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観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

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No.206 「ヴェニスの商人」

2007年09月15日 23時01分18秒 | 過去の観劇記録
2007年9月15日(土) マチネ 天王洲銀河劇場 1階 K列 16番

シャイロック=市村正親、バサーニオ=藤原竜也、ポーシャ=寺島しのぶ、ジェシカ=京野ことみ、ネリッサ=佐藤仁美、ヴェニスの公爵=団時朗、アントーニオ=西岡徳馬、他。
原作=W.シェイクスピア、演出=グレゴリー・ドーラン、翻訳=河合祥一郎、美術=マイケル・ヴェイル、他。

舞台は、貿易都市として栄えた16世紀末のヴェニス。アントーニオ(西岡徳馬)は、この街で貿易商を営む裕福な紳士。 ある日、彼の元に、年下の親友バサーニオ(藤原竜也)が借金の申し込みにやって来ます。 ベルモントに住む才色兼備の令嬢ポーシャ(寺島しのぶ)にプロポーズをするために。 が、あいにく全財産が海を渡る船の上にあったアントーニオは、自らが保証人となり、バサーニオにユダヤ人の高利貸しシャイロック(市村正親)を紹介します。 そんなふたりにシャイロックが出した条件は、「もしも3カ月の期限までに借金が返せなかったら、アントーニオの肉1ポンドをもらう」というもの。常軌を逸した申し出にアントーニオはたじろぎますが、期限内に船が帰還すると信じる彼は、この条件を承諾。 おかげで、金を手にベルモントへ旅立ったバサーニオは、難しい結婚の条件をクリアしてポーシャと結ばれます。そんなとき、アントーニオの輸入品を積んだ船が難破。借金返済の目処が立たなくなった彼と、約束どおり1ポンドの肉を要求するシャイロックの闘いは、法廷の場に持ち込まれることに……。
(あらすじは銀河劇場HPより)

カーニバルっぽい道化や、生演奏で開演前よりの演出。

シャイロックの出番ってこんなに少なかったのですね…。プログラムによると5場面程度だとか。
ユダヤ人であること、高利貸しであること、で結構えげつない差別がある。ツバを吐かれたり、足蹴にされたり。娘は駆け落ちするわ、アントーニオに貸した3000ダカットは帰ってこないわ、もちろん肉1ポンドも取れないし(有名な“肉は取ってもいいが、血を一滴も流してはならん!”)、財産も没収され、さらにはキリスト教に改宗させられたり、まさしく踏んだり蹴ったり。
市村さんらしい、時々ポチっと挟むアドリブ有り。ユダヤ人ということで、若干「屋根ヴァイ」のテヴィエを思い出した。
藤原くん、イギリス留学で一回り成長…は余り感じられなかったが(^_^;)、イキオイのある若者バサーニオを好演。ポーシャに求婚しに来る黒人男や、スペインの老いぼれ騎士の役も演じた。2幕後半、ポーシャの罠にまんまとハマって大事な指輪を法律家(実はポーシャ)に渡してしまい、彼女に散々いぢられる。ほんと、いつの時代もオンナは一歩先を行く!
寺島さん、とても美しく、セリフの聞き取り具合も抜群である。お嬢様らしい気品と、恐い者知らずな所が良い。法律家として男装をし、夫=バサーニオの前に登場。この裁判シーンもなかなか!
京野さんはシャイロックの娘、ジェシカ役。バサーニオの友人ロレンゾー(横田栄司)と駆け落ちする。街の皆から疎まれていた父の元から去れることを とても喜んでいたけど、終盤、その父がキリスト教に改宗し、さらには死後の遺産を2人に残すという書き付けを読んだ時、複雑な表情をしていた。憎んではいても父のことは気に病んでいたのだろう。
ネリッサはポーシャの侍女。2人してキャピキャピ(死語?)である。バサーニオと共に来たグラシアーノ(小林正寛)と電撃結婚!
バサーニオ&ポーシャ、グラシアーノ&ネリッサ、ロレンゾー&ジェシカの3組のカップルの恋模様も描かれる。
西岡さん、この人のセリフも良い。素晴らしい適役だと思う。
若い友人バサーニオの為に、そこまで…と思うが、まぁ男色?の関係だったかも知れないとのことなので(爆)。確かにポーシャが2人の関係にヤキモチを焼く気持ちも分かるなぁ。

休憩挟んで3時間。ながい。