CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ラスプーチンの庭

2021-04-06 21:12:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラスプーチンの庭  作:中山七里

珍しく短編というか、一冊完結かしらと読んだのだけども
どうやら続き物の、しかも6冊目に当たるのだそうで
そういう感じが微塵もしなかったんだが、
前を知っていると、より楽しめたのかもしれない

民間医療についてがテーマになっていて、
その功罪、その周辺というのが描かれていました
幸いなことに、とりあえず健康体なので、
そういうこともあろうかなと思いながら読んでいたんだが、
実際高額医療になってしまう、難病だとか、
そういうものにかかったりしたときの絶望というのは
察するに余りあるし、
だからこそ、昔から宗教みたいな救いがはびこってんだなと
思わされる、わかりやすいシナリオであります

絶対的な正義は存在しないし、科学と感情が対立するというでもないが、
医療、そして、それを必要とする人たちが、貧富によって
なんらかの差異を覚えているというのが不幸の始まりになっていて
現実には、まだ、ここまで多くの人が謎の宗教団体めいたところに
殺到したりはないだろうなと感じたんだけど、
これも、自分が健康だから思うだけなんだろうかと
死と隣り合う恐怖みたいなのを考えるのでありました

昨今取りざたされることが多い、貧富の差、格差というものが
こんな形で出てくることもあろうかと
そう感じるばかりなのであります
最終的に、黒幕というか、犯人の側が結構小さいなぁと
そんな風に思うところだったので
爽快感みたいなのを感じられないのでありますが
救われるということを考えさせられて、
結構出てきた人、全員が、何かしら不幸というか、
悲しい目にあって、それが報われないというか、
悲しいお話だったと思うのであります

避けられない死に、どう向き合うか
そういうものだとしたら、罰することもできないし
これはなかなか、難しいというか、
救いがたい問題であるな


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