黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『丑三つ時から夜明けまで』大倉崇裕(光文社)

2006-07-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
警察庁の特別研究チームが“幽霊”の存在を確認したのが5年前。
その後の研究・調査の結果、幽霊を取り締まる専門部隊の結成を検討され、選りすぐりの霊能力者による“捜査五課”が、試験的に静岡県警に組織されていた。しかしエリート意識を持つ捜査五課と、捜査一課はいつも衝突してばかり。そんな環境の中で、霊感が強い捜査一課の刑事である“私”が、その間に入り事件を推理する連作短編集。
闇金融・藤倉ワイドの社長・藤倉富士衛門が殺された。現場は屋敷の地下で、密室。その侵入不可能な状況から幽霊の関与が考えられ、事件は捜査五課の管轄に。捜査一課に所属する“私”は、彼等と共に捜査にあたるが……『丑三つ時から夜明けまで』、
麓にある旅館・長上荘で殺人が。被害者は評判の悪い旅行ジャーナリスト・鰐田五郎。オーナー・立松新衛門が行方不明だが、外に出た形跡がなく……『復讐』、
水産会社・加藤水産の元社長の娘・平沼英子が駐車場で刺殺された。凶器は上から降ってきたナイフ。先週、その兄弟である助太郎もベランダから転落死していた。姿なき犯人を追うが……『闇夜』、
殺人犯・山寺を追跡中、撃ってしまった捜査一課の米田警部補。その後、休暇を取り、山登りをするという彼を、山寺の復讐からガードするよう、捜査五課の七種警部補から頼まれた私は、彼と山小屋へ。ところが、土砂崩れにより足留めをくらった、他の客たちと共に過ごす羽目になり……『幻の夏山』、
詐欺商法として一斉捜査を受けたばかりの栗端布団の社長・栗端山衛門が殺された。現場は密室で、犯人は幽霊である確率が高いということで、彼を怨む人物を当たるが……『最後の事件』の5編収録。

設定はおもしろいのですが、捜査五課は七種警部補以外、影が薄くて(名前や設定が特異な割に、一人一人の性格が見えてこないので、記号的な印象が;)、活かしきれてない気がするのが、ちょっと勿体無い感じかも。

<06/7/4>