【中央アジア原産、花を観賞するアリウムの中でも最大級】
アリウムはヒガンバナ科(旧ユリ科)ネギ属の植物の総称。北半球に800種ほどの野生種が分布しており、古くから野菜や薬草として栽培されてきたものも多い。ネギやニラ、ニンニク、ラッキョウなどもその仲間。ただ園芸界でアリウムと呼ぶ場合は一般に花壇や鉢植えの植物など観賞用のものを指すことが多い。花の色や形は変化に富んでおり、和名では「ハナネギ(花葱)」とも呼ばれている。
その中で人気を集めるのがこのギガンチウムだ。中央アジア原産で、日本には1936年(昭和11年)に渡来した。「巨大な」を意味するだけあって、草丈は1mを超え、そのてっぺんに直径20cmほどにもなる手鞠のような散形花序を付ける。無数の小花の集合体で鮮やかな紫紅色。奈良県立馬見丘陵公園で先日遭遇したギガンチウムは開花直前で花序を包んでいた薄い膜の苞葉が付いたままだったが、見上げるほどの高さで圧倒的な存在感を放っていた。因みに学名(属名)でもあるアリウムはニンニクのラテン語の古名で「匂い」が語源という。この属の植物の多くが強い匂いを発することに由来するようだ。
アリウムの仲間にはギガンチウムのような大型種がある一方で、草丈が膝下ほどのかわいいものも多い。花が黄色いモリーはキバナノギョウジャニンニク(黄花の行者大蒜)という和名を持つ。他には白花のネアポリタヌム(別名コワニー)、桃色のウニフォリウム、白またはうす紫色のカラタヴィエンセなど。ユニークな花姿や長い茎の水揚げがいいことなどから、生け花やフラワーアレンジメントの花材として使われるものも多い。中でもリーキ(ニラネギ、西洋ネギとも)やスファエロセファルム(和名「丹頂」)などが人気を集めている。
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