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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

弁護士業界のハラスメント対策 気付きと意識共有大事 女性・若手が自由に発言できる場を

2024-01-10 07:11:37 | 政治・社会問題について
弁護士業界のハラスメント対策 気付きと意識共有大事 女性・若手が自由に発言できる場を
自由法曹団幹事長 山口真美弁護士に聞く

基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士の業界でもハラスメントが起きています。自由法曹団の幹事長に就任した山口真美弁護士に聞きました。
(丹田智之)




―弁護士業界でのハラスメントの実態を教えてください
世代交代で女性の弁護士も増えてきましたが、もともと男性が中心の業界です。女性を受け入れる体制と認識が不十分な職場でセクシュアルハラスメントが起きています。

責任感が要因に
専門家としての過剰な意識の高さや責任感は、パワーハラスメントの要因にもなります。激務で余裕がなければ、パワハラが起きやすい環境になります。
弁護団の会議などでの叱責がエスカレートし、人格を否定する発言が出たことがあるという話を聞きます。必要がないのに大声を出したり、怒鳴ったりする人がいるという話もあります。同じ場にいる人が不快に感じる行為も含めてなくす必要があります。
仕事や子育てに関して、同僚から「できて当たり前」という考えを押し付けられてストレスを感じる人もいます。
ハラスメントを受けた本人は、その場で抵抗したり対処できたりするわけではありません。立場上の関係から問題を指摘できないこともあります。周りにいる人が「それはよくない」と言える雰囲気をつくっていくことが大事だと思います。

―自由法曹団は、団内からハラスメントをなくすことを宣言しました。取り組みの現状を教えてください
相談体制の確立や研修、アンケート調査などを実施しました。団の宣言では「ハラスメントが放置されれば、団の健全な運営も発展も望むことはできない」と危機感を表明しました。
アンケートでは、ハラスメントを受けたときに対応してもらえなかったという声が多く寄せられました。女性や若手が団で活動する上で、ハラスメントが大きな障害になると感じています。

認識変化を重視
ハラスメントをする側は、頭で分かっていても自身の問題として振り返れないこともあります。研修で日常の行動や言動の間違いに気付き、認識を変えるきっかけにすることを重視してきました。ハラスメントを受けた側も「自分を認めて助けてくれる人がいる」と理解し、そこから信頼も生まれます。
ジェンダー課題について座談会の形式で語り合える場があってもいいと思います。団には女性差別の問題や性的少数者の権利の尊重を求めて訴訟をたたかう仲間もいます。私たちが多様性への意識を高めれば、法律の専門家としての役割を果たす社会的なニーズに応えられる組織に成長できます。

―ハラスメント対策の意義について聞かせてください
一人ひとりの弁護士が安心して活動できることは力の源になると思います。組織の結束力を強化することにつながり、個人の能力を発揮して助け合うことができます。
いやな人や怖い人がいて発言しにくい空気があると新しい意見も出せなくなります。女性や若手の弁護士が自由に発言できる場が増えれば、業界全体が元気になると思います。
ハラスメント対策をポジティブに考えることも大事だと思います。気付きと問題意識の共有を何より重視したいです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年1月7日付掲載


自由法曹団の宣言では「ハラスメントが放置されれば、団の健全な運営も発展も望むことはできない」と危機感を表明。
ハラスメントをする側は、頭で分かっていても自身の問題として振り返れないことも。研修で日常の行動や言動の間違いに気付き、認識を変えるきっかけにすることを重視。ハラスメントを受けた側も「自分を認めて助けてくれる人がいる」と理解し、そこから信頼も。
いやな人や怖い人がいて発言しにくい空気があると新しい意見も出せなくなる。女性や若手の弁護士が自由に発言できる場が増えれば、業界全体が元気に。

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