【南アフリカ原産の常緑低木、小葉の縁に鋭い鋸歯】
ザミア科オニソテツ属の常緑低木。葉は長さが1~1.8mほどの羽状複葉で、小葉の先端に2~4個の鋭い鋸歯を持つ。オニソテツ属の仲間はアフリカ中南部に60種余り分布するが、その中でも特に鋸歯が鋭い刺状になっているためその名が付いた。日本のソテツは小葉が細長い線形だが、こちらは卵形で幅が広いのも特徴。
雌雄異株。雌株の花は鮮やかな緋色の集合花で、長さ30cmほどの巨大な松ぼっくりのような球花を付ける。学名は「Encephalartos ferox(エンケファラルトス・フェロックス)」。属名はギリシャ語の「en(中)」「kephali(頭)」「artos(ブレッド)」の合成語から。茎の上部や種子にデンプン質を多く含み、原産地の南アフリカで食用にされてきたことに因む。種小名フェロックスは「強い刺の」「刺の多い」「危険な」などを意味する。
国際的な自然保護団体「国際自然保護連合(IUCN)」(本部スイス)のレッドリストでは準絶滅危惧種。ヒメオニソテツやトノサマオニソテツ、ヒロバオニソテツ、ナガバオニソテツなど仲間の多くも絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている。またオニソテツ属の植物は全種がワシントン条約の付属書Ⅰにより、学術目的以外での輸出入が厳しく禁止されている。
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