【色丹島で発見、学名(変種名)には「礼文島の」】
ユキノシタ科ユキノシタ属の高山植物で、日本のほかサハリン、カムチャツカ半島、中国東北部、シベリアなどにも分布する。国内で自生するのは本州の中部以北と北海道の高山帯から亜高山帯にかけて。北海道最果ての離島で〝花の浮島〞といわれる礼文島でも群落が見られる。
草丈は5~15cm。茎頂に匙形の5弁花を数個ずつ付ける。白地の花弁には基部から中央にかけて淡黄色の斑点、上部には赤い斑点がグラデーション状に入る。その花姿にそっくりなのが夕張岳固有種のエゾノクモマグサ(蝦夷の雲間草)。葉先がシコタンソウは分裂しないのに対し、こちらは3裂するという違いがある。
シコタンソウの名前は色丹島で最初に発見されたことから。だが、礼文島とのつながりも深い。というのもシコタンソウの〝基準標本〞となっているのが礼文島産なのだ。このため学名も属名⋅種小名の後に、「礼文島の」を表す「rebunshirensis(レブンシレンシス)」という変種名が続く。シコタンソウには「レブンクモマグサ」という別名もある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます