CLASS3103 三十三組

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【読書】国のない男

2016-07-04 21:15:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
国のない男  著:カート ヴォネガット

アメリカのユーモア小説作家なんだそうであります
知らないで読んでしまったのでありますが、
世間に対してはすに構えた感じを
ケレンミたっぷりな文章で見せてくれた
面白いエッセーでありました
すでにお亡くなりになっているようですが、
戦争を生きて、人類のばかばかしさに愛想をつかした
そんな偏屈した感じが、
いやみなく、口うるさい爺のイメージでやってくる、そんな読み物

詩のような、
と例えていいのかわかりませんが、
メッセージを切り取った表現なんかが秀逸で、
ちょっと思想が表に出すぎというか、
かなり尖った感じで世間というか、人間に対して喧嘩を売ってるんだが、
腹が立つとか、不快になるというではないところが
不思議な魅力であります
なんせ石油に関して、その嫌悪が凄いというか
ここまで罵倒するかというほど
堕落している人類に対しての憤りが
ほとばしりすぎているのでありました
凄いな

戦争を体験し、人生において様々なことを想い考えて、
面白いとは何か、笑えるってどういうことかと
そういうことを突き詰めた人だったようで、
そこに対する、笑い=平和、なんて感じのことを
つらりひらりと書いているのが
軽妙で面白く読めたのでありました
極論ではあるけども、そうであってもいいなぁと
そんな風に感じる内容なのであります

そのコメディというか、笑いに対するありかたが、
イギリス人っぽいななんて勝手に思っていたんだが、
実際はドイツ人に近いんだそうで、
まぁ、この当てが外れた感想を読んでもらったら
それこそ腹を抱えて笑ってくれそうな具合なんだけども
シニカルと呼ぶのか、はすっぱで、噛み付く感じの笑いが
魅力的に書かれているのでありました
アメリカ人が、アメリカ人を馬鹿にしちゃいかんと、
一番馬鹿にしている人が書いてんだから
もう、そこ笑うところなのか、どうなんだと
思ったわけでありますわい

読み終えて、短いのになんかずっしり読んだなと
感触を重たく感じたのでありますけども
また、別の本を読んでみたいなと思わされた
不思議な魅力に触れた一冊でありました



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