【大型建物跡・環濠などを復元、シンボルの楼閣も修復】
奈良県田原本町が整備を進めていた「唐古・鍵遺跡史跡公園」が完成、このほど開園した。唐古・鍵遺跡(国史跡)は弥生時代を代表する国内有数の大規模な環濠集落。公園は広さが約10万㎡で、遺構展示情報館を新設したほか、大型建物跡や環濠、井戸跡などを復元した。弥生の森エリアや弥生時代の生活体験広場などもある。遺跡のシンボルになっている楼閣(高さ約13m)も開園を機に修復した。
遺跡は奈良盆地のほぼ中央部に位置し、大型建物や青銅器鋳造炉、環濠、井戸の跡、木棺墓・人骨などが発掘されている。多くの木製農耕具や全国各地からの搬入土器なども出土しており、人物や動物、建物が描かれた絵画土器が多く見つかっているのも唐古・鍵遺跡の特徴。楼閣も高床建物が描かれた紀元前1世紀頃の壷の破片を基に1994年唐古池の一角に再現された。
遺構展示情報館には大型建物跡の発掘現場から型取りし剥ぎ取った柱跡の模型などを展示。楼閣のそばにはもう一つの大型建物跡を高さ2mの立柱で表現し、その近くには直径5mほどの井戸跡も復元した。これまでの発掘調査で、集落は幾重もの環濠が巡らされ、内側の最も大きい大環濠は幅7~8m、深さ1.5~2mで南北530m、東西400mの範囲を巡っていたことが分かっている。情報館のそばにはその大環濠の一部が復元され、唐古池東側には多重環濠エリアも設けられている。
公園ではゴールデンウイーク中に勾玉づくりや火起こし体験などのイベントを開く予定。国道24号を挟んで公園の西側には道の駅「レスティ唐古・鍵」もオープンした。〝公園と一体になった新しい交流施設〟として地域の活性化が期待されている。25日訪ねたところ平日にもかかわらず多くの来店客でにぎわい、駐車場に入る車が行列を作って片側1車線の国道が渋滞していた。24号は南北を貫く幹線道路。渋滞がオープン間もないことによる一時的な現象ならいいのだけど……。
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