CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

ドラマ  経世済民の男

2015-09-19 22:23:01 | ドラマ映画テレビ感想
NHK開局90周年特別ドラマ「経世済民の男」
とっても面白かった、3人の人物から、
戦中~戦後にかけての財界、政治を描いた珠玉のドラマでありました
そうだ、こういうのを見たかったんだ
正直、どの話も面白すぎてたまらなかったわけで、
各人の分ごとに、レビウしたいと
思ったりなんだったりしたのですけども、
怠惰にかまけて、いっしょくたで書いてしまうわけであります
しかし、もったいない、各人それぞれで5話分の土曜ドラマが
十分やれただろうにと思ってしまったりもするんだが、
これくらい凝縮しているほうが
より面白かったのかもしれないとも感じたりする

というわけで、NHKの東京、大阪、名古屋が
それぞれを担当して作るという、なかなかNHK的に斬新じゃないかと
個人的に感心してしまった体制も含めて、
各担当局が、また担当した朝ドラで培った技術を
いかんなく発揮している感じで、
どれもこれも非常に楽しめてしまったのでありました

まず、高橋是清については、もういわずもがなという具合で、
本やドラマで事前知識があったので抜群に楽しめたのですが
この人こそ、しっかりじっくりとやってほしかったと
悔やんだことはないという具合でありました
あまりにも端折りすぎで驚いた
しかし、それでも、かいつまんだだけで、あれだけ面白いというのは
抜群の人物だなと、改めて感服したのであります
いずれのドラマも、大体制に対しての反発めいた気骨が見え隠れする
そういうテーマというか、一本あったように感じたのが
いいところでありますが、
是清についても、物腰柔らかくありながら、本質と信じたものを進める
あの鷹揚さと、度胸みたいなのがすごく伝わってよかった
オダギリジョーが完全に八重の時と一緒だと
思ってしまって、熊本というか佐賀で追い出されるくだりは
なんか因縁めいたものを感じたりしたんだけど
アメリカで踊るところとか含めて、すごいよかった

続いて、小林一三
阪急の悲喜こもごもを描いていたわけでありますが、
ドラマの作りが、完全にごちそうさんと一緒だと
それだけで楽しめてしまったのでありますが、
達磨をうまいこと使って、
最終的には足腰にがたが来ている達磨をかばっていくとか
あの表現が、たまらなく好きでありました
いいドラマだった、夢もあったし、挫折もあった
本当はもっといろいろと、後ろ暗いではないが
描ける深いくらいところもあったんだろうけど
あえて明るくきれいいしたというのは
見ていて心地のよいものだと、阿部サダヲの演技とともに
いいなぁと感心したのでありました、
もうちょっと宝塚シーンを華やかに見たかったようにも思うんだが
あの当時はああいうもんだったんだろうか
いずれにせよ、すごく楽しかったのであります
資金繰りで、七転八倒するくだりは、想像を絶する酷さだったはずなのに
コミカルに見せてもらえて満足であります

そして最後に今日、松永安左衛門
正直よく知らないという感じでしたが、
出てくる俳優陣が半端ねぇわ、一話しかないというのは、
一話に二話分の予算と力を注ぎこんだんだろうと解釈したんだが
それで正解だなという密度、圧倒的でありました
使い捨てのように銘俳優が山ほど出てきたのには
驚きを禁じ得ないというか、久しぶりに宝田明さんが見られた
そして、あのままだったというのが
とてもうれしくて仕方なかったんだけども、
やっぱり、主役でありました、吉田鋼太郎はすごい
もう次元が違うなと、あの迫力を見られたというだけで
ものすごいいいドラマだったと喝采してしまったのであります
あの時期に、あの問答をやって、そして
国会で大騒ぎしてと、奇しくも現実が似たような感じなのに
この迫力、すごみの違いはなんだろうかと
思ったりしたんだけども
これもまた、裏返したら、まさにオニだったんだろうなとも
予想に苦しくなくて、ニヒルな感じのラストといい
すごくきれいにまとまった、いいドラマだったと
最高に楽しんだのでありました

山盛り感想を書いてしまったわけですが
こういうのをもっと、定期的に見たいなぁと
切望しつつ、大変楽しんだということを
大にして書いておこうと思った次第でありました
すごい楽しい一か月だった