kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

アニミズム?伊藤若冲

2016年04月30日 | 昆虫
伊藤若冲生誕300年で、マスメディアがかまびすしい。
もういいかげんにせいや、と思うのだが、
どれも似たり寄ったりではなく、それぞれ独自の視点でとらえていて興味深かった。

特に、4月30日放映のNHKBSプレミアム「若冲いのちのミステリー」は、出色だった。
「動植綵絵」と中世の天地創造の絵との共通点を探っていたのには、驚いた。

聖書の創世記の話は知ってはいるが、こんな絵は初めて見た。
生きとし生けるものを描いている。
若冲の絵もまさしく同じ世界である。

動物も植物も、自然界のあらゆるものがいのちあるもの。
アニミズムの考え方には共感できる。

都会の片隅でも、動植物はけなげに生きている。
それを見る人間が、どう思うか、である。
写真家の今森光彦氏が、同番組で「若冲は動植物が生きる同じ目線で描いている」と言っていた。
うなずける言葉である。

カメラ爺も美の追求にはやぶさかではないが、カラスノエンドウに止まるナナホシテントウ双方に、
いのちの営みを感じるのだ。


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2 コメント

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踊り出た転倒虫 (6944)
2016-05-01 10:59:57
アップで細部まで写すのが爺のカメラ技法かと思っていたら、このテントウムシは敢えて遠目で撮られている。

アニミズムという外国語を一寸の虫にも・・・という諺で表現するためのテクニック?

このところ若冲ばやり。マスコミは手を変え品を変え紹介・解説。ファンにはたまらない。6944も上野の展覧会行ってきた。

若冲の絵の底には確かに命の礼賛が脈々として流れ、爺のカメラの視点に通じるところがあるように思う。
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ダブルだじゃれ、座布団! (kazu)
2016-05-01 11:32:51
6944さんへ

本当はもっと寄りたかったんだけど、これが精いっぱい。
トリミングすると、色のバランスが崩れるので、やむを得ず・・・
かえって意図せぬ「一寸の虫にも」と思っていただき、ありがとう。
どうしても、載せたかったことが、若冲の絵心に通じたか。
半世紀近く前、まだ駆け出しのPR誌編集者だった頃のこと。
インド通の友人の企画で、インド旅行をした時、「ミセス」の編集者に同行したカメラマン新正卓氏が、「写真はノートリミングのフレームで撮れ、ワイドもズームも使うな。遠ければ寄れ、近ければ下がれと言われたことを思い出します。
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