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No.486 「マクベス」

2015年07月19日 22時43分35秒 | 過去の観劇記録
2015年7月19日(日) ソワレ パルコ劇場 E列 カミテブロック

佐々木蔵之介、大西多摩恵、由利昌也。
作=W.シェイクスピア、日本版演出=アンドリュー・ゴールドバーグ、翻訳=松岡和子、演出補=谷賢一。

蔵之介さんの一人マクベス。だけど他に2人出演者が(数シーンのみだけど)50過ぎくらいの女性医師と、若い男性の助手。この2人は、最初のうちは医師と助手として、ほとんど聞こえないくらいのセリフしか喋らないが、だんだんとマクベスの世界と同調してきて、夫人が狂気に陥いるシーンでは女性は医師として、または助手の方は伝令係等として意味を持つ。

セットはどこかの病室。カミテに階段、洗面台、風呂。奥の壁上部に監視用の窓(ここから医師・助手が時々覗く)。シモテには簡素なベッド。舞台に一番近いベッドが蔵之介さん演じる患者のベッドだ。
男はどうしてこの病院に連れてこられたのか。検体用に口の中の粘液や爪の中の物まで取られて、服は着替えさせられる。
医師と助手が去ろうとする時に彼の中でマクベスが始まる。「いつまた逢おう三人で」
病室の上部に付けられた3台の監視カメラとモニターが3人の魔女を表していて、なかなか興味深い。
しかしマクベスを全く知らない人は理解が難しかったのではないだろうか。登場人物は蔵之介さんがほとんど演じるし、切り替えは早く役も「今誰か」は解るけど、それはモトを知っているからこそ。
松岡和子版だけあって、ついついメタルマクベスが頭に浮かんで仕方なかった(笑)やはりあの作品は良く出来ている。

とにかく書いておかないと、の夫人のシーン。入浴シーンなのだよ。今年は俳優のハダカが多いのかね~。蔵之介さんも全裸(もちろん見えないように、ですが)あり。夫人の役が一番良かったように思う。
バンクオーはリンゴかなんかいつもいじってるし、王は妙に明るい老人だし、王の息子マルカムは登場(と言っていいのか)シーン、バカ息子っぽいw(でも人形なの)
マグダフは毛布を肩から掛けているので、住み分けは可能なのだ。

モニターに時々、舞台上にはいない人物が映って(もちろん加工された映像だとはわかっているのだが)妙に怖くなる。
それとマクベスと夫人がどんどん狂気に陥っていくにつれて、男の狂気も進んでいく。

彼は結局最後どうなったのだろう。どうもセリフからして無限ループのようだけど。
セリフの量もそうだけど、大変な舞台に脱帽の100分ちょいでした。