【残り4戦、日米〝サラ〟対決、いよいよ佳境に】
昨年12月からヨーロッパを転戦してきたノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子は3月3~4日、舞台を山形市の蔵王に移し10~12戦を行う。15歳の日本のエース、高梨沙羅(北海道・上川中)は出場3試合連続で米国の17歳、サラ・ヘンドリクソンに次いで2位。その間、高梨はユースオリンピックでの金メダルに続いて、1週間前の世界ジュニア選手権ではついに初めてサラを破って優勝。W杯でも表彰台の一番上へ、高梨への期待が高まっている。
W杯第3戦以降のサラ・ヘンドリクソンと高梨沙羅の成績
1回目飛距離 2回目飛距離 ポイント
第3戦(1月8日・ドイツ、出場選手49人)
1位 サラ 107.5m 104.5m 273.2
2位 高梨 100.5m 99.5m 242.6
第8戦(2月11日・スロベニア、出場選手46人)
1位 サラ 85.5m 87.0m 246.5
2位 高梨 86.5m 88.5m 240.2
第9戦(2月12日・スロベニア、出場選手43人)
1位 サラ 91.5m 95.0m 259.6
2位 高梨 90.0m 90.5m 246.7
高梨はW杯初戦が6位、続く第2戦は17位だったものの、第3戦で2位となり初の表彰台。第4~7戦はユースオリンピックなどに出場のため欠場したが、そのユースオリンピック(1月14日・オーストリア、出場選手14人)では圧勝で金メダルを獲得した。その間、サラはW杯で優勝を重ね、第9戦までに1位6回、2位2回の好成績を収め、通算の総合順位ではトップを走っている。
世界ジュニア選手権の成績
(トルコ、出場選手46人)
<個人戦>2月23日
1位 高梨 108.5m 107.5m 276.5
2位 サラ 105.0m 100.5m 265.0
<団体戦>2月25日(参加9カ国、米国は不出場)
1位日本、2位ドイツ、3位スロベニア
だが、世界ジュニアでは高梨がついにサラをとらえ、金メダルを獲得。団体戦でも最長不倒の大ジャンプ(1回目103.0m、2回目104.5m)を2本飛んで、日本の優勝に大きく貢献した。高梨は途中欠場もあってW杯での総合順位は現在7位。1位のサラと2位のダニエラ・イラシュコ(オーストリア)に水をあけられているが、3位との差はあまり離れていない。W杯は蔵王の3戦に続いて3月9日、ノルウェー・オスロで最終戦を迎える。残り4戦。高梨には総合順位でも表彰台に上がる可能性が残っている。
高梨の活躍は日本の女子ジャンプ陣にも活気と刺激を与え、同世代の中高校生も伸びてきた。高梨と共に世界ジュニアの団体を制した伊藤有希(北海道・下川商高)、岩渕香里(長野・飯山高)、山田優梨菜(長野・小谷中)への期待は大きい。この3人も蔵王でのW杯でなんとか上位に食い込んで、2年後のソチ(ロシア)冬季五輪に向け飛躍へのきっかけをつかんでもらいたい。
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