【桜と同様、例年より1週間~10日ほど早く】
大阪府藤井寺市にある西国三十三所第5番札所、紫雲山葛井寺(ふじいでら)。国宝の千手観音菩薩坐像や重要文化財の四脚門(西門)などで有名だが、ここは藤の花の名所としても知られる。山号の紫雲山も紫色の藤の花に因むという。例年4月下旬~5月上旬に藤まつりを開いてきたが、今年は暖かい日が続いて桜と同様に開花が早まる異変状況に。ヤマフジ(山藤)は早や見頃を迎え、ノダフジ(野田藤)も総状花序(花房)が一気に伸び始め基部から咲き始めている。
ヤマフジは西日本の山野に多く自生しており、ノフジとも呼ばれる。花序の長さがノダフジに比べ短いのが特徴。ノダフジの蔓が右巻きなのに対し、ヤマフジは左巻きという違いもある。4月6日、境内のそこかしこに藤棚が設けられている葛井寺を訪ねた。すると阿弥陀二十五菩薩堂前のヤマフジは既に満開間近で、藤棚を薄紫色に染め甘い香りを放っていた。四脚門近くの藤棚でもシロバナヤマフジの純白の花が早くも見頃を迎えていた。
一方、花序が長く優雅なため人気のあるノダフジも、花序の多くが伸び始めて20~40cmほどになり基部の方から紫色の花が咲き始めていた。最盛期になると長い花序は70~100cmまで伸びる。今年の藤まつりは当初4月20日頃から5月3日頃までと設定し、4月21日~5月6日には西国三十三所草創1300年記念特別拝観として阿弥陀堂の公開も予定していた。その前の4月18日には春季大法要(本尊ご開帳・お餅まき)も控えている。だが今の藤の開花状況から見頃が大幅に早まるのは必死の状況。そのためお寺の方も「急遽、藤まつりの期間の前倒しを検討しているところです」と頭を抱えていた。
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