miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.540 「ハムレット」

2017年04月13日 23時06分28秒 | 過去の観劇記録
2017年4月8日(土) ソワレ 東京芸術劇場 1階 G列 カミテブロック

ハムレット/フォーティンブラス=内野聖陽、オフィーリア/オズリック=貫地谷しほり、ホレイショー=北村有起哉、レアティーズ/役者ほか=加藤和樹、ローゼンクランツ/バナードー/役者ほか=山口馬木也、ギルデンスターン/マーセラス/役者たち=今拓哉、ポローニアス/墓堀りの相棒=壤晴彦、墓堀り/役者たち/コーネリアス/隊長ほか=村井國夫、ガートルードほか=浅野ゆう子、クローディアス/亡霊=國村隼。ほか。
作=ウィリアム・シェイクスピア、翻訳=松岡和子、上演台本=ジョン・ケアード/今井麻緒子、演出=ジョン・ケアード、音楽・演奏=藤原道山。

プレビュー公演2日目観劇。

張り出し、かつスゴい八百屋舞台。シモテ手前が低く、カミテ奥にかけて高くなっている、二重の八百屋だった。
舞台上シモテ側にも客席が設置されている。カミテ側には尺八をライブで音付けしてくれている藤原道山さんの席と、階段状になったキャストのウエイティングエリアがあった。

セットほぼナシ。和風のような、でも洋も感じる衣装(宮本宣子)。
音楽が尺八…?と始まる前は少し不安だったが、杞憂に終わった!

ホレイショーの記憶の泉から湧き出た、といった風情でスタート。
井出茂太さん振り付けの動きもマッチしてて面白かった。劇中でのハムレットとオフィーリアの、ふとしたリンク具合とか、オフィーリアが狂気に陥ってしまった時に、舞台上をぐるぐる回る神経質な動きとか。

また各キャスト複数の役を演じるのだが(ホレイショーの有起哉さん除く)、各役の割り振りも見事!
特にロゼギルを演じる山口馬木也さんと、今拓也さん。最初 見張りの兵隊からロゼギル、殺されちゃうと役者や伝令として。最後は「ローゼンクランツどギルデンスターンは死にました」と伝える役…ってオイオイw さっきまで当人だったやないかーい!とツッコミつつ(笑)

あと國村隼さん演じる先王ハムレット(亡霊)と、その弟であるクローディアス。亡霊の時はまるで能を彷彿とさせるような動き。亡霊としての出番が終わり舞台奥に移動すると、衣装を脱ぎカツラを外し王冠をかぶせてもらう。あっという間に(?)クローディアスのできあがり、である。
蜷川ハムレットの時も平幹二朗さんが先王とクローディアスの2役を演じられたが、ジョン・ケアード版の演出だと、より兄弟の血の繋がりを感じられて目から鱗が落ちた気分。

まさかねー。内野さんが48歳でハムレットの役を演じてくれるなんて夢にも思わなかったけど(^_^;)
ジョンさんキャスティングしてくれて有り難う!
まだまだ大丈夫。いえいえ、全然大丈夫!心の目も実際の目でも王子に見えるぜ!
しかも熟成肉のような味わいのある(比喩が変か?)ハムレットでした。
今まで見た事ある、どのハムレットより『人間的』な気がした。
独白が多いんだよね、ハムレット。つねにブツブツ言ってるんだよ。「おまえは誰に向かって話してるんだい?」ってw
ちょっと「え?」と思ったのは、だいたい『尼寺へ行け!』と翻訳されるのだが、今回のは『尼僧院へ行け!』。に、にそういん???
それと例の有名なセリフ『to be, or not~』。最近ぢゃ『生きるべきか、死ぬべきか』なんて~のが耳なじみしていたが『あるか、あらざるか、それが問題だ』になっていた。
そうなるとハムレット自身が「生きる」べきか「死ぬ」べきか、という個人的な感情から、もっともっと人間その他イキモノとして、または木や草なんかでもそうだけど、「存在する意味」という高みにまで行ってるのか?
内野さんはハムレットの他にフォーティンブラスも演じたんだけど、衣装と兜(なんとなくジブリ風?)つけるの。
ハムレット亡くなった後に遺志を継いでデンマークの統治者になるのだが、若干マイク不調でした。

オフィーリアの貫地谷しほりちゃん。内野さんと並ぶと どうしても「風林火山」的なw
恋人ラブラブ感が余り描かれないのがこの戯曲なんだよ~。もうハムレット悩んでからのスタートだからねぇ。
しほりオフィーリア、案外しっかりしてますよw
狂気シーンでチビっと歌あり。兄レアティーズに溺愛されとるね!
ホレイショー有起哉さん(あ、メタマク!)。飄々としたホレイショー。有起哉さんが演じるから軽やかで素敵。
八女姉さん ご贔屓な加藤和樹マン。トンボ切ったり リュート演奏したり、白塗りしたり立ち回りしたり、何でもやるマン!
頑張っておりました。歌もほんの少し。うん。だがこのメンツの中だと まだまだ若いなw
ラストの決闘シーンで死に際、シモテで白目剥いてますがな… そういう役が良く似合う(^_^;)
壤晴彦さん、ポローニアスはまぁ解るけど、まさかの墓堀り相棒!村井パパと墓掘ってるという凄い贅沢な使い方です。
村井さんも沢山の役を演じられるけど、やはり劇中劇の王でしょ!なんとなくベガーズ・オペラ思い出すよね~
浅野ゆう子さんてば、昔内野さんと夫婦役だったのよorz(ドラマ「昨日の敵は今日の友」)まさかの親子役!
ちゃんと親子に見えるよぉぉ~。あと、衣装が素敵。着物風だけどドレス風。良くお似合いでした。
寝室でハムレットと対峙するシーンは、もうすこしエロス成分欲しかった気もするが(笑)
ラストで、その衣装を脱ぐとガートルードとオフィーリアが一緒だった。これって二人がイコールということか。または いわゆる「弱きもの、その名は女」。
國村隼さんのクローディアス。一応兄殺しを反省したいんだよね。懺悔しようとしてたんだからねぇ。

國村さん・壤さん・村井さんのオヂさんズの存在感、声の良さとか、他も観る所が多く目が忙しくて仕方なかった。

ラストでホレイショー以外は衣装を脱ぎ捨てて舞台奥に去っていくんだけど、ガートルード&オフィーリア、クローディアス&ハムレット、なの。この組み合わせもイイな、と思った。
最後に記憶の泉の中に戻っていく、かつて生きていた人々。ホレイショーの頭ぽんぽんして去るハムレットに萌ぇましたw