く~にゃん雑記帳

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<建具職人・和田奈良一さん> 吉野町「三奇楼」で一周忌の回顧展

2017年03月18日 | 美術

【和風照明器具や三重七宝文様のランチョンマット・コースターなど】

 奈良県吉野町上市のゲストハウス「三奇楼」で、17日から「和田奈良一(わだ・ならかず)展~建具職人の精緻な世界」が始まった。和田さんは〝三重七宝組子〟の欄間で高い評価を受けた建具職人。その文様を生かした身近な生活用品でも人気を集めたが、昨年4月に急逝した。享年71。今展はその一周忌を前にした回顧展で、22日まで開かれる。(下の写真は「グッドデザイン賞2012」を受賞した照明器具『吉野山夜桜』)

 和田さんは中学卒業後に建具職人だった父親に弟子入りした。得意とした七宝文様は直線と緩やかなカーブを組み合わせたもの。そのカーブも曲げ加工ではなく、親指ほどの小さな鉋(かんな)と刃厚0.2ミリの鋸(のこ)を使って1つずつ削り出して作ったという。技術と忍耐を要する、まさに職人芸だ。生前「ティッシュ1枚の薄さでもずれたら組めない」と話していたそうだ。60歳の頃から身近に使える生活用品づくりにも取り組んだ。

 

 2012年には『吉野山夜桜』と名付けた和風の照明器具が伝統工芸を生かした作品としてグッドデザイン賞に選ばれた。東京から7年ほど前、吉野に移り住んだデザイナー平野湟太郎さんがデザインを提案し、和田さんが制作した。会場の「三奇楼」蔵ギャラリー2階にはその作品を中心に、和田さんが作った三重七宝模様のランチョンマットやコースターなどを展示中(一部作品は販売も)。壁面には和田さんの仕事場での写真や親交のあった人たちが思い出を綴ったパネルも飾られている。

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