
【原産地はガイアナなど南米熱帯地域】
サガリバナ科ホウガンノキ属の高木で、樹高は20~30mにもなる。原産地は南米のガイアナやブラジルなどの熱帯地域。果実は直径15~20cmほどの真ん丸い茶褐色で、幹から直接ぶら下がって実る。その果実の見た目が砲丸投げの砲丸によく似ることからホウガンノキと名付けられた。ホウガンボクともいう。
花は直径6~10cmで、内側が淡紅赤色、外側がベージュ色。幹から垂れ下がった総状花序に付く。一日花。夜に芳香を出しコウモリなどを呼び寄せて受粉を手伝ってもらう。温室などで栽培する場合、花粉の媒介者がいないので放っておくと結実しない。このため結実には人工授粉を行う必要がある。
国内で長い栽培実績があるのが京都府立植物園(京都市左京区)。約30年前の1991年に植栽し、2004年に人工交配で初めて果実をソフトボール大まで実らせることに成功した。その後も花期になると、毎年担当者がはしごを登って授粉作業に取り組んでいる。2009年には皇后時代の美智子さま(上皇后)がこの植物園をご視察した折、果実を自ら手に乗せられたそうだ。
ホウガンノキの学名は「Couroupita guianensis(コウロウピタ・キアネンシス)」。属名は原産地での呼び名に由来し、種小名は「ガイアナの」を意味する。英語では果実が大砲の弾に似ることから「Cannon ball tree(キャノンボールツリー)」と呼ばれている。なお果実は臭気があるため食用にはあまり向かないという。
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