宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

歴史の終わり

2011年09月14日 | こっくり亭日記
 
政治や軍事の問題というのは、いつまでたっても真の解決が得られないように見えるものなのだが、実際のところ、そんなことはない。

最も良い例は、ドイツとフランスの関係だろう。

中世のフランク王国が分裂して以来、ドイツとフランスは千年の対立を続けてきた。最初の決定的な対決とされるのは、1214年の、ドイツの皇帝と、イギリスのジョン王の連合軍が、フランスのフィリップ尊厳王と戦い、フランスが歴史的な勝利をおさめた・・・という事件。敗戦で権威が失墜したジョン王が、翌年にはマグナカルタ(大憲章)に署名させられたことは、イギリスの議会政治の出発点として中学校の教科書にも載っている。ついでに、ドイツの皇帝も失脚した。「王冠は敗戦を生き延びられない」という格言の通り。

近現代に入って、ドイツとフランスの争いは激化し、世界を巻き込む大戦を何度も引き起こすようになった。

19世紀の初め、ヨーロッパ全土を席巻したナポレオンのフランス軍は、ドイツをも蹂躙した。進駐するナポレオンを見て、ヘーゲルが「馬上の世界精神」と呼んだ話は有名だ。19世紀の後半には、今度は鉄血宰相ビスマルクが、フランスに攻め込んだ。敗れたフランスの皇帝ナポレオン三世は退位し、代わりにドイツの皇帝がベルサイユ宮殿で戴冠した。
 
20世紀には第一次大戦が起きた。これは、「ヨーロッパ文明の崩壊」とされる大戦争。ドイツはフランスを占領したが、最終的には敗れて、過酷な講和条件を飲まされた。今度はドイツの皇帝が退位した。フランスへの莫大な賠償金を背負って、超インフレに苦しんだドイツ。そこに登場したのが、ナチスのヒトラーだ。ヒトラーは第二次大戦を起こし、またしてもフランスを占領。フランスの将軍たちは、「講和条件が過酷なのは、覚悟してるでしょうな」と言われてしまった。でも、最終的には、やはりドイツが敗れた。
 
そんなこんなで、中世から近代にかけて、勝ったり負けたりの戦いを延々と繰り返してきたドイツとフランス。

そんな宿敵の2国が、20世紀の後半には、ヨーロッパ統合の主軸となってきた。いまや、この2国間に再び戦争が起きることなど、ちょっと想像しにくい。

20世紀は、まさしく戦争の世紀だった。第二次世界大戦の枢軸となり、大暴れした日本とドイツ。この2国がすっかり平和国家と化した後、今度はソビエト連邦が半世紀におよぶ冷戦を世界中で展開した。

いまや、そのソビエト連邦も崩壊して久しい。今のロシア連邦もちょっと怪しいけど、かつてのソ連ほど危険な国家ではなくなった。

危険な国家とはつまり、むやみに軍備を増強して周囲の国々に脅威をまき散らし、暴走を止められなくなっているヤバイ国のことだ。今の東アジアにも、まさしくそういう国々があることはご存知の通り。

でも、そんな国々の脅威も、いつまでも続くわけではないということは、上記のような歴史上の事例を見れば、察しがつくというものだ。中国も北朝鮮も、国内情勢は崩壊寸前で、いつまでも強硬路線を続けられそうにない。もう、熟した柿が落ちるのを待つ、というくらいの構えでいいんじゃないか。

真の平和を実現するためには、こういう危険国家が潰れて、普通の国に変身するのが一番だ。それが唯一の、最終的な解決と言っていい。

もっとも、こうした危険国家は、一つが潰れても、また別のところが台頭してくる。一見、キリがないように見える。でも、そうではない。というのも、今の世界を見渡せば、そろそろ危険国家のネタも尽きてきているからだ。
 
今の世界を見渡して、このような「危険国家」といえば、大国では、なんといっても中国だ。でも、その中国を除けば、しいて言えば北朝鮮とイランくらいしか残っていない。かつて、日本やドイツ、ロシアといった、世界の大国が大暴れしていた頃と比べて、なんと小粒になったことか。つまり、もう危険国家のネタは尽きてきている。
    
中国と北朝鮮が潰れて、普通の国になってくれさえすれば、東アジアに真の平和がもたらされる。在日米軍も、必要なくなるのは明らかだ。いつでもアメリカ本国に帰ってくださいな、ということになるだろう。もちろん、日本が軍備を増強する必要はなくなる。

国際情勢ばかりは、相手のあることなので、自国の意思だけではどうにもならない。でも、脅威はいつまでも続くものではない。真の平和は、すぐそこまで来ている。

今までの地球の歴史は、まさしく戦争と革命の連続だった。先日、朝日新聞の投書欄に、「世界史の教科書を読んで、人類の歴史の悲惨さにゾッとして暗くなりました」という高校生の投書が載っていた。高校の世界史くらいでゾッとするのなら、もっと深く突っ込んでいけば、さらに憂鬱になるのは確実だ。地球人類の歴史は、単にいつも殺し合ってるだけなら、まだ分からないでもないのだが、多くの場合、殺しかたが凄惨で強烈だ。歴史ドラマは、マトモに描写したらホラー映画のスプラッターもの以上に残虐シーンの連続になってしまう。地球の歴史は、精神衛生には、どうも良くない。

でも、戦争と革命が連続する地球の歴史は、あえて悲惨さに目をつぶりさえすれば、血わき肉踊るエキサイティングなストーリーでもある。三国志や、戦国時代の歴史ドラマ、ベルサイユのバラその他に人気があるのは、単純におもしろいからだ。戦争や革命は、当事者として参加すれば狂気の沙汰なのだが、後の世から振り返る分には、ストーリーとして実におもしろいのである。それに比べて、平和な時代の話が、なんと退屈なことか。

でも、今までの歴史の流れを見る限り、そういう血わき肉踊る歴史も、いよいよ終わりが近いのではないかと思う。

今後もしばらく、小さな紛争はアチコチで起き続けそうだが、地球規模の対立みたいなのは、そろそろ終わりそうだ。あとは、すっかり平和になった世界で、かつての地球の過激な歴史が、妖怪変化のストーリーとなって語り継がれていくはずだ・・・。