【南下の途中? フジバカマの花に止まって吸蜜】
秋晴れの18日午前11時すぎ、庭に出るとやや大型のチョウが頭上をひらひら。「アゲハチョウ?」。と、フジバカマの花に止まって蜜を吸い始めた。「あっ、アサギマダラだ!」。慌ててカメラを取りに室内に。庭に戻ると、幸いまだいてくれた。続けざまにシャッターを3回。そこで、どこかへ飛んでいってしまった。写りはもうひとつ。残念。ところが半時間ほどたって、またやって来てくれた。
アサギマダラは長距離を移動する〝渡り蝶〟として知られる。生息地域は主に日本の本州以南から東南アジアにかけて。日本で見られるアサギマダラは春~初夏に南西諸島や九州の島々から北上し、本州の高原などで過ごして産卵。秋になると、その新世代が逆に南の暖かい地方に向けて旅立つ。マーキング調査による長距離移動記録では福島から台湾、和歌山から香港など、なんと約2500キロも飛んだことが確認されている。
今年も南下の季節を迎え、奈良県内でもこの1週間ほど、アサギマダラの飛来に関するニュースが新聞やネットで報じられていた。▽曽爾村でフジバカマの植栽地に飛来し始め、14日に「アサギマダラ歓迎祭り」を開催(11日付朝日新聞)▽橿原市でも新沢千塚古墳群公園などに飛来(16日付毎日新聞)……。
アサギマダラが好む花はフジバカマやヒヨドリバナ、アザミなど。わが家の庭にあるフジバカマも咲き始めた。「できればここにも立ち寄ってほしいけど」。飛来を伝える新聞を前に淡い期待を抱いていた。それがまさかすぐ現実になるとは! 住宅街の一角の狭い庭の隅っこにあるフジバカマ。それを目ざとく見つけたアサギマダラはすごい! 滋賀県の最高峰伊吹山で今年7月下旬、初めてアサギマダラに遭遇したときの感動が蘇ってきた。突然のうれしい訪問者が南方への旅を無事終えることができますように。
【白野江植物公園】九州の玄関口にある飛来の名所
周防灘を望む小高い丘にある「北九州市立白野江植物公園」(門司区)は毎秋、南下するアサギマダラがよく立ち寄ることで知られる。同園ではアサギマダラの休息地になるよう毎年吸蜜植物フジバカマの植栽を増やしており、今では2000株ほどになるという。10月21日に訪ねると「花の谷」のフジバカマの周りを10頭ほどのアサギマダラがふわふわ飛んだり、翅を開閉させながら蜜を吸ったりしていた。その優雅な姿を撮ろうと5~6人の来園者が一心にカメラを向けていた。多いときには100頭もの乱舞が見られるそうだ。この日はラッキーなことに「北九州都市緑化祭の日」ということで入園無料、そのうえいろいろな花の種まで頂いた。
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