【北米原産、属名から「ガウラ」や「ヤマモモソウ」とも】
北米原産のアカバナ科の宿根草で、日本には明治中期の1890年ごろ観賞用として渡来した。日当たりと水はけのいい場所を好む。花径は2cm前後、草丈は0.8~1.2mほど。朝開いて夕方萎れる1日花だが、開花期は晩春の5月ごろから秋口までと長く、茎の下部から次々に咲き上がる。外来種だが、和風の趣も漂う繊細で可憐な草花だ。
米国南部からメキシコにかけて20種ほど分布するガウラ属の1種で、和名で「ハクチョウソウ」と呼ばれるのは正確には「ガウラ・リンドハイメリ種」のこと。この種小名はドイツの植物学者フェルディナンド・リンドハイマー(1801~79)にちなむ。渡米後「テキサスの植物学の父」といわれたそうで、リンドハイマーの名前はキク科の1年草「リンドヘイメラ・テクサーナ」などにも残っている。
ただ日本では単に「ガウラ」といえばハクチョウソウを指す。「ハクチョウ」はサギソウやトキソウの連想から「白鳥」と思いがちだが、その名前はモンシロチョウのような白い蝶から。細い花茎が風になびくたびに、4枚の白い花弁がまるでヒラヒラ舞う蝶のように見える。その花姿から「白蝶草」の名前が付いた。
ハクチョウソウは中心から突き出た長い8本の雄しべも印象的。雌しべは1本で、柱頭が4つに裂ける。ハクチョウソウには「ヤマモモソウ(山桃草)」という別名もある。これは淡いピンクがかった花色からの命名。食用にもなる赤い実を付けるヤマモモとは全く関係がない。濃いピンク色や白・ピンクの2色咲き、斑入り葉などの園芸品種も流通している。
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