CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】横道世之介

2015-09-21 21:11:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
横道世之介  作:吉田 修一

面白かった
せつない終わり方が、なんというか、
残念ではあるんだけども、
これでこそなのかもしれないと、
そんなことを思ったりするのでありましたが、
ただ、読み終えて面白かったと、
かみしめるように呟いてしまったのであります

さすが芥川賞作家なんていってしまうと、
なんだろう、完全にそういう眼鏡で見ていると
自分でも思ってしまうんだが、
これは、最終章あたりの短編でも
十分に伝わるといっていいのか、
それだけで短編として完成しているようにも読めて
脱帽でありました、ともかく
面白いというか、なんか伝わってきたという
わかった風なことを書きたくなるような
感動を覚えたのであります

内容は、九州から東京に出てきたばっかりの
少し抜けたところのある世之介少年が、
一年間過ごすという、ただそれだけなんだけども、
なんだろうかな、青春だなと感心する風景が
ありあり伝わってくるようでもあるし、
登場人物同士のからみなんかも、
手に取るではないけども、コミカルだけど
なんかわかるようなという感じで
手法としては、フラッシュバックする未来の出来事が
また、いいかなしさみたいなのも伝わってきて
なんともかんとも、感動だったのでありました
人生って感じがするなぁなんて、
これまた、わかったことを言いたくなるような
いい塩梅なのでありました

何よりも、滑稽というのがふさわしいといったらいいか、
この嫌みのない面白さ、ギャグでもないけど
コメディというほど騒々しくないのに
笑えてしまうというのがすごいよくて、
まぁ、久しぶりに読みながら笑ってしまったのでありました
いい小説読んだ

最終的には、しんみりというか
ちょっと本当に悲しくなってしまうと
完全に心を持っていかれる感じで読んだのですが
いい本読んだと、感心しきりにメモっておくのでありました