UFOの目撃談の中で一番多いのは、自衛隊とか米軍の飛行機を見まちがえたものだと言われている。アメリカ軍が、くさび型のステルス戦闘機を開発して以来、「くさび型のUFOを見たという目撃情報が増えている」という話もある。近年、中国でUFOの目撃情報が急増しているのは、中国政府が急速に空軍を増強していることと無関係ではないだろう。
でも、だからといって、すべてがそうだと決め付けるわけにはいかない。というのも、他ならぬ自衛隊員や、米軍の軍人によるUFOの目撃情報も多いからだ。こういう人たちは、専門的な知識がある上に、高度な視力訓練も受けているから、簡単に見まちがえるはずがない。軍人ほどじゃないけど、民間の飛行機のパイロットも、もちろんそうだ。
さらに、「宇宙飛行士」という職業の人たちも、少数だが確実にいることを忘れてはいけない。
宇宙飛行士の発言の中で一番有名なのは、やっぱり、エドガー・ミッチェルだろう。この人は、1971年にアポロ14号に乗って月まで到達し、月面を歩いた人。月面から青い地球を見てスピリチュアルな意識に目覚め、地球に帰ってきてからスピ系の活動を始めたことで知られる。立花隆の「宇宙からの帰還」という本のおかげで、日本でも有名になった。
そんなミッチェルは、月から帰ってきて40年近くが過ぎた2008年に、イギリスのラジオで有名な「爆弾発言」をした。並木伸一郎氏の「完全版・世界のUFO現象」という本によると、その発言内容はこうだった。
>私はたまたま知る機会に恵まれていたのだが、地球には異星人が訪れているし、UFO現象は本当のことなんだ。・・・政府は60年以上も、そのことを隠してきた。だが情報は漏れつつあり、われわれ宇宙飛行士の何人かは、その説明も受けている。・・・私たち人類は、宇宙でひとりぼっちではない。
ミッチェルによると、彼のほかにも数人の宇宙飛行士が、宇宙に飛び立つに先立ち、「異星人は地球に来ている」という事実だけを簡単に説明されたという。これはやっぱり、宇宙空間で、宇宙人とバッタリ出くわしたときのための「心の準備」ってことなのか。くわしいことまでは、教えてくれないんだそうな。
ただし、情報の出どころはNASAではなく、「ペンタゴンの高官であり、名前は明かせない」らしい。それが本当なら、やはり航空宇宙関係者ではなく、軍事関係者が情報を持っているということになる。ただし、大統領でさえ本当のことを知らないらしい。ミッチェルいわく、
>アメリカ合衆国は回収したエイリアンの遺体を研究してきたが、その事実はケネディ大統領以後、大統領には説明報告していない。
・・・という話だ。昔のカーター大統領が、「私が大統領になったら、政府のUFO情報を公開します」と、おおっぴらに発言していたにもかかわらず、実際に大統領に就任しても何も出てこなかったことが、以前から気になっていた。でも、この話が本当だとすると、カーター大統領にも最高機密は明かされていなかったということになる。
ミッチェル氏は、ニューメキシコ州ロズウェルの出身だ。ロズウェルといえば、ロズウェル事件。数あるUFO関連の事件簿の中でも、こんなに有名なものは他にないだろう。あまりにも有名すぎるので、いまさらブログに書くべきかどうか迷うほど(笑)。こんなミッチェル氏がロズウェル出身なのは、何かの縁なのだろうか。もちろん、彼自身、ロズウェル事件に大きな関心があり、強い影響を受けたことを認めている。
宇宙飛行士のUFO証言の中で、それと並んで有名なのは、オルドリン証言だろう。1969年、初めて月に到達したアポロ11号には、3人の宇宙飛行士が乗っていた。ニール・アームストロング船長は、「これは、私にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」という名言を吐いた人。そのとき、アームストロング船長に続いて月面に2人目の足跡を記したのが、このエドウィン・“バズ”・オルドリン。
オルドリンとミッチェルに共通するのは、フリーメーソンのメンバーだということだ。これは、別に隠すようなことじゃないし、NASAの関係者ももちろん知ってた公然の事実。特にオルドリンは、ミッション中にフリーメーソン指輪を見せ付けて記念写真を撮るほど、露骨に熱心だった。月面でも、「聖餐式」というメーソンの儀式を行って、NASAの関係者からヒンシュクを買ったと言われている。それとUFO発言との間に関係があるのかどうかは、本人以外の誰にも分からない。
それはともかく、アポロ11号には、月面に降りた2人と、もう1人の人が乗っていた。3人とも、宇宙船に平行して飛ぶ、不可思議な「円筒形の物体」を見たという。
バズ・オルドリンは、ミッチェル発言に先立つ2005年に、「サイエンス・チャンネル」という番組で、その物体について証言した。上記の本によると、
>「観察できるくらい、すぐ近くに、それはあったんだ。それ以外ありえない」。・・・バズ・オルドリンは、アポロ11号のフライト中に、同乗者とともに宇宙船に覆いかぶさるほどのUFOを目撃していたことを暴露した。
>オルドリンは、「おい、ヒューストン。われわれに平行して何かが飛んでいるぞ。ありゃ、いったい何なんだ?」とうっかり声に出しそうになったという。だが、瞬時にとどまった。地球では、あらゆる人間がその交信に耳を傾けていたのだし、理由が何であれ、心配をかけるのは良くないと考えたからだった。
オルドリンによれば、NASAはその事実を知っていて、隠しちゃったらしい。ところが、この発言をしていた2年後に、なぜかオルドリンは前言を撤回した。
>ところが、2007年のインタビューでは、「99.9パーセント、あれは宇宙船の分離パネルだった」と、前言を撤回した。
要するに、単なる分離パネルを、「宇宙船に覆いかぶさってくるほどの巨大なUFO」と見まちがえました・・・というわけだ。当然のことながら、この発言を額面どおりに受け取らず、「何者かに撤回させられたのだ」と見る人も少なくない。
この人の分からないところは、さらにその2年後、今度は「火星の衛星フォボスには、人口構造物が実在する」という暴露発言を行っていること。どっちが本当なのか、読めない謎の人物だ・・・。
でも、この2人にも大先輩がいる。これまた有名な、「オリジナル・セブン」と呼ばれるアメリカ史上初の宇宙飛行士7人の中の1人で、サンダーバードに出てくるゴードン・トレーシーのモデルとされる陽気なパイロット、ゴードン・クーパー少佐だ。
クーパー少佐は、UFOに関して、数々の証言を行っている(
証言内容・・・英文)。
ゴードン・クーパーは、宇宙船に乗って、地球の周囲を何十回も回るという記録に挑んでいた。あるとき、オーストラリアのパース上空を通りかかったとき、正体不明の雑音が、無線に飛び込んできた。地球上のドコにもない言葉だったが、それは明らかに「言語」だったそうな。雑音はしばらくして止まったが、それから、彼は「赤い尾をひく、緑色の物体を見た」という。
このような体験を重ねたクーパー少佐は、1976年のインタビューで、有名な発言を行った。UFOマニアにとっては、まさに「ネ申」とも言うべき発言だろう。これが、その後のUFO研究にもたらした影響は計り知れない。いわく、
>他の惑星から知的生命体が、われわれ人類と接触しようとして、定期的に地球を訪れている。宇宙を航行している間にも、私は多くの宇宙船に遭遇した。
>NASAとアメリカ政府はこのことを知っており、膨大な証拠を持っている。にもかかわらず、一般大衆に知らせまいと沈黙している。