【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

県民性研究の面白さ

2009-08-26 00:11:24 | 地理/風土/気象/文化
素朴な疑問探究会編『県民性のおもしろ大疑問』河出書房新社、2001年

            

 現在、仕事で各県の自治体をまわっているので、県民性に興味をもっています。数冊読みましたが、これも分かりやすい本です。

 この本を読むと画一化しつつある日本社会でも、地方色は色濃く残っていて、県民性も健在であるようです。その県民性を決定づける要因はこの本によれば、気候、食べ物、歴史、地域性(海か山か)などです。

 明治の廃藩置県でもともと別の藩、地域的枠組みであったのが同一の県にまとめられたためにできあがった県民性もあるようです。この例は、福島県の県民性が3つにわかれているのは何故?、兵庫県人はなぜ県人会をつくらないのか? 長野県はなぜ長野というより信州というのを好むか?など。もともと文化も風土も異なる地域だったのが一緒にさせられたので顕在化してしまった兆候のようです。

 沖縄の人は長電話をしない、名古屋に喫茶店はいまなお多い、栃木県にはカラオケ店が多い、鹿児島県は花代にお金をかけるのはなぜ、山口県に大物政治家を輩出しているのはどうして、秋田県人の醤油の消費量が多いのはどうして、富山県の人の昆布消費量が多い理由は、島根県で赤い羽根がなぜ大人気なの、払わない人も多いNHK受信料を長野県人はまじめに払うのか、北海道の結婚式はなぜ会費制なの、高知県人と高松の人はどうして仲がよくないのか、北海道で梅干しがとぶように売れるのはどうして・・・。
 ありとあらゆる(のように思える)県民性に関する疑問をあげ、それを懇切丁寧に解説しています。

 ちなみに、わたしが比較的よく知っている北海道、東京都、埼玉県についての分析では、的外れなのものはなかったので、本書の分析の信頼性は大丈夫とみました。

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