☆ カウンセリングケースから
昨日のカウンセリングケースは、34歳の男性の最終回だった。
彼は一流企業の営業マンだが、能力もあるが競争心が強くそのため業績が
ダントツになり、心ならずも地方から転勤し、もっとも激戦区の東京で重要
な地位につかされ、その過酷な仕事のためうつ状態になッた人だ。
彼自身は出世願望はほとんどなく、ホンネは自分のペースで働きたいの
だがそうはいかない。周りはギンギンのそんなタイプばかりで、そのため
親しい仲間もいないし、愚痴を言う相手もいないのが辛いそうだ。
上司に期待され毎日ムチ打って働く自分、「でも絶対負けたくない」と
思っている。そのため精神科で治療し薬を飲みながらがんばっているが
無論こんなことは絶対に秘密だ。さんざん悩み相談に来たが、学生時代
からの私の著書の愛読者で、悩んだときにはいつも読んでいたらしい。
原因は明確である。わたしは「会社と命とどちらが大事なの?」と、くり返し
話したが、やはり自分に負けたくないこと、またプライドや競争心で自分を駆り
立てるタイプだった。我が息子とオーバーラップして、わたし自身の経験など
も交えかなり熱を入れたが、わたしにはホンネで話し大変素直だが、実は
かなりかたくなで、最終のテストでは劇的な変化はなかった。
ときどきわたしが、彼の性格や価値観などあまりにも鋭く指摘するので
「ホントおっしゃるとおりです。確かにそうですね」と、かなり自分自身を
理解はできたようだ。
☆ 仕事と命とどちらが大切ですか?
まだ若いので体力や気力があるけれど、薬を飲みながら命をすり減らして
働く彼のような人が多いことは事実だ。これも企業にはたらくビジネスマン
の運命かも知れない。「自分が良く分かりました。これからもう少しがん
ばってみて、それで駄目ならあきらめます。有難うございました。」と帰って
いったが、彼の神経がどこまで持続だろうかと、わたしは考えてしまった。
もしもあなたが同じような立場なら、どうしますか?
自分の気持ちに正直に生きることは、ビジネスマンにとって至難のわざなの
だろうが、でも命をすり減らしても働くのが普遍的なのだろうか?
でもたとえどんなにがんばっても、大きな機械の一つの歯車でしかないと
理解していても、多分彼は倒れるまで働くのだろう。
命と仕事と一体どちらが大切なのだろう?そんな意味ではまったく
保障はないが、自営業は精神的には大変楽だが、「寄らば大樹の陰」これが
一般常識の範疇であることに間違いはないが。
なんだかやりきれない気持ちを、わたしはしばらく持て余した。
能里子
昨日のカウンセリングケースは、34歳の男性の最終回だった。
彼は一流企業の営業マンだが、能力もあるが競争心が強くそのため業績が
ダントツになり、心ならずも地方から転勤し、もっとも激戦区の東京で重要
な地位につかされ、その過酷な仕事のためうつ状態になッた人だ。
彼自身は出世願望はほとんどなく、ホンネは自分のペースで働きたいの
だがそうはいかない。周りはギンギンのそんなタイプばかりで、そのため
親しい仲間もいないし、愚痴を言う相手もいないのが辛いそうだ。
上司に期待され毎日ムチ打って働く自分、「でも絶対負けたくない」と
思っている。そのため精神科で治療し薬を飲みながらがんばっているが
無論こんなことは絶対に秘密だ。さんざん悩み相談に来たが、学生時代
からの私の著書の愛読者で、悩んだときにはいつも読んでいたらしい。
原因は明確である。わたしは「会社と命とどちらが大事なの?」と、くり返し
話したが、やはり自分に負けたくないこと、またプライドや競争心で自分を駆り
立てるタイプだった。我が息子とオーバーラップして、わたし自身の経験など
も交えかなり熱を入れたが、わたしにはホンネで話し大変素直だが、実は
かなりかたくなで、最終のテストでは劇的な変化はなかった。
ときどきわたしが、彼の性格や価値観などあまりにも鋭く指摘するので
「ホントおっしゃるとおりです。確かにそうですね」と、かなり自分自身を
理解はできたようだ。
☆ 仕事と命とどちらが大切ですか?
まだ若いので体力や気力があるけれど、薬を飲みながら命をすり減らして
働く彼のような人が多いことは事実だ。これも企業にはたらくビジネスマン
の運命かも知れない。「自分が良く分かりました。これからもう少しがん
ばってみて、それで駄目ならあきらめます。有難うございました。」と帰って
いったが、彼の神経がどこまで持続だろうかと、わたしは考えてしまった。
もしもあなたが同じような立場なら、どうしますか?
自分の気持ちに正直に生きることは、ビジネスマンにとって至難のわざなの
だろうが、でも命をすり減らしても働くのが普遍的なのだろうか?
でもたとえどんなにがんばっても、大きな機械の一つの歯車でしかないと
理解していても、多分彼は倒れるまで働くのだろう。
命と仕事と一体どちらが大切なのだろう?そんな意味ではまったく
保障はないが、自営業は精神的には大変楽だが、「寄らば大樹の陰」これが
一般常識の範疇であることに間違いはないが。
なんだかやりきれない気持ちを、わたしはしばらく持て余した。
能里子