く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<リンゴ(林檎)> 枝先にふくよかな5弁花を5~6輪

2014年05月01日 | 花の四季

【ヨーロッパで4000年の栽培の歴史、日本では明治以降に本格化】

 バラ科。4~5月頃、枝先に5弁の白または淡紅白色の花を5~6輪ずつ付ける。和名のリンゴは漢名「林檎」の音読みから転訛したもの。最古の果樹の1つといわれ、ヨーロッパでは4000年以上の長い栽培の歴史がある。日本では10世紀の文献に「林檎、和名利宇古宇」として登場するが、これは中国原産の「ワリンゴ」と呼ばれるもの。19世紀になって「セイヨウリンゴ」が入ってくると、ワリンゴは食用とされなくなり今では接木の台木として用いられている。

 国内で本格的な栽培が始まるのは明治初期の1871年に北海道開拓使がアメリカから苗木75品種を持ち帰ってから。その後、冷涼な気候を好むリンゴの栽培は青森や長野を中心に広がり、新品種も多く生み出されてきた。「ふじ」「王林」「津軽」「世界一」「秋映(あきばえ)」……。国内収穫量(2012年)のうち青森(56%)と長野(21%)の両県で全体のほぼ8割を占める。リンゴの花は咲き始めてから10日ほどで散ってしまう。リンゴ農家はその間、実が大きくおいしく育つように中心の花以外を摘む〝花摘み作業〟に追われる。

 ヨーロッパでは長い栽培の歴史の中でリンゴにまつわる多くの神話や伝説が生まれた。アダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果実はリンゴだったともいわれる。男性の喉仏を「アダムのリンゴ」というのはそのリンゴがアダムの喉に詰まったことから。他にもトロイ戦争の発端となった黄金のリンゴを巡る3人の女神の争い、息子の頭上のリンゴを弓で射るウイリアム・テルの話、リンゴの落下から万有引力の法則を発見したニュートンの話……。ドイツでは豊穣や美・愛の象徴としてリンゴの花で新郎新婦を飾る風習があったそうだ。

 リンゴは青森県の県花。弘前市や黒石市、秋田県横手市、長野県中野市、飯田市などの「市の木」「市の花」にもなっている。飯田市の大通りはリンゴ並木で有名。1947年の飯田大火の復興過程で、地元中学生たちがリンゴの木を植樹したのが始まり。今では「日本の道百選」「かおり百選」にも選ばれている。札幌市豊平区の環状通のリンゴ並木もこの飯田市をモデルに生まれた。約65品種1200本が咲き誇る「弘前市りんご公園」では5月6~18日「弘前りんご花まつり」が開かれる。「白雲や林檎の花に日のぬくみ」(大野林火)。


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