黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『6時間後に君は死ぬ』高野和明(講談社)

2007-07-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
他人の非日常の出来事を、ビジョンで見ることが出来る青年・山葉圭史の見た『未来』とその顛末を描いた連作短編集。
25歳の誕生日を翌日に控えた原田美緒。友人との待ち合わせ場所へ向かう為、渋谷を歩いていると、見知らぬ青年に“6時間後に君は死ぬ”と予言される。当然美緒は信じていなかったが、その後友人にすっぽかされたことを言い当てられるに至り、自分を殺しそうな人間を、彼と共に探すことに……『6時間後に君は死ぬ』、
テレビドラマのプロットライターである朝岡未来。脚本家を目指している彼女だったが、なかなかうまくゆかず、汲々とした生活を送っていた。そんな彼女はふいに思い立ち、幼い日過ごした故郷へ。そこで出会った少女は……『時の魔法使い』、
次から次へ恋人を変えている女子大生・未亜。未来を当てる青年の話を聞いた未亜は、彼に会うが“今度の水曜日には、恋をしてはいけない”といわれる……『恋をしてはいけない日』、
ダンサー志望の香坂美帆。オーディションを受け続けるが、なかなか受からず思い悩む日々。
一方、とあるリゾート地にある『ドールハウス・ミュージアム』が閉館を迎えようとしていた。そこには、ダンサーを主役とした人形があり……『ドールハウスのダンサー』、
5年前出逢った圭史にもう一度逢いたいと思い続けていた原田美緒は、就職先である結婚式場で圭史と再会を果たす。しかし圭史は、彼女のビジョンの中に自分が3時間後に死んでいる姿を見る……『3時間後に僕は死ぬ』、
会社帰りに立ち寄った古道具屋で見つけた古い日記帳。そこには、今日あったことが書かれていて……『エピローグ 未来の日記』を収録。

“未来”というモチーフが、いろんなアプローチで書かれていて楽しめました。『時の魔法使い』が特に良いかな。
個人的に、登場する女性たち(主役)の名前に皆、『み』という文字が使われているのが、何かの意図か、それとも単なる趣味か気になります(笑)。

<07/7/26>