【境内には大鳥居に16日掛ける大注連縄も】
生駒聖天宝山寺(奈良県生駒市)で12月1日、恒例の「厄除け大根炊き」が行われた。新型コロナ禍で2020年から2年続けて中止だったが、昨年からまた通常開催に。熱々のふろふき大根が午前零時から参拝客に無料でふるまわれ、境内は無病息災を願う多くの人でにぎわった。
この大根炊きは宝山寺青年会の奉仕活動の一つ。今回使った大根は約1300本。これを輪切りにし直径が1mを超える大釜で炊き上げた。1人分は2切れ。これに秘伝の甘い「宝山寺みそ」をかけて渡す。大根1本でほぼ7人分ということなので、ざっと5000人分となる。
宝山寺は生駒山(標高642m)の中腹に位置する。生駒ケーブル宝山寺駅から参道の石段を上って境内に着いたのは午前9時すぎ。接待場所のテント前には次々に参拝客が訪れては、受け取った大根を「フーフー」言いながら口に入れていた。時々、長蛇の列もできていた。
「1年間お参りありがとうございました」。こんな手書きの紙がテントにぶら下がっていた。罰当たりかも。今年初めてのお参り、しかもお代わりまでしてしまって。そのそばでは持ち帰り用のふろふき大根が1袋300円、宝山寺みそが540円で販売されていた。留守番の家族に食べてもらうのだろう、まさに飛ぶように売れていた。
境内でひときわ目を引いたのが新しい大注連縄。これも青年会のメンバーによって作られた。毎年12月16日の奉納行事で大鳥居に吊り上げられる。注連縄はビニールで覆われ「大注連縄に賽銭を差し込まないで下さい」という注意書きが添えられていた。ということは、これまで賽銭を埋め込む人が結構多かったに違いない。
大根炊きは“本場”京都で冬の風物詩になっている。京都では「大根焚き」と書くお寺が多い。千本釈迦堂(大報恩寺)は毎年12月7~8日、清滝の了徳寺は同9~10日に開催。法住寺は毎年1月(2024年は1月14日)、大原の三千院は2月の初午の時期に合わせて行っている。