miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

渋谷に出没

2011年04月02日 23時51分51秒 | その他いろいろ

↑渋谷駅の壁面に、「JIN」の巨大ポスターですw

スペイン坂あたりにも、普通サイズのポスターですが、沢山貼られてました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、久々に都内へ出てきました。
お店や自販機、さらに駅の照明なんかは随分少ない感じですが、それでもまだ明るいし、駅前の大型ビジョンも映してるところもある。
山手線の車両の照明が一部区間で消えたのにはちょっとびっくり。ま、たしかに節電ですけど。
駅のエスカレーターやエレベーターも軒並み使えなくなっていました。元気な人は良いですけど、お年寄りや子供連れ、またはお身体が不自由な方もいるでしょう。何でもかんでも消しゃいいってモンでもないような。

いちおう無事に帰ってこられて良かったです。
劇場で地震が来たときは、ほんと過呼吸になるんじゃないかと思うほど心臓がドキドキ。
いろいろな考えが一度に出てきます。

カーテンコールで拍手が出来る有り難さ。

今日はJRで行ったので、いつもは避けて通るスクランブル交差点も通らないと。
JINの巨大ポスターが見られたのは良かったが、あいかわらずの人大杉(^_^;)

No.340 「国民の映画」

2011年04月02日 22時53分45秒 | 過去の観劇記録
2011年4月2日 マチネ PARCO劇場 M列 11番

ヨゼフ。ゲッベルス=小日向文世、ハインリヒ・ヒムラー=段田安則、ヘルマン・ゲーリング=白井晃、マグダ・ゲッベルス=石田ゆり子、ツァラ・レアンダー=シルビア・グラブ、レニ・リーフェンシュタール=新妻聖子、エーリヒ・ケストナー=今井朋彦、フリッツ=小林隆、グスタフ・フレーリヒ=平岳大、エルザ・フェーゼンマイヤー=吉田羊、グスタフ・グリュンドゲンス=小林勝也、エミール・ヤニングス=風間杜夫。
作・演出=三谷幸喜。

1941年秋、ベルリンの夜。
パウル・ヨゼフ・ゲッベルスは、ベルリン郊外にある別荘に映画関係者を集めて、ホームパーティを開こうとしていた。
ゲッベルスは、ヒトラー内閣がプロパガンダのために作った宣伝省の初代宣伝大臣。
彼には、映画、音楽、絵画、演劇、ラジオ、新聞など、すべての芸術とメディアを監視、検閲する権利を与えられている。
第三帝国の宣伝者として辣腕を振るう彼は、無類の映画好きでもあった。愛する作品は『風と共に去りぬ』。
すべての芸術とメディアを掌握するゲッベルスは、当時のドイツ映画界における紛れもない「神」。
映画人のとっては、彼に気に入られることが映画を作り続けるための絶対条件なのだった。
権力と結託して作品を量産する俗物映画監督。ナチスの庇護を受ける伝説の名優。ナチスに祭り上げられた若き女性監督。
国民からの人気を武器に毅然と立ち向かう劇作家。そしてゲッベルスのご機嫌取りだけに命を賭ける俳優たち。
パーティに集まった面々に向かって、ゲッベルスは彼らを集めた本当の理由を話し始める。
彼は最高のスタッフとキャストを使って、自分が理想とする映画を作ろうと考えていたのだ。
アメリカ人が作った『風と共に去りぬ』を超える映画を。
全ドイツ国民がホコリに思う「国民の映画」を。
発表に驚き、「国民の映画」に関わることを熱望する映画人たち。
しかしその陰で、止めようのない歴史の歯車が、静かに回ろうとしていた――。
(あらすじはプログラムより)

なんかいつもより広く感じたパルコの舞台。
センターに大きな階段。暖炉には暖かな火。カミテ奥とシモテ端にはイスとテーブル。
豪華なゲッベルス大臣の別荘である。

三谷幸喜生誕50周年スペシャル「三谷幸喜大感謝祭」の第二弾です(第一弾は「ろくでなし啄木」でした)。
どーも2月からドイツ(というかナチス)を引き摺っております。
プログラムを読んでいたら、2月の「わが友ヒットラー」の、レーム事件にはヒムラーが関係してるんですねぇ。

映画を愛してやまない大臣の、ちょっと暴走気味な考えを実現にやろうとする。それが出来ちゃう怖さ。
権力に媚びても映画を作り続けようとする作り手側の思惑。
悲しい歴史の陰。まるで人間の扱いではないユダヤ人への迫害。それはカイガラムシでも処理するように、いとも簡単に行われようとしていた。
裏でその事が動いていたと知り、それまで何とかして「国民の映画(ヴィルヘルム・テル=ウイリアム・テル)」に出たい、関わりたいと願っていた映画人達が次々と去っていく。

小日向さんは暴走する大臣。片足が不自由で、それがハンデになってる。ヒトラーの為に…なんだか、自分の為になんだか良く解らないが、映画に対しては深い愛情を注ぐ一方、女性関係も奔放。
段田さんは招かれざる客の親衛隊隊長。映画には興味無かったハズなのに、あれあれ、そんな理由で譲歩しちゃうんですかw
白井さんの肉襦袢にはビックリ!誰かと思ったよ~(それにしても暑いだろうなぁ)歌も披露ですよ。KYなんだかイイ人なんだか…
石田さんは、ちょっと思い込みの激しいゲッベルス夫人役。
シルビア・グラブさんの歌すてき~♪ あの余計な一言、言わなきゃ良かったのに~
新妻さんは自分の才能と美貌に高慢な若き女性監督役。おお、新妻ちゃんの歌声も聴けるなんて。
今井さんは、国民的作家だったのにナチスに目をつけられ、作品を発表することも出来ず、凹んでいる作家。だが裏では出生の秘密も握られ、逃げるに逃げられない身でもあった。
小林隆さんの、抑えた演技が切ない(泣) ゲッベルス家の使用人。ありとあらゆる用事をソツなくこなし、主人・奥様の秘密もわきまえ、映画にめっぽう詳しい。だが彼はユダヤ人。先にあるのは収容所、そして死。
平岳大さん、あんなに背が大きかったんですね。二枚目俳優役…ふふ。うぬぼれ具合も良く似合う。
吉田羊さんは初見の女優さんですが、ゲッベルスに気に入られる新進女優で、なおかつ新しい愛人。取り乱し方はベタな展開。
小林勝也さんは往年の名俳優役。板についてます。「ファウスト」のメフィストフェレス役をちょっと披露してくれるのですけど、むむ、ちゃんと観たい気が…。
風間杜夫さんはゲッベルスの古くからの知人であり、昔から持ちつ持たれつな間柄。だが人間的に許せないことにまでは付いていかない。

誰もいなくなった別荘で、映画を見ようにも映写機の使い方すら解らないゲッベルス。
いとまを貰った(というか、もうユダヤ人と解ってしまったので、身の振り方の選択肢は一つしか無くなってしまったのだが)フリッツが戻ってきて静かに映写機を回し始める。
と… 劇場が静かに揺れ、地震を感じた客席が ざわめく。
舞台上は何一つ動じず、淡々と進行していった。
心臓バクバクしながら観たので、何だかラストが気もそぞろになってしまったorz

客席には木場勝己さん・生瀬勝久さん・阿川佐和子さん・岩松了さん(たぶん)を お見かけしました。