【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

五木さんの案内で京都のお寺を廻る

2010-02-22 01:29:00 | 科学論/哲学/思想/宗教
五木寛之『百寺巡礼[京都Ⅰ]』講談社、2008年
               
                      



 五木寛之さんの「百寺巡礼」シリーズの一冊です。実際にでかけたお寺でないと感興がわかないと思い、京都編を手にとってみました。

 10のお寺がとりあげられていますが行ったことがないのは「浄瑠璃寺」と「真如堂」のみ。あとの「金閣寺」「銀閣寺」「神護寺」「東寺」「東本願寺」「西本願寺」「南禅寺」「清水寺」は歴訪しました。

 著者の次の感慨に共感がもてました。それは、京都という街の不思議な魅力。歴史が古いだけでなく、日本列島でもっとも新しいものに貪欲な都市ということ(p.4)。何箇所かにこの指摘があります。

 また、学んだことが多かったです。金閣寺は足利義満の私邸である(もともとは寺でない)北山第のなかの舎利殿ということ。また義政がつくった銀閣寺も山荘であり、観音堂であるということ(観音の「観」は智慧をあらわし、「音」は世間の響きのこと)。

 神護寺に関わっては、最澄と空海との関係、東寺ではその威容とこのお寺の位置づけ、空海との関係、立体曼陀羅の世界、本願寺に関連しては西と東とで秀吉と家康との相克、南禅寺は南朝の発端となった亀山法皇が離宮であった禅林寺殿を禅寺に改めたことに由来するということ、そして隣接する金地院に東照宮が祀られている理由、宗派にこだわらずお参りできる懐深い清水寺といった具合です。

 なかに応仁の乱のことが語られていたり、日本史の復習にもなりました。

 そして、浄土真宗が一神教であありながら他の八百万の神も認めていること、ただひたすら念仏せよという法然の考え方(易行念仏)など宗教のことを知ることができたのも収穫です。


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