きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

お箸で はしわたし⑤ つながって役立つ

2010-11-11 21:49:18 | 赤旗記事特集
お箸で はしわたし⑤ つながって役立つ

 今ハイテク社会ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)という個人と個人をつなぐ「新しい社会」がネット上で出現したという。一方大昔からの「箸」。いろいろな新しい「つながり」をつくり出し、社会の役に立ち始めた。
 私、今70歳。幸いにして幸福な人生を歩んできた。そろそろ「病気になって死にそうになっても、幸福であり続けるためには?」と考えるようになった。
 最近『ゼロからはじめる幸福論』(文芸春秋)を読んだ。超一流の人たちや100歳を過ぎた人たちそれぞれに、幸福論の考えがある。私の幸福論は、「幸福とは過去のつながりに気付き、未来へのつながりを創ってゆくこと」である。
 祖父と祖母のつながりから、母や父が生まれ、母と父のつながりで、私が生まれた。結婚し、子どもが生まれ、未来へのつながりを創っていく。生物として生まれた喜びである。不思議さとともに過去のつながりに感謝する想いがわいてきた。
 人は社会人になると血縁だけでなく、職場やボランティア、地域社会とのつながりもできる。
 人はつながりができれば、その中で役立ちたいと思うことを考える。そこから創造が生まれる。




 国際箸学会では、「箸づくり教室」や「箸ピー」以外に、箸を整理できる「箸アルバム」や「手長箸」を開発した。
 「箸アルバム」は、「創った箸」「もらった箸」「購入した箸」など、日付とコメントを書き、きれいに整理できる。見るだけでなく、箸の使いやすさを試したり、永久保存でき次世代にも残せる。




 また「手長箸」は高いところや、手の届かない狭いところなどにある物が簡単に取れる箸だ。
これは100円ショップで購入した菜箸に、滑り止めテープを巻いたものだが、試行錯誤しながら作ってみてはいろいろな物をつかんで楽しんでいる。
 100人のうち一人でも使って喜んでくれればという思いで作った「手長箸」。体の不自由な人がこの手長箸で、落ちた物を拾うことができたというエピソードも。こんなとき「創造の喜び」を感じる。



 我々は2006年にさいたま市立芝原小学校の先生に、子どもたちとつながりたいからと「出前授業」をお願いした。
 先生たちは子どもたちが楽しめるように箸のゲームを提案された。当日は「おはじき、お米、ビー玉、殻付きピーナツ」だったが、後でピーナツに決まり「箸りんぴっく」を創造することができた。オリンピックは足から始まったゲームだと思うが、「箸りんぴっく」は手から始まったゲームである。
 箸ピーの世界大会が私の夢である。これが実れば「達成の喜び」が味わえる。
 これからも新しいつながりをつくり出し、「出合の喜び」「創造の喜び」「達成の喜び」を味わいながら、国際箸学会を盛り上げ、社会に貢献できたらと思う。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月29日付掲載


「箸アルバム」なんて、まるで「箸オタク」って感じがしますが・・・。
そういう僕も、料理店や喫茶店、旅館などの「割りばしのふくろ」をクリアブックに記録付きでファイリングしていますので人のことは言えないと思います。

「手長箸」は確かにあると便利でしょうね。排水管に落ちた容器のキャップを拾えるような箸も欲しいですね!
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お箸で はしわたし④ 世界の人をつなぐ

2010-11-11 21:18:12 | 赤旗記事特集
お箸で はしわたし④ 世界の人をつなぐ

 国際箸学会は、“出合の喜び、創造の喜び、達成の喜び”を味わいながら、箸文化を学び、新しい箸文化を創り、箸を通じて世界中の人と共に喜ぶ会である。
 会では箸ピーゲーム活動や箸づくり教室以外に、異業種の一流の方々から箸との関係について語ってもらう講演会も行っている。
 1回目は、脳外科の世界的権威である亀田総合病院脳神経外科の田中美千裕氏が登場。「脳外科と箸文化」というテーマで、ピンセットや医療器具も、箸の原理と同じで、箸が使えないと脳外科の手術ができない話をしてくださった。また、高度で繊細な技術を要求される脳外科医の現場を通し、医療と箸の関係を語ってもらった。脳外科と箸に驚くような関係があると感動した。



箸を持った時、最も美しく見え、使いやすい長さは「一咫半(ひとあたはん)」といわれています。「一咫」とは親指と人差し指を直角に広げ、その先を結んだ長さのことです


 また、ホンダの自動車をデザインしていた岩倉信弥氏には「カーデザインと箸」という演目で講演していただいた。本田宗一郎氏と藤沢武夫氏を箸の動きで例えたり、箸とカーデザインの不思議な関係について話していただいた。その後、岩倉氏には箸ピーの箱のデザインをしてもらったり、アドバイスをいただいたりと、交流を続けている。



 私は長年「鳥のくちばしは箸と類似して面白い」と思い、くちばしをヒントに新しい箸の開発ができないか考えていた。そこで昨年は、鳥類学で権威のある東京大学大学院農学生命科学研究科教授の樋口広芳氏に「くちばしと箸」と題してご講演いただいた。
 「鳥類の個々の種のくちばしは、採食習性に応じてさまざまであり、いかに適しているか」という内容をスライドを交えながら、国内外のいろいろな鳥のくちばしの形状と機能についてお話ししていただいた。




