日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

根本陸夫伝

2018-09-01 05:38:18 | 読書
漢文の教材に「千里の馬」というのがあります。千里の馬とは、1日に千里走れるような名馬の事です。そのような名馬は結構いるが、その馬の才能を見抜くことのできる伯楽がなかなかいない、というお話です。根本陸夫は、名伯楽にして、名参謀でもあった稀有の野球人です。



野球選手としては2流以下だった根本さんは、その才能を買われて、広島カープのコーチ、監督としてチーム作りを頼まれます。今でいうGMの仕事も兼務します。彼は2軍でくすぶっていた衣笠をはじめとする若手を鍛え上げるとともに、山本浩二などの有力選手を獲得して、カープの黄金時代の基礎を作ります。



その後、西武ライオンズ、福岡ダイエーホークスで同じように強いチームを作り上げたのは、皆さんもご存知の通りです。この本は、そんな根本陸夫という人物に関わりのあった野球選手、チーム関係者、昔馴染みの友人、そして奥さんとお子さんからインタビューして、彼の人物像に迫っています。



関わりのあった人たちが、一様に彼の器の大きさを語っています。彼に連れて来られた選手達は、引退後もその適性を見抜いて、スカウトなどとして食っていけるように面倒を見ます。その際に、自分の判断をしっかりとするように言われます。たとえ失敗があっても、すべて根本さんが引き受けて、それについて部下には一言も言わなかったそうです。昨今スポーツ関係の問題があれこれ出て来ています。いい大人が責任逃れをしているのを見ると、いかに根本陸夫という人物がすごかったのかよくわかります。我らがホークスも、根本イズムをしっかり継承して、さらなる、常勝軍団を目指して欲しいです。
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