【古く中国から渡来? 花びらに見えるのは実は萼片】
キンポウゲ科の耐寒性多年草。白やピンクの一重咲き、紅色の八重咲きなどがあり、秋に菊に似た花を咲かせるからこの名がある。別名「キブネギク(貴船菊)」。京都・北山の貴船周辺で多く見られたことに由来する。漢名は「秋牡丹」で、古く中国から渡来した帰化植物といわれる。
貝原益軒の「大和本草」(1709年刊行)にも秋牡丹として登場する。その項には「近世異国よりも来れるにや 和名タウギク(唐菊)又はカウライギク(高麗菊)」の記述の後、「されども鞍馬、箕面、また西州諸山にあり 本邦に昔より之有る草なるべし」とある。ただ、今では原産地はやはり中国で、日本に入ってきて各地で野生化したとみられている。そのためか、自生地も寺の周辺や人里に多い。
一重咲きの花びらのように見えるものは実は萼(がく)片で、花弁を持たないのがシュウメイギクの特徴。これを「単花被花」と呼ぶそうだ。クリやイヌタデの花も同様に花弁がない。八重は多いものでは30枚にもなるが、これも萼片と雄しべが花弁化したものという。
シュウメイギクの英名は「ジャパニーズ・アネモネ」。18世紀後半に来日したスウェーデンの医師・植物学者が名付け親といわれる。その後、19世紀中頃から英国などで盛んに交配によって多くの園芸品種が作られてきた。シュウメイギクの名所は関西では京都に多い。貴船神社、善峰寺、宗蓮寺、宇治三室戸寺……。「菊の香や垣の裾にも貴船菊」(水原秋桜子)。
はじめまして。
私も、家の庭に咲いた秋明菊のことを書こうと画像を探していて、く~にゃんさんのブログに行き当たりました。秋明菊のいろんなこと調べられたのですね!?
興味深く拝読いたしました
花の歴史や花言葉、いろんな言い伝え等を知るのは心が豊かになり、楽しいですね。
近々、私も秋明菊のブログ、アップします。
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