 さらに来月11月21日には、子どもたちの海外留学の支援に携わってきた浅井宏純氏に講演していただく予定だ。浅井氏は会社の代表を退いてまで、「日本の子どもたちに世界の現状を知ってほしい」と約1年に渡りアフリカヘ。その旅での冒険話を語っていただく。
 上記で紹介した方のほかにも設立からの4年間で講演会を年2回(計8回)開催した。「江戸しぐさの研究家」「漆職人」「料理人」など、多様な分野の方々に来ていただいた。そして箸ひとすじの「兵左衛門の浦谷会長」は、オバマアメリカ大統領とのつながりを語った。



 私は異文化・異業種の人たちとの出合いにより「箸は世界中の人をつなげる道具」であることに気付いた。業務用特殊広角ミラーの製造・販売が仕事の私だが、箸はこの本業ともつながると感じている。(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月22日付掲載


異文化・異業種との間にも、東洋の食文化の重要な部分である箸がかかわっていることは意外な事実ですね!
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お箸で はしわたし③ 削って塗って作る

2010-11-09 22:37:44 | 赤旗記事特集
お箸で はしわたし③ 削って塗って作る

 国際箸学会は、「箸文化を学び、新しい箸文化を創り、箸を通じて世界中の人と共に喜ぶ」会で、“出合の喜び、創造の喜び、達成の喜び”を味わえる。
 この活動の一環として「箸づくり教室」がある。これは、1時間から1時間半で老若男女、誰でもどこででもできる。




 子どもたちだけでなく、おとなも箸を目の前にするとどのようなデザインにしようか真剣に考え、箸づくりに夢中になる1時間である。また、参加のたびにデザインセンスが向上してゆき、次の意欲がわく。「箸づくり教室」は木をナイフで削る「削りの部」と、好きな色を塗って思い思いのデザインができる「彩色の部」がある。
 「削りの部」は、木をひたすらナイフで削り、粗いヤスリから細かいヤスリで磨き、箸の形を作っていく。木には香りや逆目があり、モノづくりの基本や楽しさを味わうことができる。
 また「彩色の部」は、ある程度の形のできあがった箸にポスカ(耐水性に優れたカラーペン)で彩色やデザインをしたり、自分の好きな言葉をかいたりする。終わったら、専門の箸屋さんに送り、透明の保護塗料を塗ってもらい2カ月後に完成。






 世界で1つしかない箸を手にしたときの喜びは、ひとしおである。
 マイ箸として、あるいは誰かのプレゼントとして作る箸は、愛着がわく。また、箸づくり後、簡単な自己紹介など、どんな目的でデザインしたかのエピソードを聞くのもおもしろい。
 参加した人の中には、来客用の箸やお正月用など季節に合わせて使う箸を考えたり、最愛の夫に先立たれ、沈んでいるおばあちゃんを元気づけたくて「おばあちゃん大好き」とメッセージを入れ、手づくりの贈り物をした人がいたり…。
 また、娘と孫と親子3代で参加した人は、ひいおじいちゃんの分を作り、親子4代にわたって作った箸で家族の絆づくりにつながっている。
 箸は世界に誇れる文化。“たかが箸”ではなく、我々日本人の生活の一部として重要な役割があるということを次世代の子どもたちに伝えるため、この箸づくり教室は続けていきたい。(金曜掲載)



「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月15日付掲載

思い思いに削って、好きな色で塗って作る箸は思い入れがあるでしょうね(*^^)v
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お箸で はしわたし② 箸ピーゲーム誕生

2010-11-08 23:29:41 | 赤旗記事特集
お箸で はしわたし② 箸ピーゲーム誕生

 国際箸学会は「箸文化を学び、新しい箸文化をつくり、箸を通じて世界中の人と共に喜ぶ」ことを目的とする会として、2006年11月に発足した。その時、世界中の人に箸に対して興味を持ってもらう新しいPR方法はないだろうか?と考えた。そこで、みんなで楽しめるゲームを考え、生まれたのが「箸ピーゲーム」だ。

 昔は箸の機能である「挟む」「移動する」「引きちぎる」「引き裂く」で、何かゲーム(競技)ができないか、考え続けていた。
 簡単なようでも「どんなものを」「どんな箸や方法で」「どのくらいの時間で」を考えるのは意外と大変だった。




 箸ピーは「殻付きピーナツを箸で1分間に何個移動できるか?」という単純なゲームである。1人でも、数人でも、集団でも、だれとでも、どこでもできる。これは国際箸学会が06年11月の出前授業で、小学校4年生に箸の正しい持ち方や食文化を教え、箸のゲームを楽しんだ時から始まった。
 当時は「殻付きピーナツ、おはじき、ビー玉、米」の4種類の小道具でやっていた。やってみると米は難しすぎて、しかも箸の形状によってはさみやすさが違いすぎる。そんなことから次の出前授業からは殻付きピーナツだけになった。
 また当初はネーミングがばらばらで困っていたが、ネーミングのプロたちが集まり、ブレーンストーミング(自由な雰囲気の会合)の結果、「箸ピー」(ピーにはピース、つまりPeace「平和」とPiece「片」の意味がこめられている)と名付けられた。これなら短くて、だれでも一度で覚えることができる。



