黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『くちなわひめ 佐馬之助無頼流始末』宝珠なつめ(学習研究社)

2006-07-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸は浅草。今戸の弁慶長屋に暮らす浪人・江辻佐馬之助は、腕は滅法たつものの無類の酒好きで、いつも酒浸り。そんな彼が入り浸っているのが、煮売り酒屋のむかで屋。その一人娘のお千は、器量良しで大店のお嬢さんといった風情だが、何故か佐馬之助をどこぞの大名の御落胤だと信じ込み、慕っている。
そんなある日、口入れ屋の利平から用心棒の仕事を受けた佐馬之助。依頼人は日本橋駿河町の油問屋・井筒屋。婚礼間近だというのに遊び歩いている一人息子である福太郎を、巷に横行する辻斬りから守ってほしいというのだが……『鉤爪小町』、
ある日、旅姿の娘・おようを助けた佐馬之助。追ってきたのは、怪しげな術を使う老人を含む男達。彼らの正体に心当たりがあるようだが語ろうとしないおよう。そんな彼女から庇護を求められた佐馬之助は、実の兄とも慕う小田島道場の道場主・月舟とその妻で剣客のお桐の元にその身を預けるが……『くちなわひめ』、
お千の兄・又二郎の様子が最近おかしい。勉強嫌いな遊び人の彼がいきなり習字を始めたという。彼の元に武家の娘から恋文が届き、その返事を書こうとしているのだという。一方、長屋では飾り職人・徳兵衛の娘・お才が突然亡くなり、その亡骸が消え失せるという事件が起き……『うつせみ』、
味噌醤油問屋の豪商・相模屋の屋敷で亡き娘が大切にしていた市松人形が、夜な夜な歩き回るという怪異が。呼ばれた佐馬之助は……『人形屋敷』の4編収録。

先月発売のノベルス(ファンタジー)が気になり、どんな作品を書かれる方かなぁと読んでみたり。
この作品がデビュー作のようですが、キャラも立ってますし、筆力もあるようです。
ただそれぞれの作品の長さが、まちまちなのが(1話目がp167、2話目がp117、3話目がp77、4話目がp4)ちょっと微妙;
どうせ長さが違うんだったら、短→長の流れの方が、読み手的には世界を飲み込みやすいかなぁと思うのですが…。

<06/7/13>