CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ブックセラーズ・ダイアリー

2021-11-10 20:56:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブックセラーズ・ダイアリー  著:ショーン・バイセル

タイトルの通り、本屋さんの日記
業務日誌ではなく、本屋を営んでいる店主が
お店のこと、客のこと、仕入れのことを含め、
その日あったことを日記として書いているものでありました
読んでいて、初めて気づいたんだが
日記ってこうやって書くものなんだなと、現在自分がつけている日記の意味のなさに
愕然としてしまったのであった
物語がある必要はないし、エピソードが細切れでも構わないが、
何かあったという描写をしておく、そこに気持ちがあれば添えておく
そういうのを毎日続けるのが日記なんだな
そして、本屋というのは、それを毎日続けて、一日として同じ日がない
そんな不思議な魅力があるんだなと思わされた一冊でありました

本当に、ただの日記のため、最初どうやって読んでいくか
調子をつかむのに時間がかかってしまったんだが、
ストーリーとかではなく、本屋が営まれている
その周辺というものが想像できるようになったら、
書いてある内容が、するすると頭にはいってくるようになって
なんだったら、本屋における客と店員の人間関係も見えるような感じになり
大変面白く読めた
しかし、本屋にくる客というのは、色々な困った人が多いんだなと
改めて思い知るばかりである

本屋ではあるが、古書店のようで
ある種骨董屋のようなやりとりもいくつかあったりして面白い
困った客に事欠かない様子を面白おかしく書いてもいるが
そればかりではなくて、本屋としての活動、
仕入れや、フェアの開催なんかの悲喜こもごもも
簡単に記されているのが想像力を刺激してくれて面白かった
副題にある通り、スコットランド最大の古書店なのだろうけども、
相当量の蔵書に囲まれて、割とテキトーに営業してるが
独特の魅力が店に、店主にあふれているといった感じがして行ってみたいと思わされた

一年にわたるそれが記されて終わったのだけども、
2014年くらいの話だそうで、
そこから数年のうちに、店員のメンバーも変わってしまって、
でも変わらずにあり続けているようで興味深かった
さらには、アマゾンから脱出したんだそうで、それはすごいことだなと思えば、
店主であり著者でもある作者が、自分の本はアマゾンキンドルでよく売れているので
歯がゆいというか、あれこれと思うとこもあるらしいが
スコットランド人らしいというか、皮肉たっぷりに、今も続いているようである
コロナの今、どうなったんだろうと少々心配だが
たくましく生き抜いて、本屋という体験を売ってる場所になっててほしいと
思ったりしたのでありました

あとがきにあったけど、ドラマになる話もあるんだそうで
なかなか楽しそうだと思うのである
NHKがそのうち輸入しそうだな、本当に作られてるなら