 国際箸学会はこの「箸ピー」をこれまでに職場、行事、イベント、学校そしてイヌイット族の住む北極に近い極寒の地等、あらゆるところで行ってきた。
 場所を選ばず、年齢に関係なく、教育目的からスナックの余興まで、さまざまな機会でいろいろな人が楽しめることがわかった。また、たった1分間ですぐにデータがとれる面白さもある。1人だけでも「酒前酒後」「就寝前起床後」、「○○前○○後」また「本番と練習」等。さらに「右手左手」苦手な手を育てることもできる。これが積み重なると「上達の記録」にもなる。自分の記録を友人・知人、あるいは遠くのまだ知らない人の記録と比較する楽しみもある。
 これから地区大会や全国大会を始めれば「箸ピー審判員」「箸ピーコーチ」「箸ピー評論家」「箸ピーマガジン」「箸ピースナック」等、いろいろなものが次々と生まれてくるだろう。
 箸ピーだけでなく、今「引き裂き力や挟み力などを競うゲーム」も考え、いつかは「箸りんぴっく」を行いたいと夢みている。
(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月8日付掲載


単純なゲームだからこそ、老若男女が楽しめるのでしょうね!
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お箸で はしわたし① 世界の共通の話題

2010-11-03 22:51:17 | 赤旗記事特集
お箸で はしわたし① 世界の共通の話題

国際箸学会理事長 小宮山 栄

 「なぜ、箸などに興味を持ったのか?」。よく聞かれる。答えは「箸は面白い!しかも世界の人と『共通の話題』が作れるから…」である。
 私は業務用特殊広角ミラーの製造と販売にかかわってきた。モノづくり歴40年。単純だが機能面ですごいものに興味を持ってきた。中でも40~50歳代のころは下駄だった。下駄は靴に比べ、左右が共通、大きさも大体でよく、ムレない。そしてすぐ履ける。草履やスリッパに比べても少し高さがあるので、地べたの水やゴミから足を守り、しかも歩きやすい。私の小中高校時代はほとんど全員が下駄で通っていた。それが今、ほぼ全員が靴下と靴。
「こんなすばらしい下駄がなぜ消えたのか?」と考え続けた。
「なぜ?」
「それは、コンクリートの時代に合ったクッション性のある下駄を開発できなかったから…」
それが私の結論だった。そしてお金と時問と知恵の協力者ができたら、開発するのが夢だった。

 いろんな人に話してみたが、「面白い!」と言って推薦文をくれたのは、建築家の北川原温さんぐらいで、ほとんどが変人扱いをするか無視するかであった。そのうち本業の新商品の売れ行き不振もあり、いつの間にか下駄の開発をやめていた。今考えてみると、下駄の話はみんなとの「共通の話題」にならなかったのである。



【突き刺す、はさみ切る、持ち上げる・・・。片手だけで鳥のくちばしと同じ仕事ができます】


 15年前ぐらいのことだったろうか。勉強会仲間の友人があるトップセールスマンの講演を聞き、しきりに感心していた。「人間は共通の話題があると、一気に心理的な壁が取り除けて、親しくなる」という。「共通の話題か!」
 それ以来、私も、「共通の話題」というキーワードに興味を持ち始めた。近所の人とのあいさつは「今日は寒いですね」であり、飲み屋では「今朝、地震がありましたね」などの話の種から、知らない人とでも話せる。そして会社の営業には「共通の話題から話せ」と言っている。行事の時の幹事には「出席者の共通の話題を中心にするんだぞ」と話すようになった。
 日本人は桜の季節になるとうれしくなるが、これは共通の話題から話がはずんでいく要因もあると思う。その点「下駄」は共通の話題にならなかった。しかし、箸の話は世界の人々と共通の話題になると思う。



【真剣に箸ピーにとりくむイヌイットの子どもたち(グローバルエドベンチャーのホームページ「宮下典子隊員の日誌」から)】


 例えば、冒険家の太陽満郎さんのグループの女性がイヌイットの子どもたちに、殻付きピーナツを箸で移動させるゲーム「箸ピー」をやってもらったところ、大変盛り上がったそうだ(グローバルエドベンチャーのホームページ参照)。
 箸はあらゆるものと共通の話題になる可能性がある。例えば、下記の○○論の頭に「箸と」をつければ面白いと思う。「教育論」「環境論」「道具論」「くちばし論・進化論」「モノづくり論」「デザイン論」「食文化論」「マーケティング論」「日本人論」「ゲーム論」など。共通の話題ができれば、つながりができ、人生は楽しくなるのだ。(金曜掲載)





「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年10月1日付掲載

洋食では、スプーンとナイフとフォークが必要だが、和食では箸があれはたいてい事足りる。ものすごい機能的な道具なのだ!
その箸の正しい使い方を改めて学びなおしたいですね。
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