く~にゃん雑記帳

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<戸畑祇園大山笠> 大下り→お汐井汲み、夜には競演会

2018年08月02日 | 祭り

【第65回の節目を記念し子供山笠も会場を1周】

 国指定の重要無形民俗文化財で福岡県の三大夏祭りの一つ、北九州市戸畑区の「戸畑祇園大山笠行事」が7月27~29日行われ、中日の28日には区役所前の浅生1号公園周辺で最大の見どころの競演会が繰り広げられた。第65回の節目を記念し、東・西・中原(なかばる)・天籟寺の4地域の大山笠と中学生が担ぐ小若山笠の計8基に加え、武者人形や幟(のぼり)で飾られた子供山笠もちびっ子らに綱を曳かれて公園を1周した。

 戸畑祇園の最大の特色は山笠の〝姿替え〟で、昼と夜でその姿を一変する。昼は「幟(のぼり)山笠」と呼ばれ、勾欄付きの台座の上に12本の幟が立てられ、前面は菊花を模した4つの白い〝前花〟、後部は直径が1.5mほどの円形の〝見送り〟で飾られる。水引幕など幕類には勇壮な武者絵などが金糸銀糸で刺繍されており、県の有形民俗文化財に指定されている。夜はこれらの飾り物が全て取り外され、12段309個のろうそくの提灯で彩られた光のピラミッドに変わる。高さは約10m、重さは約2.5トン。この巨大な「提灯山笠」を80人ほどのかきこが鉦や太鼓のお囃子に合わせ「ヨイトサ、ヨイトサ」と担いで進む。

 

 28日の正午前、東・西・天籟寺の大山笠と小若山笠の6基が飛幡八幡宮に集結、神事の後、神輿を先頭に神社の坂道を〝大下り〟し若戸大橋直下の渡し場に向かった。目的地は大橋公園のすぐ横にある「お汐井汲みの場」。各山笠はここで神官によるお祓いを受けた後、ご祝儀の御礼を兼ねて地区内を巡行した。中原の大山笠は例年、拠点とする中原八幡宮での御霊移し神事の後、中原先の浜にあるお汐井汲み場でお祓いする。

 

 競演会ではまず各大山笠の囃子方が観覧席前で巨大な太鼓を叩いてお囃子を披露。この後、ブラスバンドに続いて子供山笠が公園の周りを1周した。子供山笠は例年中日の正午前に飛幡八幡宮に終結するのが恒例で今年も10基近くが集まっていたが、競演会場で顔見世するのは今回が初めてではないだろうか。大山笠と小若山笠はまず昼の幟山笠の姿で周回した後、提灯山笠への姿替えのため台上に四角の櫓が組み立てられた

 

 「5段上げ、開始!」。12段のうち最上部の5段分の提灯が一気に持ち上げられ固定され、各段の提灯の木枠も次々に組み上げられていく。まさにあっと言う間に12段のピラミッドが完成し、各山笠から我勝ちにお囃子の「居神楽」が響いてきた。提灯山笠は夜空に浮かぶその幻想的な姿から、4年前に日本夜景遺産にも認定されている。

 

 この後、全提灯山笠8基の運行に続いて提灯小若山笠のみによる運行。百足競走のように歩調を合わせて担ぐ中学生たちに、十数万人ともいわれる見物客の間から温かい拍手と歓声が送られていた。最後は大山笠による〝自由競演〟。東・西・中原・天籟寺の大山笠4基が抜きつ抜かれつの熱い競争を繰り広げる競演は午後9時すぎまで続いた。まさに真夏の暑さを忘れさせてくれるひとときだった。

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