コメも魚も、地球には昔からある。別に、中国人が最初に食べ始めたわけではない。
寿司につけるワサビは、日本原産の植物で、まさしく日本特有の調味料だ。味噌と醤油も、日本には古くからある。もちろん、人間のやることは、どこでも似てるから、発酵食品の調味料はアジアの各地にある。そんな中で、味噌は、いつからあるのか分からないほど、古くから日本にある。醤油も、そこから作られるようになった。韓国人が味噌汁を飲むようになったのは、日韓併合してから後の話で、まだそんなに歳月がたっていない。
寿司を食べながら飲む日本酒も、日本ならではの味だ。日本人は、縄文時代からコメの酒を飲んでいる。
このように、「日本の文化というのは、大陸から伝来したものだ」というのは、漠然としたイメージでしかない。ひとつひとつを見ていけば、日本の文化は、どれも中国のそれとは大きく異なる。
こういうのは、筆者みたいに国立博物館や東洋美術館に足しげく通って、アジア各地の文化遺産や、遺跡から発掘された出土品を、広く深く観察してきたようなヒマ人だから言えることかもしれない(笑)。
でも、日本と中国の文化がどれほど違うかは、日々の生活の中でも、十分に実感できる。
そもそも、言葉が大きく異なる。日本人は、奈良時代から日本語で文章を書いている。中国からは漢字を取り入れただけで、言葉そのものは、ちっとも似ていない。
その点、ハングル文字の韓国語を勉強した人は、「発音を除けば、日本語ととてもよく似ている」ということにビックリする。でも、それは大昔から似ていたわけではない。韓国語が、これほど日本語と似たものになったのは、日本統治時代に近代化が進んで、言葉がすっかり変わってしまったおかげ。それまでは、実はそんなに似てなかった。
韓国人がよく言う、「古代の韓国人は、中国の先進的な文化を日本に伝えたのだ」というのも、事実にはホド遠い。日本人は、もともと大昔から、船に乗って盛んに大陸と行き来していた。韓国など、ただの通り道。それも、中国に向かう海の通り道で、途中に立ち寄る港として便利だったにすぎない。むしろ逆に、新羅の統一王朝の時代には、韓国人にジャマされるので、日本の遣唐使船が半島をわざわざ大きく迂回するハメになったくらいだ。
それはともかく、日本人が「中国に発祥した文化」と思っているものには、実は、もっと西から来たものが少なくない。仏像彫刻をとってみても、仏教はインドの宗教だし、彫刻はギリシャの美術だし、仏像彫刻はガンダーラの宗教美術だ。
宮廷や神社などで演奏される雅楽も、元はと言えば、シルクロードを通ってペルシャから渡ってきた音楽だ。それが、日本だけでなく、韓国やベトナムでも演奏されてきた。
その上、日本は、5百年かけてヨーロッパから思想と文化を取り入れてきた。江戸時代にも、西洋との交流はずっと続いてた。近くて遠い国の中国よりも、よほど付き合いが深かった。その影響は、完全に日本に溶け込んでいる。テンプラも、日本料理の代表格。
しかも、ペリーが来航して以来、アメリカの影響を受けて、日本はすっかり変わった。アメリカからの文化的な影響は、中国のそれと比べて、勝るとも劣らない。日本は、人種的には東アジアの国だけど、文化的には、どちらかと言えば欧米の文明圏の一員だ。
・・・というわけで、日本の文化というのは、縄文時代からの日本文明をコアにして、東洋文明と西洋文明が、混ざり合ってデキている。
でも、そんな中で、確実に柱となるものがある。それこそが、神社であり、神道だ。そして、全国の神社にいる神職の人々、さらには、その頂点にあって世界最古の歴史を誇る天皇だろう。
フランスの国王だって、10世紀の終わりころにユーグ・カペーが即位して以来、何回か本家が断絶して分家が後を継いだけど、ずっとユーグ・カペーの子孫が代々のフランス国王になってきた。その前には、家系が異なるとはいうものの、何百年にも及ぶフランク王国の歴史があった。でも、その歴史は、度重なる革命によって絶たれてしまった。それに比べて、日本の天皇はまだ続いている。
またまた話が脱線してきたけど、要するに、日本古来の伝統的な精神を、改めて思い出す。それと同時に、この日本には、世界中のすぐれた文化が流れ込んでいることを意識する。
地球の思想や文化を学ぶのに、この日本ほど適したところは、まず他にはないだろう。ここにいれば、実に効率よく、世界の思想を学んで身につけることができる。そのために、この日本に生まれた人も少なくないはずだ。
筆者にとっては、地球の意識進化も大事だけど、まずは、地球の思想や文化をせっせと情報収集して持ち帰る「情報端末」としての役割が重要なのだ(笑)。
そのために最適な地は、日本の他に考えられない。ここにいれば、東洋と西洋のすぐれた思想を、ほぼすべて吸収できる。もちろん、日本にいても情報に多少の偏りはあるけど、他のどの地域と比べても、ずっと幅が広い。
まったく、この点に関しては、「(この地に)生かしていただいて、ありがとうございます」という気持ちだ・・・。