CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ラーメンの語られざる歴史

2016-04-16 20:16:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラーメンの語られざる歴史  著:ジョージ・ソルト

ガイジンが書いた、日本のラーメンについて
面白おかしい本だと思ったら、大間違い
物凄く緻密に構築された、
日本におけるラーメンという物体がたどった
その軌跡と、その周縁について、
歴史、経済、文化といった側面から
相当に練って解析した内容でありました
襟を正して読むべきだというほどだ
ラーメンのことなのに

そんなわけで、ラーメンがいつごろから日本で
食べ始められたのかというあたりの
市井風俗史めいた内容から始まって
ラーメンが担ってきた役割というものが喝破される
いわく、労働者にとってのエネルギー供給源だったこと、
それが、地方から上ってきた若者のソウルフードになり、
貧乏=ラーメン的な構造ができていたり、
それすらも超えてきたときに、
中華料理屋や食堂で食べるものから、
専門店で食べるものにシフトしていき、
ラーメンがやがて文化という側面を得て
ファンがつき、なにかエクストリーム化していく
近頃じゃ、クールな日本の食べ物になった
というのも、テリヤキとスシに、アメリカ人が飽きてたからだ
なんていうあたりにいたるまで
非常に面白い考察と、念入りな論考が続けられるのでありました
脱帽である、凄い、本当に学問として
一本できるんじゃないかと錯覚してしまう(錯覚ではないかもしれない)

そんなわけで、どこのラーメンがうまいとかいう次元ではなく、
日本の近現代について、ラーメンという切り口で見たというか
いや、本当に不思議と、ラーメンのことでもあり日本のことでもある、
やっぱりラーメンは日本の何か象徴めいたものなのかと
思わされてしまうほど、非常によろしくできている
大変真面目な本を読んだのでありました

読み終わってラーメン食べたくなるかと思っていたけど
まったくそういう気分にならないあたり
この本の優秀さを思うのであります
凄い、ラーメンも凄い


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