く~にゃん雑記帳

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<エキウム・ウィルドプレッティ> 〝宝石の塔〟1株に2万個もの小花!

2016年05月22日 | 花の四季

【原産地はアフリカ西岸沖に浮かぶ常春の楽園カナリア諸島(スペイン領)】

 ムラサキ科シャゼンムラサキ属(エキウム属)の2年草。花茎の高さは1~2m、大きいものは3mほどにもなり、1株に約2万個ともいわれる赤紫色の花をピラミッド状にびっしり付ける。その無数の小花を宝石のようにちりばめた様子から〝宝石の塔〟と称される。

 原産地はアフリカ大陸のモロッコ沖に浮かぶスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島。7つの群島のうち最大の島で、スペイン最高峰のテイデ山(標高3718m)がそびえる。その山の中腹、亜高山帯に自生する。エキウム属は地中海沿岸を中心に50種ほどあるそうだが、「ウィルドプレッティ」はその中で最も大型。カナリア諸島には同属で草丈が低い「カンディカンス」「ギガンテウム」なども分布する。

 属名「エキウム」は一説にギリシャ語で毒蛇を指す「echis」から付けられた。種子の形が毒蛇の頭のように見えるからという。種小名「ウィルドプレッティ」はテネリフェ島の植物園園長だったヘルマン・ウィードゥプレイツの名前に因む。この植物が広く知られるようになったのもヘルマンが100年ほど前に英国のキュー王立植物園に紹介してから。ただ彼は当初「カンディカンス」と紹介していたが、別種と判明したことから彼の名に因む学名が付けられたそうだ。

 この植物は播種後2~3年目の晩春から初夏にかけてようやく花が開く。開花中は蜜を求めミツバチなど多く昆虫が集まる。自生地は雨が少ない温暖な気候。そのため日本のような高温多湿な地域での露地栽培はなかなか容易ではない。日本で最初に栽培に成功したのは京都府立植物園(京都市左京区)といわれる。1980年に元園長がコペンハーゲン大学から譲り受けた種子から栽培し、82年に初開花したという。愛知県安城市の花と緑の公園「デンパーク」もエキウム属の植物の栽培に意欲的。2007年には「ウィルドプレッティ」と「シンプレックス」を交配して新品種の開発に成功している。


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