黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『押入れのちよ』荻原浩(新潮社)

2006-07-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
中国の森で、母と共にひっそりと暮らす双子の姉妹、ソーニャと“わたし”。お客がきても、姿を現すことを禁じられていて……『お母さまのロシアのスープ』、
大学時代、同じサークル・超常現象研究会に所属し仲の良かった3人、僕と雄二、そして美雪。やがて共に彼女を好きになるが……『コール』、
3ヵ月前に勤めていた百貨店を辞めた恵太は、引っ越すことになり“家賃5万円以下、浴室付き、礼金なし”の厳しい条件で部屋を探す。ようやく見つかったその物件は、家賃3万6千円、礼金・管理費なし、そして明治生まれの少女の幽霊・ちよがついていた……『押入れのちよ』、
画家であった叔父の遺産である郊外の一軒家を相続した、川端道夫。妻、娘と共に移り住むが、そこには以前から棲んでいる老いた猫がいて……『老猫』、
17年連れ添った安田夫妻。しかし2人の仲は既に冷えきっており、互いに相手を殺害すべく食卓に望むが……『殺意のレシピ』、
3ヵ月前に倒れて以降、認知症になってしまった舅・善三の介護をする苑子。しかしひそかに虐待を繰り返し……『介護の鬼』、
愛人・里美のマンションで、彼女を殺害してしまった、平岩隆三。彼女の遺体を片付けようとしている最中に、清掃業社を名乗る男がやってきて……『予期せぬ訪問者』、
夏休み、母の生家に遊びに来ていた五月と妹の弥生。しかし従兄弟たちとの隠れんぼの最中に、姿を消した弥生はそれ以後行方不明に。15年ぶりにその地を訪れた五月は……『木下闇』、
いつも通り、“私”の元へ自転車に乗り、遊びにやってきたしんちゃん。月の明るい晩、二人はおたま池を目指し……『しんちゃんの自転車』9編収録の短編集。

基本的にはホラーな短編集ですが、ブラックなものあり、切ない系があったり、コメディタッチだったりとバラエティに富んだ内容。
『お母さまのロシアのスープ』は、内容のアレな部分(?)のオブラートの包み具合が絶妙でした。
そして何といっても表題作の『押入れのちよ』がお気に入り♪ちよちゃんが、めちゃめちゃラブリーですvv
このお話だけで連作短編にして欲しいです(力説)。

<06/7/5>