それにしても、九月の金融界は、信じがたい事態になってしまった。
先月のベアー・スターンズ救済に続いて、名門のリーマン・ブラザーズが破綻。目立たなかったけど、ついでにメリル・リンチも救済された。
「次はモルガン・スタンンレーが標的になる」という噂が流れ、実際に株価が急落し、取り付け騒ぎが起きた。
ゴールドマン・サックスも、実は結構ヤバかった・・・。こちらは、ウォーレン・バフェットが出資。
終わってみれば、アメリカが誇る五大投資銀行のうち、上位2つ(ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー)は、普通銀行に転換することに。
下位の3社(メリル・リンチ、リーマン・ブラザーズ、ベアー・スターンズ)は消えた。
これにより、投資銀行という業界そのものが消滅。ニューヨークやロンドンでさんざん暴れまわった、投資銀行の時代が幕を下ろした・・・。
さらには、「世界中が潰れてもココだけは残る」とさえ言われ、微動だにしなかったはずの巨大保険会社・AIGがまさかの経営危機。
Xデーの朝には、倒産を申請するため、弁護士事務所と契約を交わしたという。テレビのニュースでは、「AIGはあと何時間もつか」と言われ、秒読み態勢に入った。
そこに、9兆円の公的資金による救済が報じられ、AIGはかろうじて破綻を免れた・・・。
銀行も危ない。全米で数千店舗を展開する、巨大なワシントン相互銀行が破綻した。
銀行業界4位のワコビアは、5位の西海岸・ウェルズファーゴに救済合併されることに決まった。
「2008年9月における金融界の変化は、過去十年間の変化を合わせたよりも大きい」と言われる。
まさに、地殻変動。
いよいよ、地球規模の大変革期が到来か??