お箸で はしわたし⑤ つながって役立つ
今ハイテク社会ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)という個人と個人をつなぐ「新しい社会」がネット上で出現したという。一方大昔からの「箸」。いろいろな新しい「つながり」をつくり出し、社会の役に立ち始めた。
私、今70歳。幸いにして幸福な人生を歩んできた。そろそろ「病気になって死にそうになっても、幸福であり続けるためには?」と考えるようになった。
最近『ゼロからはじめる幸福論』(文芸春秋)を読んだ。超一流の人たちや100歳を過ぎた人たちそれぞれに、幸福論の考えがある。私の幸福論は、「幸福とは過去のつながりに気付き、未来へのつながりを創ってゆくこと」である。
祖父と祖母のつながりから、母や父が生まれ、母と父のつながりで、私が生まれた。結婚し、子どもが生まれ、未来へのつながりを創っていく。生物として生まれた喜びである。不思議さとともに過去のつながりに感謝する想いがわいてきた。
人は社会人になると血縁だけでなく、職場やボランティア、地域社会とのつながりもできる。
人はつながりができれば、その中で役立ちたいと思うことを考える。そこから創造が生まれる。
国際箸学会では、「箸づくり教室」や「箸ピー」以外に、箸を整理できる「箸アルバム」や「手長箸」を開発した。
「箸アルバム」は、「創った箸」「もらった箸」「購入した箸」など、日付とコメントを書き、きれいに整理できる。見るだけでなく、箸の使いやすさを試したり、永久保存でき次世代にも残せる。
また「手長箸」は高いところや、手の届かない狭いところなどにある物が簡単に取れる箸だ。
これは100円ショップで購入した菜箸に、滑り止めテープを巻いたものだが、試行錯誤しながら作ってみてはいろいろな物をつかんで楽しんでいる。
100人のうち一人でも使って喜んでくれればという思いで作った「手長箸」。体の不自由な人がこの手長箸で、落ちた物を拾うことができたというエピソードも。こんなとき「創造の喜び」を感じる。
我々は2006年にさいたま市立芝原小学校の先生に、子どもたちとつながりたいからと「出前授業」をお願いした。
先生たちは子どもたちが楽しめるように箸のゲームを提案された。当日は「おはじき、お米、ビー玉、殻付きピーナツ」だったが、後でピーナツに決まり「箸りんぴっく」を創造することができた。オリンピックは足から始まったゲームだと思うが、「箸りんぴっく」は手から始まったゲームである。
箸ピーの世界大会が私の夢である。これが実れば「達成の喜び」が味わえる。
これからも新しいつながりをつくり出し、「出合の喜び」「創造の喜び」「達成の喜び」を味わいながら、国際箸学会を盛り上げ、社会に貢献できたらと思う。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月29日付掲載
「箸アルバム」なんて、まるで「箸オタク」って感じがしますが・・・。
そういう僕も、料理店や喫茶店、旅館などの「割りばしのふくろ」をクリアブックに記録付きでファイリングしていますので人のことは言えないと思います。
「手長箸」は確かにあると便利でしょうね。排水管に落ちた容器のキャップを拾えるような箸も欲しいですね!
今ハイテク社会ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)という個人と個人をつなぐ「新しい社会」がネット上で出現したという。一方大昔からの「箸」。いろいろな新しい「つながり」をつくり出し、社会の役に立ち始めた。
私、今70歳。幸いにして幸福な人生を歩んできた。そろそろ「病気になって死にそうになっても、幸福であり続けるためには?」と考えるようになった。
最近『ゼロからはじめる幸福論』(文芸春秋)を読んだ。超一流の人たちや100歳を過ぎた人たちそれぞれに、幸福論の考えがある。私の幸福論は、「幸福とは過去のつながりに気付き、未来へのつながりを創ってゆくこと」である。
祖父と祖母のつながりから、母や父が生まれ、母と父のつながりで、私が生まれた。結婚し、子どもが生まれ、未来へのつながりを創っていく。生物として生まれた喜びである。不思議さとともに過去のつながりに感謝する想いがわいてきた。
人は社会人になると血縁だけでなく、職場やボランティア、地域社会とのつながりもできる。
人はつながりができれば、その中で役立ちたいと思うことを考える。そこから創造が生まれる。
国際箸学会では、「箸づくり教室」や「箸ピー」以外に、箸を整理できる「箸アルバム」や「手長箸」を開発した。
「箸アルバム」は、「創った箸」「もらった箸」「購入した箸」など、日付とコメントを書き、きれいに整理できる。見るだけでなく、箸の使いやすさを試したり、永久保存でき次世代にも残せる。
また「手長箸」は高いところや、手の届かない狭いところなどにある物が簡単に取れる箸だ。
これは100円ショップで購入した菜箸に、滑り止めテープを巻いたものだが、試行錯誤しながら作ってみてはいろいろな物をつかんで楽しんでいる。
100人のうち一人でも使って喜んでくれればという思いで作った「手長箸」。体の不自由な人がこの手長箸で、落ちた物を拾うことができたというエピソードも。こんなとき「創造の喜び」を感じる。
我々は2006年にさいたま市立芝原小学校の先生に、子どもたちとつながりたいからと「出前授業」をお願いした。
先生たちは子どもたちが楽しめるように箸のゲームを提案された。当日は「おはじき、お米、ビー玉、殻付きピーナツ」だったが、後でピーナツに決まり「箸りんぴっく」を創造することができた。オリンピックは足から始まったゲームだと思うが、「箸りんぴっく」は手から始まったゲームである。
箸ピーの世界大会が私の夢である。これが実れば「達成の喜び」が味わえる。
これからも新しいつながりをつくり出し、「出合の喜び」「創造の喜び」「達成の喜び」を味わいながら、国際箸学会を盛り上げ、社会に貢献できたらと思う。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月29日付掲載
「箸アルバム」なんて、まるで「箸オタク」って感じがしますが・・・。
そういう僕も、料理店や喫茶店、旅館などの「割りばしのふくろ」をクリアブックに記録付きでファイリングしていますので人のことは言えないと思います。
「手長箸」は確かにあると便利でしょうね。排水管に落ちた容器のキャップを拾えるような箸も欲しいですね!