黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『月島慕情』浅田次郎(文藝春秋)

2007-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
30を越えた吉原の生駒太夫こと、ミノ。馴染みの客である時次郎が身請けしてくれることになり、浮かれた彼女は、彼の家を密かに訪れることに……『月島慕情』、
かつて元夫の暴力より逃げ出し20年、今では再婚し幸せに暮らしていた初江の元に、その元夫の訃報が届く。彼の霊前に線香を上げに行った彼女は……『供物』、
昭和40年代の北海道、自衛隊駐屯地。当直をしていた私に、師団長の三田村陸将が鰻を土産に持ってやってきた。大好物だという鰻を彼が食べられない理由とは……『雪鰻』、
大学の学生運動が盛んな時代。大学生・悟は、ひょんなことからアパートの隣室で暮らす母・夏子と娘・美鈴と知り合い、たびたび幼い美鈴の相手をする事に……『インセクト』、
医学部で教える北村雅子は、教え子で恩師の息子である太田から、彼女の祖母の通夜に同行したいと頼まれる。その年まで葬式に出たことがないという彼は、人間が死ぬということがピンとこず、解剖の実習がうまくいかないのもその所為ではないかというのだ。かくして2人でお香番を勤めることに……『冬の星座』、
自分の目の病ゆえに、愛する英一と沿い遂げられなかった田中時枝は、温泉街でマッサージ師として働いていた。その彼がいつかやってくることを夢見て……『めぐりあい』、
行員をリストラするのが嫌になり、自らが辞めた元銀行員・塚田の再就職先は、成り上がり社長・鈴木一郎のお抱え運転手。“シューシャインボーイ”という競争馬を持つ彼が、新宿のガード下の靴磨きに通う理由とは……『シューシャインボーイ』の7編収録の短編集。

どれも、切なくも素敵な余韻の漂う作品集でした。
……でもゴのつく生き物(笑)を飼うのはやめて欲しい;>インセクト

<07/7/29>