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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

巨大電通の漆黒④ 裏方の「便利屋」

2020-09-20 07:35:21 | 政治・社会問題について
巨大電通の漆黒④ 裏方の「便利屋」
ある日の喫茶店の一室。2人の男性が話し始めました。1人は、37年間、電通を勤め上げたOB。もう1人は、雑誌編集長の経験もあるメディア関係者です。見えてきたのは、クライアント(広告主)のためならばどんな要望にも応える「便利屋」としての電通の姿でした。
電通OB 電通という会社はね、広告主が困ったことは絶対にしない。相手をとことん助ける「クライアントファースト」というのが電通の本領だ。
メディア関係者 大企業が手を汚したくないことというのは、だいたい裏方の電通さんが引き受けてくれる。役員の不祥事などはおたく(電通)に任せますよと。昔、大手企業のスキャンダルがあったときに、その企業の人間じゃなく電通の企業担当者が編集部に来て、「申し訳ない。あの新聞広告だけは消してくれないか」と頼み込んできたことがある。印刷寸前で、間に合わなかったから、真っ黒に塗って出した。



かつて電通本社があった銀座には、メディア関係者が足しげく通い、その通りは「電通通り」と呼ばれていた=東京都中央区の西銀座通り

見返り用意
電通OBがいう、クライアントファーストの精神は、他の電通関係者の取材でもたびたび聞いた言葉でした。企業の課題解決のためならば何でもする、それが広告代理店の役割だというのです。その際、要求に応じてくれるメディアへの見返りとして電通側が用意したのが、業界内で使われる「お土産」でした。
メディア関係者 電通が圧力をかけてくるときは、必ずお土産を持ってくる。電通の力で「来月の広告を倍にしますから」って。ウチの営業なんか一番楽だったよ。黙ってたって倍になるんだから。じゃあ黒く塗るくらい大したことないよっていうことになる。こんなの日常茶飯事ですよ。
電通OB お土産ね。そうそう、オミヤっていうんだよ。
広告を倍加する以外の「お土産」について記者が尋ねると、電通OBは親指と人さし指を丸めて言いました。「これ(金)ですよ」。「(メディアは)いろんなことで抱かれますよね」
クライアントの不祥事をもみ消すためにメディアを利用することもあったといいます。
電通OB クライアントにとって電通はとことん便利屋ですよ。エピソードはたくさんありますよ。タダでは言えないけど。女の子の問題にしたって、お金の問題にしたって、随分きれいになりますよね。表面上はね。

裏に相互依存
電通とメディアの相互依存関係の裏に、広告収入を代理店に依存せざるを得ない事情があります。売上高に占める広告収入の割合(2020年3月期決算)です。日本テレビは64・5%、テレビ朝日は73・8%、フジテレビは84・9%、TBSは79・1%、テレビ東京でも67・4%といった具合です。新聞社では、18年度、91社の売り上げに占める広告収入の割合は19・9%でした。04年度~06年度には3割を超えていました。
メディア関係者は言います。
「結局、どこの新聞社もテレビ局も雑誌社も、自分とこの営業マンが広告をとってくるわけじゃない。電通さんに頼めば、大手企業の広告が入ってくる。番組一つ制作するにしても、電通さんに頼めば、予算内でクライアントから広告をもってきてくれる。もう“電通さまさま”だ」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年9月18日付掲載


メディアが報道する内容をコントロールできる。広告代理店としての「電通」の力。意図する報道をした見返りに、次の月の広告を倍にするって。
収入の大半を広告に依存しているテレビや新聞などのメディアにとって、喉元を抑えられているようなもの。

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