CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】スウィート・ヒアアフター

2015-09-29 20:34:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
スウィート・ヒアアフター  作:よしもとばなな

珍しい人の本を読みました
ずっと昔に、楽園だったかの
シリーズを読んだきりくらいでしたが
なんとなし、軽くさっぱり読めそうな本と
手に取った次第でありました
まさか、震災を受けての内容だとは
思いも寄らなかったので
全然さっぱりしないというか
重たいと感じたりしたのですけども
読んだのであります

内容は、唐突に大切な人を失った、
それに対面していく、それを過ごしていくという
情景と風景を人情とともに描くと
まぁ、そんな小説でありました
独特の語り口というか、話し言葉で、
地の文も、台詞もごたまぜに進むというのが
なかなか面白いというか、不思議な感触で
男女とかに限らず、人間のありようみたいなのを
なんとか言葉に、口にできるようにしようと
四苦八苦してるみたいな印象で
不思議な読み応えでありました

話し言葉を意識しているせいか、
同じフレーズがたくさん出てきたり、
どうも、情景比喩じゃなく、直接的というか
説明的な形容詞だの、形容動詞だのが
入り乱れるという感じなので
なんとなし、好きでないと思ったりしたんですが
そのとつとつさみたいなのが、
重さでもあったのだなと、読み終えて
感じた次第でもあるのでした

ともあれ、過ぎていく、生きていくということに対して、
その瞬間に立ち会ったそれと折り合っていく、
その難しさが垣間見られたような、
そんな気分になりつつ読み終えたメモを
記しておくのでありました